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伝説の始まり
手懸り
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数日後 グアテマラ エル・カオバ
「良い町だね。」
「だな。まずは宿を探そう。」
私たちは、手帳にあった座標を元に中央アメリカにあるグアテマラの北部の町まで来ていた。
宿を探す間、私はおじさんに質問する必要がある。何故かと言うと、私はおじさんの勢いに乗せられここまで来てしまっているからだ。
「それで、宿を見つけたらどうするの。」
「どうするって?お前、宿は泊まる為にあるもんだろ?」
「それは分かってるから!」
「私が聞きたいのは、これからどうするのかって言う事と、この場所に何の繋がりがあるのかって事よ。」
この人は馬鹿なんだろうか。
最初に会った時から薄々思っていたけれど、馬鹿と言うか鈍いと言うか、そのどちらかと言うよりも、もはや両方だろう。
「まずは2つ目の質問に対してだ。」
「数字が示していた座標は、この先にあるティカル遺跡と言うマヤ文明の遺跡だ。」
おじさんによれば、アトランティスの人々はアトランティス崩壊後、世界各地にバラバラになったと言う。そこで、各々が新たな生活環境を築き上げて行き、マヤ文明や他の文明の元となったと言われているらしい。
さっきは、おじさんの事を"馬鹿か鈍い"かと言ったけど、考古学的な面では私の知る限り1番優れている人物だと思う。
「その為、1つ目の質問の答えは、今日はまず宿に泊まって、明日はその遺跡を調べる」
「調べるって言ってもどうやって?」
「それは、まああれだ。行き当たりばったりってやつだ。」
「つまり、無計画ってこと?」
「違うって!これから考える。」
「はいはい。まあ私はその"計画"に着いて行くわ。」
「そりゃどーも。」
翌日
私たちは、例の遺跡に観光として来ているツアー客に紛れて入る事にした。
しかし、話は少しずれるけど、私は朝がとても弱い。支度するのも2時間近くかかるし、そもそも支度をし始めるのに短くても30分はかかる。父さんにもよく注意されてたけど、これだけはどうも治らない。
それよりももっと問題なのは、あのおじさんも朝に弱く、しかも私より弱いと言う事だ。
私はそんなおじさんを置いて宿の食堂で朝食を食べにいった。
「行き当たりばったりで入った宿だったけど、朝食は結構しっかりしてるのね。」
私は、サンドイッチとスープ、そしてサラダを頼んだ。どれもボリュームがあってお腹も満足できた。そんな食後の余韻に浸りながら飲むコーヒーは最高に美味しかった。
しかし、そんな至福のひと時も長くは続かない。
私が優雅に過ごしている最中、慌ただしくいかにも今起きました。みたいな格好でおじさんが自分の朝食を運びながら起きて来た。
「どうして起こしてくれなかったんだよ。」
「別に、朝食まで一緒に取る必要ないでしょ?」
「それに、全然起きそうになかったし、お腹すいてたから食事を優先したまでよ。」
「腹が減ってたって、だいたい起きて直ぐに腹なんて減るか?」
「2時間よ。」
「何が?」
「私が起きてから、おじさんが起きるまで。」
「2時間!?じゃあ今何時だよ。」
「9時前後じゃない」
私がそう言うとおじさんは時計を見ていった。
「やべぇ!9時10分かよ!」
「ツアー客が遺跡に入る時間まで30分もないぞ!」
そう言っておじさんはパンを口に入るだけ詰め込み飲み物で一気に流し込んだ。
「ゴホッ‼︎ゴホッ‼︎」
「ちょっとおじさん!汚いってば!」
ここでは言えないくらいにテーブルは最悪の状況になった。
「もう、そんなに慌てるからこうなるんだよ。」
『まあまあ、お前さん方!そんなに慌てるなって。』
急に後ろから声をかけられ、私は思わず振り返った。
そこには50から60歳くらいのおっさんが立っていた。
私達がうるさかったのか、それを注意しに来たのかと私は思った。
「あ、すいません。お騒がせしました。」
『おう、別にいいって事よ。それより、ちっとあんたらの話が耳に入って来たから助言してやるよ。』
『遺跡のツアーは中止だとさ。』
「良い町だね。」
「だな。まずは宿を探そう。」
私たちは、手帳にあった座標を元に中央アメリカにあるグアテマラの北部の町まで来ていた。
宿を探す間、私はおじさんに質問する必要がある。何故かと言うと、私はおじさんの勢いに乗せられここまで来てしまっているからだ。
「それで、宿を見つけたらどうするの。」
「どうするって?お前、宿は泊まる為にあるもんだろ?」
「それは分かってるから!」
「私が聞きたいのは、これからどうするのかって言う事と、この場所に何の繋がりがあるのかって事よ。」
この人は馬鹿なんだろうか。
最初に会った時から薄々思っていたけれど、馬鹿と言うか鈍いと言うか、そのどちらかと言うよりも、もはや両方だろう。
「まずは2つ目の質問に対してだ。」
「数字が示していた座標は、この先にあるティカル遺跡と言うマヤ文明の遺跡だ。」
おじさんによれば、アトランティスの人々はアトランティス崩壊後、世界各地にバラバラになったと言う。そこで、各々が新たな生活環境を築き上げて行き、マヤ文明や他の文明の元となったと言われているらしい。
さっきは、おじさんの事を"馬鹿か鈍い"かと言ったけど、考古学的な面では私の知る限り1番優れている人物だと思う。
「その為、1つ目の質問の答えは、今日はまず宿に泊まって、明日はその遺跡を調べる」
「調べるって言ってもどうやって?」
「それは、まああれだ。行き当たりばったりってやつだ。」
「つまり、無計画ってこと?」
「違うって!これから考える。」
「はいはい。まあ私はその"計画"に着いて行くわ。」
「そりゃどーも。」
翌日
私たちは、例の遺跡に観光として来ているツアー客に紛れて入る事にした。
しかし、話は少しずれるけど、私は朝がとても弱い。支度するのも2時間近くかかるし、そもそも支度をし始めるのに短くても30分はかかる。父さんにもよく注意されてたけど、これだけはどうも治らない。
それよりももっと問題なのは、あのおじさんも朝に弱く、しかも私より弱いと言う事だ。
私はそんなおじさんを置いて宿の食堂で朝食を食べにいった。
「行き当たりばったりで入った宿だったけど、朝食は結構しっかりしてるのね。」
私は、サンドイッチとスープ、そしてサラダを頼んだ。どれもボリュームがあってお腹も満足できた。そんな食後の余韻に浸りながら飲むコーヒーは最高に美味しかった。
しかし、そんな至福のひと時も長くは続かない。
私が優雅に過ごしている最中、慌ただしくいかにも今起きました。みたいな格好でおじさんが自分の朝食を運びながら起きて来た。
「どうして起こしてくれなかったんだよ。」
「別に、朝食まで一緒に取る必要ないでしょ?」
「それに、全然起きそうになかったし、お腹すいてたから食事を優先したまでよ。」
「腹が減ってたって、だいたい起きて直ぐに腹なんて減るか?」
「2時間よ。」
「何が?」
「私が起きてから、おじさんが起きるまで。」
「2時間!?じゃあ今何時だよ。」
「9時前後じゃない」
私がそう言うとおじさんは時計を見ていった。
「やべぇ!9時10分かよ!」
「ツアー客が遺跡に入る時間まで30分もないぞ!」
そう言っておじさんはパンを口に入るだけ詰め込み飲み物で一気に流し込んだ。
「ゴホッ‼︎ゴホッ‼︎」
「ちょっとおじさん!汚いってば!」
ここでは言えないくらいにテーブルは最悪の状況になった。
「もう、そんなに慌てるからこうなるんだよ。」
『まあまあ、お前さん方!そんなに慌てるなって。』
急に後ろから声をかけられ、私は思わず振り返った。
そこには50から60歳くらいのおっさんが立っていた。
私達がうるさかったのか、それを注意しに来たのかと私は思った。
「あ、すいません。お騒がせしました。」
『おう、別にいいって事よ。それより、ちっとあんたらの話が耳に入って来たから助言してやるよ。』
『遺跡のツアーは中止だとさ。』
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