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後編 あの人と会ってから
【59話】A子ちゃん
子どもを病院や散髪に連れて行ったり
児相に連れて行く時には、車で連れて行くことが必須となる。
そのために、まず上司からのOKを貰う。
車ごとになので…
私は、まず軽自動車の許可が出た。
それからは通院に行ったり
外に出ることも増えた。
その後、ワンボックスカーの許可が出た。
だいたい軽自動車が空いていれば、それを予約する。
ある日
私は、ある女の子を通院に連れて行くことになった。
でも、軽自動車が空いてなくて…
仕方なく、ワンボックスカーを予約した。
初めてワンボックスカーで通院の日
一緒に行ったA子に
「今日、初めてこの車運転するんだよ。緊張する」
「そうなんですね。私もいつか免許取りたいです」
「そうなんだ…免許はあった方がいいよ」
そう話すと…
「私、いつか免許取ってお母さんの役に立ちたいんです」
と言った。
A子は、お母さんが精神的に不安定で
貧困になり…トイレも家で出来ない状態だった子だ。
児相がお母さんに、生活保護を受けるように言ったが…
お母さんは、それを拒否。
母子家庭のシェルターに入った時もあったらしいが
問題を起こして出るしかなくなったという。
児相もお母さんと連絡が取れなかったり
色々と提案をしても聞いて貰えない状態もあり困っていた。
それで、子どもとの連絡も禁止している状態だった。
後に、手紙のやり取りは、児相を通して許可となったが
母とは会えない状態が続いていた。
それから、初めて児相に連れて行く時も
一緒に行ったのはA子だった。
「今日、初めて児相に行くよ」
と、その子に言ったら
「また、先生の初めてが私ですね。嬉しい」
と言った。
児相に行くと…
まず、A子は心理の先生の元に…
そして、私は担当の人と話をする。
担当の人も、お母さんには困っているようだった。
A子が帰って来ると
今度は交代して、私が心理の先生と話す。
「施設の生活に、すごく不安があるようです。人間関係に悩んでいるけど、
職員の人には、なかなか言えないと言っていました」
私は、車で帰りながら
「悩みがあったら、いつでも言ってね」
と言ったが…
「先生は、忙しそうだし…人気だから…」
私は、なぜだか涙が出て来て…泣きながら
「言い辛い状況にさせてごめんね…でも、言ってくれたら
絶対に時間を作るから…言って」
A子も泣きながら
「わかりました。言うようにしますね」
と言ってくれた。
それから…
先輩との悩みや同級生との悩みをたまに言ってくれるようにはなったけど…
「私、お母さんに生活保護を受けて欲しいと手紙に書いたんです。ダメでしたかね」
と言ったことがあったから
「それは、いいと思うよ。正直な気持ちを書いてもいいんだよ。子どもなんだから…」
そう、話した。
そりゃ、早く施設を出てお母さんと一緒に暮らしたいよね…
A子の望みは、それだけだった…
A子は、ここに来るまで学校にも行けず不登校だった。
だから、人との付き合い方がすごく下手で…
しかも…先輩は怖い人ばかり…
毎日が不安だっただろう…
私は、なぜ児相がこの施設を選んだのか…
もっと人数の少ない施設に行けば良かったのに…
と感じていた。
それから…
10月になり運動会が開かれた…
小学生も中学生も一緒に開かれる。
私は、初めての運動会がすごく楽しみだった。
みんな、一生懸命練習をして頑張っていたから…
その姿を見て…涙が出そうだった…
これまで不登校で…運動会にも出たことが無い子が
一生懸命に踊ったりしている。
A子も、運動会に出たことがないと言っていた。
そのA子が、上手に踊っている。
私は、みんなの姿が誇らしかった…
その年は、流行した病気の制限のために保護者が来れなかったから
職員だけだった。
A子の母は、まだ来れない状態だったけど…
見て欲しかった…
そして…A子と暮らせるように考えて欲しかった…
児相に連れて行く時には、車で連れて行くことが必須となる。
そのために、まず上司からのOKを貰う。
車ごとになので…
私は、まず軽自動車の許可が出た。
それからは通院に行ったり
外に出ることも増えた。
その後、ワンボックスカーの許可が出た。
だいたい軽自動車が空いていれば、それを予約する。
ある日
私は、ある女の子を通院に連れて行くことになった。
でも、軽自動車が空いてなくて…
仕方なく、ワンボックスカーを予約した。
初めてワンボックスカーで通院の日
一緒に行ったA子に
「今日、初めてこの車運転するんだよ。緊張する」
「そうなんですね。私もいつか免許取りたいです」
「そうなんだ…免許はあった方がいいよ」
そう話すと…
「私、いつか免許取ってお母さんの役に立ちたいんです」
と言った。
A子は、お母さんが精神的に不安定で
貧困になり…トイレも家で出来ない状態だった子だ。
児相がお母さんに、生活保護を受けるように言ったが…
お母さんは、それを拒否。
母子家庭のシェルターに入った時もあったらしいが
問題を起こして出るしかなくなったという。
児相もお母さんと連絡が取れなかったり
色々と提案をしても聞いて貰えない状態もあり困っていた。
それで、子どもとの連絡も禁止している状態だった。
後に、手紙のやり取りは、児相を通して許可となったが
母とは会えない状態が続いていた。
それから、初めて児相に連れて行く時も
一緒に行ったのはA子だった。
「今日、初めて児相に行くよ」
と、その子に言ったら
「また、先生の初めてが私ですね。嬉しい」
と言った。
児相に行くと…
まず、A子は心理の先生の元に…
そして、私は担当の人と話をする。
担当の人も、お母さんには困っているようだった。
A子が帰って来ると
今度は交代して、私が心理の先生と話す。
「施設の生活に、すごく不安があるようです。人間関係に悩んでいるけど、
職員の人には、なかなか言えないと言っていました」
私は、車で帰りながら
「悩みがあったら、いつでも言ってね」
と言ったが…
「先生は、忙しそうだし…人気だから…」
私は、なぜだか涙が出て来て…泣きながら
「言い辛い状況にさせてごめんね…でも、言ってくれたら
絶対に時間を作るから…言って」
A子も泣きながら
「わかりました。言うようにしますね」
と言ってくれた。
それから…
先輩との悩みや同級生との悩みをたまに言ってくれるようにはなったけど…
「私、お母さんに生活保護を受けて欲しいと手紙に書いたんです。ダメでしたかね」
と言ったことがあったから
「それは、いいと思うよ。正直な気持ちを書いてもいいんだよ。子どもなんだから…」
そう、話した。
そりゃ、早く施設を出てお母さんと一緒に暮らしたいよね…
A子の望みは、それだけだった…
A子は、ここに来るまで学校にも行けず不登校だった。
だから、人との付き合い方がすごく下手で…
しかも…先輩は怖い人ばかり…
毎日が不安だっただろう…
私は、なぜ児相がこの施設を選んだのか…
もっと人数の少ない施設に行けば良かったのに…
と感じていた。
それから…
10月になり運動会が開かれた…
小学生も中学生も一緒に開かれる。
私は、初めての運動会がすごく楽しみだった。
みんな、一生懸命練習をして頑張っていたから…
その姿を見て…涙が出そうだった…
これまで不登校で…運動会にも出たことが無い子が
一生懸命に踊ったりしている。
A子も、運動会に出たことがないと言っていた。
そのA子が、上手に踊っている。
私は、みんなの姿が誇らしかった…
その年は、流行した病気の制限のために保護者が来れなかったから
職員だけだった。
A子の母は、まだ来れない状態だったけど…
見て欲しかった…
そして…A子と暮らせるように考えて欲しかった…
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