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21 謎の錬金素材
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いくつか群生しているヤマホタルタケの資源オブジェクトをざっくり三つに分け、三手に分かれて採集を始める。
とはいってもそれほど興味はないんだがな、ヤマホタルタケ。
料理に使えるのなら取っておく価値はあるのかもしれないが……
パヴロヴァは楽しげに、イリネイカは興奮を隠しきれず夢中で採集に励んでいる。
流れで採集しているが、青白い光のもとへ俺だけ行ってもいいのだよな。
考えながら採集をしていると、ヤマホタルタケとは違うアイテムをドロップする。
「なんだ……?」
旅人の手記①
ランク:★★
古い紙切れで、以下のことだけ書かれている。
『青白い光を見た。あれは危険だ。絶対に近づいてはいけない。』
錬金専用素材
「『旅人の手記』?」
俺が見た青白い光の関連アイテムか……。
①があるなら②もあるのだろうが、手掛かりがこれだけというのは心もとないな。
「しかし……手紙をどう錬金するんだ」
謎である。
パヴロヴァは先輩っぽいし何か知っているだろうか。
いや、ここは俺とイリネイカで謎を解いた方がいいだろうか。
逡巡して、パヴロヴァに聞いてみることにした。もし全て知っていたら話さないでもらえばいいだけだ。
「パヴロヴァ」
「どうしたのだ?」
「青白い光の関連アイテムである『旅人の手記』というのを知っているか?」
「知らんのだ。なんの話なのだ?」
パヴロヴァは首を傾げた。いくらか経験者っぽい彼女が知らないとなると、やはりあまり知られていないものなのだろうか。
俺はパヴロヴァに事情をかいつまんで話した。
「おじさんはそんな話聞いたことないのだ。このあたりのフィールドボスは『大王熊レグラント』っていう巨大な獣なのだ。青白い光を発する敵なんて出てこないはずだし、一瞬だけ青白く光るオブジェクトがアサギ村にあるってのも聞いたことないのだ」
「採集に関連したなんらかのイベントをやっている、というのはどうだ?」
「そういうイベントは今やってないのだ。……話を聞く限りだと、『旅人の手記』は青白い光を見たやつだけがドロップする特殊なアイテムなのではないかと思うのだ」
「なるほど……。しかしそのレグラントというのも戦ってみた――」
俺が返していると、俺の足元にパヴロヴァのペットである三毛猫がやってきて、俺の近くにある資源を探ってパヴロヴァのもとへ戻っていった。
「おい! お前の猫、今俺の資源取ってかなかったか!?」
「ペットの『ネコッコ』は、たまに近くの資源を採ってきてくれるのだ」
猫ではなくこのゲームの世界ではネコッコか。秋田弁みたいな名称である。
「かわいいから許すのだ。名前は『おせんべ』なのだ」
「かわいいのは許すが互いの約束を反故にすることは許さん! せめて自分の持ち分の資源へ採って来させろ!」
「勝手に採ってくるのだ」
条約破棄とか戦争もんだぞ。
「フェルヴェッタさんとやら」
ため息をつくと、パヴロヴァが笑いながら言った。
「なんだ?」
「せっかくだし遊びで三回勝負するのだ。ひと勝負ごとに勝ったほうが採集資源一か所をあけ渡すのだ」
「……ほう? 勝負?」
とはいってもそれほど興味はないんだがな、ヤマホタルタケ。
料理に使えるのなら取っておく価値はあるのかもしれないが……
パヴロヴァは楽しげに、イリネイカは興奮を隠しきれず夢中で採集に励んでいる。
流れで採集しているが、青白い光のもとへ俺だけ行ってもいいのだよな。
考えながら採集をしていると、ヤマホタルタケとは違うアイテムをドロップする。
「なんだ……?」
旅人の手記①
ランク:★★
古い紙切れで、以下のことだけ書かれている。
『青白い光を見た。あれは危険だ。絶対に近づいてはいけない。』
錬金専用素材
「『旅人の手記』?」
俺が見た青白い光の関連アイテムか……。
①があるなら②もあるのだろうが、手掛かりがこれだけというのは心もとないな。
「しかし……手紙をどう錬金するんだ」
謎である。
パヴロヴァは先輩っぽいし何か知っているだろうか。
いや、ここは俺とイリネイカで謎を解いた方がいいだろうか。
逡巡して、パヴロヴァに聞いてみることにした。もし全て知っていたら話さないでもらえばいいだけだ。
「パヴロヴァ」
「どうしたのだ?」
「青白い光の関連アイテムである『旅人の手記』というのを知っているか?」
「知らんのだ。なんの話なのだ?」
パヴロヴァは首を傾げた。いくらか経験者っぽい彼女が知らないとなると、やはりあまり知られていないものなのだろうか。
俺はパヴロヴァに事情をかいつまんで話した。
「おじさんはそんな話聞いたことないのだ。このあたりのフィールドボスは『大王熊レグラント』っていう巨大な獣なのだ。青白い光を発する敵なんて出てこないはずだし、一瞬だけ青白く光るオブジェクトがアサギ村にあるってのも聞いたことないのだ」
「採集に関連したなんらかのイベントをやっている、というのはどうだ?」
「そういうイベントは今やってないのだ。……話を聞く限りだと、『旅人の手記』は青白い光を見たやつだけがドロップする特殊なアイテムなのではないかと思うのだ」
「なるほど……。しかしそのレグラントというのも戦ってみた――」
俺が返していると、俺の足元にパヴロヴァのペットである三毛猫がやってきて、俺の近くにある資源を探ってパヴロヴァのもとへ戻っていった。
「おい! お前の猫、今俺の資源取ってかなかったか!?」
「ペットの『ネコッコ』は、たまに近くの資源を採ってきてくれるのだ」
猫ではなくこのゲームの世界ではネコッコか。秋田弁みたいな名称である。
「かわいいから許すのだ。名前は『おせんべ』なのだ」
「かわいいのは許すが互いの約束を反故にすることは許さん! せめて自分の持ち分の資源へ採って来させろ!」
「勝手に採ってくるのだ」
条約破棄とか戦争もんだぞ。
「フェルヴェッタさんとやら」
ため息をつくと、パヴロヴァが笑いながら言った。
「なんだ?」
「せっかくだし遊びで三回勝負するのだ。ひと勝負ごとに勝ったほうが採集資源一か所をあけ渡すのだ」
「……ほう? 勝負?」
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