夫の親友〜西本匡臣の日記〜

2023年11月

11月7日

妻が起きる音で目が覚めた。
そろそろ毛布洗わないとと言いながら着替える妻の背中を眺めた。
昨日の東の父親の話を思い出し心配になり妻に説明すると、「私は長女が生まれてからトイレの戸開けたままだから大丈夫」と言われた。
確かに妻が入ってる時に何度か開けたこともある。
先に閉じ込められるのは自分かもしれないと不安になる。
目覚ましのアラームより先に起きて妻とこうして他愛もない会話をするのは好きだし、幸せを感じさせる。
ベッドから出て、使っていない部屋の押し入れから毛布をいくつかひっぱり出すと妻が1枚洗濯機に入れていた。

朝食をとり長男を幼稚園に送って出社した。
パソコンを見ると三年前に受けた仕事のことについてメールが来ていた。
ぶつかって一部が壊れたからそこだけ直したいとのことだったので、確認したいのでと撮る場所を指定して写真を送って欲しいと返信した。
急ぎだったのか直ぐに写真が送られてきた。
写真を見る限りメインのパーツが壊れているように見えたため、電話をすると出来たら直ぐにでも来てほしいとのことだったので、応急処置の道具を持ち車で向かった。
やはりメインのパーツが壊れていたので、全損扱いになるので修理ではなく新調を勧め大まかな料金を説明するが、値段もはるため少し待ってほしいとのことだった。
応急処置をして会社に戻どり、もう少し値段を抑えられないか調べた。
スタンダードタイプなら値段も抑えられるが、資料を見ると理想のデザインになるまで話合いを重ねた形跡があるで勧めるか迷った。
話合いを重ねたところが壊れていないパーツなのが気になった。
イチから作り直すよりは再利用した方が安く済むし思い入れもあると思うが、見た目のが悪くなるのも気になった。
迷ったが、またオーダーメイドで注文するにしても最近の物価上昇のこともあるので、早めに注文したほうが良いこと、スタンダードタイプなら早いと来週中遅くても今月中にでもなんとかなるとメールを送った。

家に帰り子供たちを寝かしつけた後、長女が大事にしているぬいぐるみを見ながら妻に相談してみる。
意外なことに妻はそれならスタンダードにすると即答した。
環境が変われば1番コスパいい物を選ぶようになる、いつまでも昔のお気に入りは今もお気に入りではないしと言われた。
長女のぬいぐるみの目を見ながら、お前は長女の両親からのプレゼントだからずっと大事にされるんだぞと心の中で話しかけた。
そんな俺の気持ちを知らずに妻は言った。
「時間が経てば人は変わるの」と。