世界は僕の死に場所を探している

一章

第8話〜魔王様と閻魔様〜

「兄さん、お久しぶりです」

僕は昔自分の手で殺した兄に向けて挨拶をした

「おっ、久しぶりだな、でもなソラヤ俺はお前にすっごい腹を立ててるんだ、だからな？死んでくれないかな？」

ニコニコと笑いながら話すリヨ

「殺してくれるんですか？！嬉しいな！約束守ってくださいね？」




ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「くっ！思ったよりやるじゃん、
さすが俺の弟！」

「あなたに褒めれても嬉しくありませんよ？」

「ハハッそれもそうだな、何せ俺も強いんだからな！
スキル発動！
“不枯渇の魔力！”」

不枯渇の魔力
その名の通り枯れることのない魔力
自分の体内で大量の魔力を作り出すスキルだがやはり体のスペックが高くないと自滅してしまうという欠点があるため代々王家のものしか使えない

「兄さんそれは反則ですよ」

「お前の不死身も同じようなもんだろ？」


“大精霊の呪縛！！！”

リヨが特大の呪縛魔法を放つと
リヨの周りから紫色を帯びた魔力が束となりソラヤへと向かってくる

「っ！！“pーshield！パラボナシールドっく！
ガァ！」

くそ！魔力差ですぐに壊れてしまう

「これでしばらくは何もできないだろ？」

魔力差でシールドが破壊されたソラヤはことごく呪縛で四肢を固定された

「すまないな弟よ、でもお前が作った過ちだ死んで償ってくれ
スキル変換“大地獄！”」

リヨがそういうと巨大な舌切りバサミが出てそれをそのままソラヤの心臓に向けて投げた

「グァァァァ！！！ガァ、ガァ！」

「さすがに心臓潰されたら再生できないだろ？」

グチュ

辺りに生々しい音が響く




「リヨ！やったか！」

物陰にユノと隠れていたショウが駆け寄ってくる

「あぁ、とりあえずなんとか」

リヨの目線の先には未だに呪縛に吊るされている胴体のなくなった手足
これを見て誰も生きてるとは言えないだろう

「うぅ」

「ユノ！しっかりするんだ！」

「ハハッたしかにこんなグロテスクなもの見せられて平然ではいられないよね」

リヨは再び死んだ弟を見てーーーーーーーーーー

「お、おい！ソラヤの死体どこに行った！」

「どうした！リヨ！何かあったーー」

倒れたユノを医務室へ運び終わったショウが戻ってきて見たのは

「お、おいなんで‥」

「俺に聞かれても」


呪縛に吊るされていたはずの死体がないのだ
自体が勝手に動くはずがないあんなにグシャグシャにしたのだから
四肢と胴体を分けるほどに
しかし二人の目の前には驚くべき光景が


「なんでお前」

「生きてやがる」

「あれ？二人ともそんな顔してどうしたの？
だから僕言ったじゃん、
“死にたくても死ねないんだって”」

そう先ほど死んだはずのソラヤが何事もなかったかのように立っているのだ
ソラヤ大きな肩掛けバックから小さな箱を取り出して

「さぁここからだよ？
“手術ショータイムの始まりさ！」



第2章へ続く