445 / 496
第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
3-244.マジュヌーン(90)混沌の渦 - 幻のドラゴン
しおりを挟むギラギラと照りつけるような太陽……てのもちょっと違う。
日本のじめっとした湿気のない、乾いた空気の雲一つない青空は、その見た目も含めて爽快感をも感じさせるが、それでも日射しそのものの強さはハンパなく、文字通りに「焼けるような」痛みにすら感じられるほどだ。
そうだな、まるで太陽の光にブン殴られてるみてーなもんだ。
ただ、今の俺は実際にはそれ程の暑さを感じては居ない。
本来なら感じるはずであろう暑さの半分くれーは、俺が身につけた“闇の手”製の革鎧により和らげられている。
暑さだけじゃなく、寒さも湿度も乾燥も、周囲の環境による様々なダメージを緩和させる特別な魔力の効果や付呪。それがあるからだ。
その灼熱の砂漠で何をやっているか?
周囲の砂、地面の一部がボコリと膨らむ。いくつかの膨らみがそのまま動き回りのたうちまわるかに俺の周りを旋回。その膨らみの一つがより大きく膨らむと、まるで破裂するかに砂をまき散らして現れる大きな影。
高く伸び上がるそいつは、太さ50センチぐらい。長さは……ああ、こりゃあ測るのも面倒くせぇ。
言うなりゃ巨大な砂ミミズ。ただ一般的には砂竜とか呼ばれ、主に残り火砂漠の真ん中辺り、砂流海とか言う名の流砂の海の近くに生息してる。ヒトや普通の生き物が足を踏み入れると、あまりの砂の細かさにまともに立つ事もできず、自重でハマっては沈み抜け出せなくなると言われる底なしの砂砂漠の中を“泳いで”いる化け物だ。
そいつの巨大な丸い口の中、タテヨコさらにその奥の奥までみっしりと生えた小さな牙は、言うなりゃ円筒状のおろし金ってところか。
想像するだけでケツの周りがむずむずするような気味の悪いそいつの攻撃を、俺は余裕で屈んでかわす。
水面を跳ねるトビウオみてぇに俺の頭上を通り過ぎるそれを、手にした山刀で一直線に切り裂くくと、ちょうど、開いた魚みてーになってドサリ。
次々現れるそいつらの、何体かを切り、何体かをかわす。
フットワーク軽く動き回って逃げるのは無理。何せ砂流海の中じゃ、突き出してる硬い岩場以外にゃ動けねぇ。
俺が立ってる1メートルもない丸い島の周りは、さらに小さな杭みてぇな岩以外全て流砂。
ここで切り、またかわし続けても、後から後から現れる砂竜相手じゃきりがない。
だが……10体目か11体目かの砂竜の攻撃に、俺は全く反応せずにそのまま立って居る。
勢い良く飛び上がってくるそいつは、下ろし金みてぇな牙のみっしり生えた大口を開けたまま俺を一飲みにしようとし……そのまま、通り抜ける。
その次の奴へと再び山刀を振るい切り捨て、また数体を処理してから、同様の攻撃を無視すると、そいつは同じ様に俺をすり抜けて消える。
幻───幻惑術だ。
「あーあ、なんだよ、もう全部嗅ぎ分けられてんじゃ~ん。つぅ~まんねぇ~!」
不意にそう言って現れるのは、子どもっぽい拗ねた高い声の男。この「現れる」も、歩いたりとか飛んできたりとかってな意味じゃない。
数メートルは先の流砂の上に、三角帆のついた二連のボートのような砂船が、空間からぼわっと滲み出るように現れた。そこに居た3人のうち1人のセリフ。
「やはり、もはやこの程度の幻惑術では、我らが“持ち手”には通用しないですな」
独特の嗄れた声でそんな事を言うのは蜥蜴人の術士であり、組織“闇の手”の“聞き手”であるアルアジル。俺の心臓に巣くう邪悪な神の作った、闇そのもののような歪で曲がりくねった武器、“災厄の美妃”の信奉者であり、その預言の声を聞く者だ。
同じくその横には“闇の手”の一員で、見た目は巨体のゴリラそのものに見える猿獣人、アールゴーラ族のムスタ。
そして、三角帆のマストのてっぺんに座っているのは……ボサボサでとっちらかった長い銀髪を後ろに縛り、やや汚れた白くゆったりとした砂漠の民の服を着た、耳の尖った男。
名は、エリクサールと言う、本人曰わく「最高の幻術士」だ。
△ ▼ △
砂流海は砂船と呼ばれる船でないと移動も出来ないくらいに砂が細かい。だからと言って普通の水面のように滑らかに滑る訳でもなく、当然水よりは摩擦がある。なのでこの砂船は、ある種の魔術で流砂の上に浮き、流砂の上を移動する。
その魔術を創り出したのは誰か、と言うと、砂エルフ達だ。
砂流海の奥にあると言う砂エルフの国。砂に浮かぶ動く島だと言う話だが、それを実際に見たものは居ないと言う。その砂エルフ達以外には。
ムーチャの部族は、砂流海の砂エルフに仕える術士の部族だったと言うが、彼らも特定の祠に貢ぎ物を納めるだけで、直接砂エルフの国に出入りしてたワケじゃないらしい。そう言う間接的な形で砂エルフに仕える、交流する者たちはいくらか居るそうだが、砂エルフ達自体はやはり連中の国から出てくることはまず無い。
「おぉ~っと、その腸詰め俺んだかんな~!」
フライパンで炒めてる羊のハーブ入りソーセージを串で刺しながらそう言う間抜けなコイツみてーな、超レアケースを除いては……の、話だがな。
一区切りついての砂船の上で、日差し除けの天幕を張ったマストの下で、昼食作りの簡易コンロを囲んでのひとときだが、傷顔の猫獣人、猿獣人の大男、蜥蜴人の術士に砂エルフ……或いは沙鬼と呼ばれる四人連れと言うのは、絵面的なだけでなくなんとも奇妙な取り合わせだ。
「さて、しかしどうでしょう、エリクサール殿。我らが主、“持ち手”の幻術への対応力は、いかほどか……」
蜥蜴人のアルアジルが、相変わらず表情の読めない顔でエリクサールへと聞く。
「ん~……そうね~、ま、悪かぁねぇ……ふぁな~」
粒マスタードをたんまり付けて、焼きたてのハーブ入りソーセージを八重歯の尖った口でガブリと噛みちぎり頬張るエリクサール。
種族としちゃ間違いなく砂エルフ。肌はやや黄色がかった褐色に近く、微妙に輝いてもいるように見えるエリクサールは、砂エルフ社会のはみ出し者……端的に言えば犯罪者で、そのため故郷から逃げてきたと言う。
何をやって犯罪者となったかと言えば窃盗。これまた本人曰わく、最高の幻術士であり最高の盗賊であるエリクサールは、「あんな狭っくるしくて、誰もがゆっくり死んでくみてーな退屈な浮島」では納まりきらないから、機会をみて自ら抜け出したと言う。
各地を旅し、冒険と盗みを満喫し自由に生きていると言うエリクサールだが、ふとした折りにアルアジルと知り合い意気投合。“闇の手”の一員にはなっていないが、最も重要な外部協力者の1人なのだと言う。
“闇の手”は、“災厄の美妃”の信奉者による秘密結社だが、その信奉者たちも多くは各地に散って各々の生活を送っている。アルアジルや、毒薬大好き錬金薬師の蛙人みたいに、“聖域”を住処としている、ほぼ常駐してるなんてのは全体からすりゃごく一部。“闇の手”の怖いところは、まさに普通に暮らしている隣の誰かが“闇の手”の一員、“災厄の美妃”の信奉者かもしれない……、てな所にもある。全く、マジでキモいカルト集団だぜ。
で、このエリクサールはどうかってーと、外部協力者だが信奉者じゃない。“災厄の美妃”のことも「ただのめちゃヤベー武器」程度にしか思ってないし、その“持ち手”である俺にも敬意も糞もねぇ。
俺たちに協力してんのも、ただ単にアルアジルとたまたま親交が出来たからってのと、それなりの謝礼が出てるから。
砂エルフの中ではタチの悪いはみ出し者、暴れ者を現す侮蔑の呼び方、砂鬼を喜んで名乗るような奴だ。
「間違えて幻術に攻撃したのは三割くらいだな。まあ最初の頃よかかなり精度は上がってるぜ。
アジル程度の幻術だったらもっと精度も上がるだろうけどよ」
「お褒めいただき恐縮です」
誉めてねぇだろ、とは思うが別につっこまない。
術士としてどっちが上か、てのは俺にゃ分からねぇが、少なくとも幻惑術に限って言えば、アルアジルよりもエリクサールの方が格段に上、てことらしい。幻惑術自体はアルアジルも使える。俺からすりゃかなりのもんにも思える。だが、さっきみたいないわゆる「実在しない幻を作り出す」みたいな術は、その術士の腕によりまるっきし精度が変わる。
そして俺は今、それらを見破る感覚を鍛える修行中……てことになる。
「全ての魔術を破壊し、魔力を奪い取る“災厄の美妃”ですが、かといってあらゆる魔術に対して無敵な訳ではありません」
とは、俺と奴ら……“闇の手”の連中とが一つの目標で手を組むと言うのがハッキリとして最初の段階で言われたこと。
「そりゃ、何でだ?」
「その力はあくまで“災厄の美妃”の力であり、あなた自身の力ではないからです」
改めていうまでもない当たり前な事を言われて、俺は鼻を啜り肩をすくめる。
「“災厄の美妃”は、魔術による攻撃、攻撃的な意志に強く反応します。
ですが……“攻撃的でない魔術”にはどうでしょうか?」
攻撃的でない魔術? と言われ、まずアタマに浮かんだのは治癒術や補助系統の魔術。
傷や病を回復させる魔術や、力や素早さを高めてくれるような魔術にまで反応しそれらを打ち破ってしまってたら、そりゃ無敵と言うより孤立無援だ。
「治癒術や補助、それら以外にも“攻撃的意志のない魔術”はあります。
例えば……」
そこでアルアジルは手をひらりと動かし何事か呪文を唱え、その手から小さな蜥蜴を生み出す。
「幻惑術……。この蜥蜴はいま、何ら攻撃的意志無く生み出されました。なので、“災厄の美妃”が反応する事はありません」
まあ……そりゃ確かにそうだ。
「けどよ、攻撃的じゃねぇんだったら別に問題ねぇんじゃねぇか?」
攻撃してこねぇなら無視すりゃ良いだけの話だ。
「ですが、例えばこれはどうです?」
次にアルアジルが出したのは……床だ。
ここ、“闇の手の聖域”は、かなり複雑な構造をしているが、基本的には自然洞を長年かけて改築して作られたものだ。だから床面もほとんどはただの岩肌か、多少歩きやすいように板を敷いたり、ある程度削ったりした後に粘土や砂利でなだらかにしたりしてる程度。だから、ここまできちんとした石組みの床面なんてほとんどない。
その幻惑術で作られたきれいな床面を眺め、眉根を寄せアルアジルを見返す。
「歩けますか?」
「かなり歩きやすそうだがよ。けど幻なんだから、いつも通りの床だろ?」
「はい。幻の床がどれほど整えられていても、実際に歩く床はいつも通りです」
そこで、再び呪文を唱え新しい幻を作り出す。
綺麗に整えられた石造りの床の真ん中に、深い穴とその底に見え隠れする鋭い刃の山、ひっかかった古い白骨を。
ひやりとする。幻だと分かっていても、まるで本当にそこに突如として穴が開いたかのようにリアルに感じられる幻。
「この幻が本物で、先ほどの床面が幻だったとしたら? その幻は敵意も無く攻撃してきませんが、幻だと気付かず歩けば……主どのは死にます」
生唾を飲み込んで唇を舐める。
なるほど、確かにそうだ。“災厄の美妃”があるから魔法、魔術には無敵だ、なんぞと甘く考えて行動してれば、俺自身の判断で死んじまう可能性は高い。
「攻撃してくる破壊魔法、あるいは直接的に主どのに作用する幻惑術……あなたを怯えさせたり魅了したり、または激昂させ判断を誤らせたり……そう言うものであれば、“災厄の美妃”はそれらを打ち破り、防いでもくれます。しかし害意のない幻は、主どの自身の感覚で見極め、見破らねば、“災厄の美妃”での対処も出来ません」
危険を危険と見抜けなかったり、逆に安全なのに幻に怯え決断を誤ったり……。
「ふん……。確かにな」
不承不承にも認める俺へ、アルアジルは再び慇懃に頭を下げ、
「幻惑術への対処も含め、主どのの大望を果たすためには、まだ幾つか学ばねばならぬこと、やらねばならぬこと、そしてまあ……無理にとは言いませんが、やっておいた方がよいことなど、多々ありますれば、我ら一同、そのため十分尽力いたします」
何とも持って回った言いまわしだが、要するにこりゃ次のステージへ進むための修行モードPart2……ってところか。
△ ▼ △
エリクサールによる対幻惑術の修行は既に一月を越えて続けてる。気まぐれなのか計画通りなのか、内容は日々変わるし、1日、また何日間か留守にして居なくなることもある。修行する場所もコロコロ変わり、砂流海の他にも様々な“危険地帯”でやることもあった。
「幻惑術には大別すると二種類ある。
心に作用する幻惑術と、知覚、感覚に作用する幻術だ。
心に作用するものは相手を催眠状態にしたり感情を操ったり、もっとすげぇのは記憶まで操ったりもする。
だが、その辺のもんはお前だったら“災厄の美妃”の力で防ぐ事ができる。
けど、知覚、感覚に作用するやつは、たいていは害意がない。て言うか、お前個人に対する害意がない。
ただ、そこにないものあるように知覚させたり、あるものないように勘違いさせたりするワケだ。
これはまあ……言い換えりゃ、“特定の誰かの心を操る”か、“不特定多数の知覚を操る”か……てな違いでもあるな」
魔法だ何だってなぁ、前世からしても俺の得意分野じゃねぇ。そんなにやり込んでるわけでもねぇが、まあゲームだとか漫画、またはもっとガキの頃に読んだ児童小説ぐらいの、いわゆる、「おとぎ話の魔法使い」程度のぼんやりしたイメージ。
こっちの世界での魔法、魔術ってのは、そういうのに比べるとなんつーかある種の特殊技能、学問に近いところがある。だから、アルアジルにしろフォルトナにしろ、もちろんこのエリクサールにしろ、いわば前世で言う学者やエンジニアみてーな知的エリートになるワケだ。態度性格を見てると、なかなかそうは思えないとしても、な。
だから俺なんかからすりゃ、言ってることの根本的原理なんかをキチッと理解出来てるかッてーとそうじゃねぇ。けどまあ俺なりになんとなくは……掴めなくもない。
「つっーワケで、そろそろ次のステージに進んでみっか~?」
相変わらずのお調子者の声で、エリクサールがそう言う。
しかし、いつまで続くんだかな。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
『三度目の滅びを阻止せよ ―サラリーマン係長の異世界再建記―』
KAORUwithAI
ファンタジー
45歳、胃薬が手放せない大手総合商社営業部係長・佐藤悠真。
ある日、横断歩道で子供を助け、トラックに轢かれて死んでしまう。
目を覚ますと、目の前に現れたのは“おじさんっぽい神”。
「この世界を何とかしてほしい」と頼まれるが、悠真は「ただのサラリーマンに何ができる」と拒否。
しかし神は、「ならこの世界は三度目の滅びで終わりだな」と冷徹に突き放す。
結局、悠真は渋々承諾。
与えられたのは“現実知識”と“ワールドサーチ”――地球の知識すら検索できる探索魔法。
さらに肉体は20歳に若返り、滅びかけの異世界に送り込まれた。
衛生観念もなく、食糧も乏しく、二度の滅びで人々は絶望の淵にある。
だが、係長として培った経験と知識を武器に、悠真は人々をまとめ、再び世界を立て直そうと奮闘する。
――これは、“三度目の滅び”を阻止するために挑む、ひとりの中年係長の異世界再建記である。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる