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ジュウシ
しおりを挟むすれ違いの惚け話がまだまだ続いていた
ヤキモキしながら宰相補はいっそバラしてしまおうかと目が据わっていく
延々聞かされる他人の惚け話ほどウザいものはない、ないがヘルメスはエルちゃんことエルネストが宰相だと気付いていないのだ
宰相補だって分かっている
知った時のヘルメスのリアクションが面白いことになると、だからどんなにイライラしても黙っている
だからバラそうとした殿下は廊下の外に排除したのだ
深呼吸して自分を落ち着かせる宰相補
何度目かの深呼吸の時、ヘルメスが言った
「その方の名はエルネストさんと言って銀髪の美人さんらしいです」
宰相補は心の中で雄叫びをあげた
はぁぁあああぁああああ!!!お前の目の前にいるだろうがぁあ!馬鹿なのぉぉおおおお!!!と、あくまで心の中で
「俺の中ではエルちゃんと呼んでいます。本人の了承はまだなんですけどね、ヘヘ」
「エルちゃんか……フフッ」
顔を真っ赤に染め照れまくる上司に宰相補はきっしょと小声で呟き、ヘルメスにどんだけ鈍感なの特技なのと二人に白い目を向けた
宰相は美丈夫だが宰相補も又恋愛対象は女性である
逆に男の美形は死ねと思っている
宰相は美形だけど、残念な美形でこの前まで童貞だったのを知っているから上司の恋を実らせて上げたいとは思っている
いるが、目の前で繰り広げられる十代か!と甘酸っぱい恋愛を見せられている現状
心情ではやってられるか、ケッである
「初々しいね。遅咲きの春。良きかな良きかな」
いつの間にか戻って来た殿下が宰相補の隣で叔父さん目線で呟いていた
因みに殿下はエルネストの一つ上
「もう帰って来たんですか。あのまま廊下の民となればいいのに」
「民も悪くないが、それを民が許してくれないだろう」
「はいは~いどっちでもいいです。それよりも何ジジいみたいなこと言ってるんですか。貴方も早く片付いて下さいよ。陛下が嘆いて態々此方にまで苦言を申しに来るので迷惑してるんですから」
時々宰相室まで陛下が宰相補に愚痴りに来る
何故?と思うが最高権力者なので聞き手になるしかない。最高権力者でも似たような悩みがあるのだなと右から左へ受け流す
宰相補の5つ上の兄も今だ独身で両親の悩みの種になっていた
「兄上は心配症だな。フフッ相手次第で早くも遅くもなるんだけどね。相手に逃げられては意味がないだろ」
「はぁ~そうですか。だったらさっさと囲んで陛下を安心させて下さい」
今度陛下が来たら告げ口して、媚を売っておこうと宰相補は心に止めておいた
「大丈夫、ゆっくり、相手に気付かれないように、水面下でことは進んでるからクククッ。それよりも吾友の遅咲きの恋を実らせて上げないと」
「王命渡した人がよくいいますね。まぁいいですけど。他人事ですから」
「フフッ今は目の前の喜劇を楽しまないと」
「はぁそうですね」
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