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100 陽炎のつぶて
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山中に落ちたのが幸いだったか。もっとも、落ちた山はいくつか消滅してしまったが。
「やはり空間が歪んでいる……?」
どうも姿が陽炎のようにゆらいで、判然としなかった。どういう原理だ。
落ちた時も、ちゃんと目視できなかったように思えた。
「しかし動かんな……」
巨大星外獣は、できた陥没の中心で動かなかった。ただ鎮座しているだけなのに、強者が発する重圧が俺の身にかかる。
手始めに《ブーステッド》を投擲してみるか。
「……いや、また森羅に怒られるしやめよう」
『精霊王の剣』を振るい、遠距離から、斬撃を届ける。が、何かがはじき返したかのような音とともに、星外獣は無傷だった。
「遠距離攻撃は効かんか……?」
俺は今度は《ブーステッド》を召喚し、強化された体で手ごろな石のつぶてを星外獣に向かって投げつけた。
「むっ!?」
瞬間、石は粉々に砕ける。
攻撃は見えなかった。だが、空間がゆらいだように見えた。
「……空気が歪んでいる。そこにからくりはありそうだな」
俺は石のつぶてを持って、陥没の中に入る。
駆け下りながら、石を投擲。すぐ先で、石は一瞬で粉みじんになる。
俺は《ブーステッド》を構えて、石が砕けた地点まで駆け寄った。
見えないゆらぎが来る。
「――くっ!」
どうにかブーステッドで得体のしれない何かを受けて防いだ。
すぐさま飛び退って離れる。
「見えなくは、なかった」
非常に見えづらいが、鞭上の剣のような細いものが打ち付けてきたのを見た。
本体はデカすぎるから見えにくくはあるが、なんとなく見える。攻撃しようと一定の範囲内に入ると、視認しづらい鞭上の細い剣が伸びて攻撃される。
「原理はなんとなくわかった。つまり剣士みたいなものだなお前」
相手が剣士ならば、やりやすい。少なくとも魔王よりは。
「ここを動かないのは、本隊が来るまでここを守っているからか?」
ファスターの話では、本隊は第三波とともに現れる。それはさらに数日後だ。
で、あれば、こいつはそれまでの露払いのようなものなのだろう。
「勝負といこうか、星外獣の剣士よ!」
俺は星外獣へと急接近する。見えない鞭の剣が来る。俺はブーステッドでそれを受けていなした。
一歩前へ。矢継ぎ早に鞭の剣。目にもとまらぬ速さで何度も来るそれを、俺はひたすらブーステッドで受け流しながら、じりじりと前進していく。
「強いな! だが!」
星外獣へと肉迫し、俺は《精霊王の剣》で、その身を突き刺した。
「――グオオオオッ!」
初めて咆哮が空気を震わせる。
見えない鞭の剣が来る。俺はそれをブーステッドで受けながら、さらに精霊王の剣で星外獣を切り刻んでいく。
手ごたえが重い。だが、切れないわけではない。
俺はさらなる斬撃を繰り出す。何度目かの斬撃で、星外獣はつんのめったかのようにふらついた。跳躍し、首にあたりそうな場所を切り落とす。
暗い血液を流しながら、巨大星外獣は脱力し、動かなくなった。
膝をついた。細かい切り傷が、俺の体を刻んでいた。
空間のゆらぎを操る星外獣も、今まで落ちてきたやつ同様、鉱石のようなきらきらした体の、四つ足の化け物だった。
グランドイーターよりずっと巨大で、まるで城のようである。落ちてきただけで町一つ吹っ飛ばしそうなほどだろう。
……強敵だった。今まで呼吸を忘れていたかのように、俺は大きく息を吸って吐いた。
「やはり空間が歪んでいる……?」
どうも姿が陽炎のようにゆらいで、判然としなかった。どういう原理だ。
落ちた時も、ちゃんと目視できなかったように思えた。
「しかし動かんな……」
巨大星外獣は、できた陥没の中心で動かなかった。ただ鎮座しているだけなのに、強者が発する重圧が俺の身にかかる。
手始めに《ブーステッド》を投擲してみるか。
「……いや、また森羅に怒られるしやめよう」
『精霊王の剣』を振るい、遠距離から、斬撃を届ける。が、何かがはじき返したかのような音とともに、星外獣は無傷だった。
「遠距離攻撃は効かんか……?」
俺は今度は《ブーステッド》を召喚し、強化された体で手ごろな石のつぶてを星外獣に向かって投げつけた。
「むっ!?」
瞬間、石は粉々に砕ける。
攻撃は見えなかった。だが、空間がゆらいだように見えた。
「……空気が歪んでいる。そこにからくりはありそうだな」
俺は石のつぶてを持って、陥没の中に入る。
駆け下りながら、石を投擲。すぐ先で、石は一瞬で粉みじんになる。
俺は《ブーステッド》を構えて、石が砕けた地点まで駆け寄った。
見えないゆらぎが来る。
「――くっ!」
どうにかブーステッドで得体のしれない何かを受けて防いだ。
すぐさま飛び退って離れる。
「見えなくは、なかった」
非常に見えづらいが、鞭上の剣のような細いものが打ち付けてきたのを見た。
本体はデカすぎるから見えにくくはあるが、なんとなく見える。攻撃しようと一定の範囲内に入ると、視認しづらい鞭上の細い剣が伸びて攻撃される。
「原理はなんとなくわかった。つまり剣士みたいなものだなお前」
相手が剣士ならば、やりやすい。少なくとも魔王よりは。
「ここを動かないのは、本隊が来るまでここを守っているからか?」
ファスターの話では、本隊は第三波とともに現れる。それはさらに数日後だ。
で、あれば、こいつはそれまでの露払いのようなものなのだろう。
「勝負といこうか、星外獣の剣士よ!」
俺は星外獣へと急接近する。見えない鞭の剣が来る。俺はブーステッドでそれを受けていなした。
一歩前へ。矢継ぎ早に鞭の剣。目にもとまらぬ速さで何度も来るそれを、俺はひたすらブーステッドで受け流しながら、じりじりと前進していく。
「強いな! だが!」
星外獣へと肉迫し、俺は《精霊王の剣》で、その身を突き刺した。
「――グオオオオッ!」
初めて咆哮が空気を震わせる。
見えない鞭の剣が来る。俺はそれをブーステッドで受けながら、さらに精霊王の剣で星外獣を切り刻んでいく。
手ごたえが重い。だが、切れないわけではない。
俺はさらなる斬撃を繰り出す。何度目かの斬撃で、星外獣はつんのめったかのようにふらついた。跳躍し、首にあたりそうな場所を切り落とす。
暗い血液を流しながら、巨大星外獣は脱力し、動かなくなった。
膝をついた。細かい切り傷が、俺の体を刻んでいた。
空間のゆらぎを操る星外獣も、今まで落ちてきたやつ同様、鉱石のようなきらきらした体の、四つ足の化け物だった。
グランドイーターよりずっと巨大で、まるで城のようである。落ちてきただけで町一つ吹っ飛ばしそうなほどだろう。
……強敵だった。今まで呼吸を忘れていたかのように、俺は大きく息を吸って吐いた。
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