魔王オンライン

鶴井こう

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65 精霊契約

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 俺はクラン拠点より先に、自宅用の土地を買うことにした。

 ハウジングや家庭菜園などのコンテンツが遊べる自宅は、値段がピンキリであり、高いほど土地が広くやれることも幅広い。

 俺は小屋が建てられるくらいの比較的狭い土地を買った。
 予算的にそれくらいしか買えなかったのだ。
 自宅は別空間となり、オープンワールドとは隔絶される。

 家も自分でクラフトしなければならず、ここにはまだこじんまりとした草原しか存在していない。

 木材を材料に保管庫をクラフトし、不必要なものを置いていく。

 それからバッグの中身を開き、契約書のような見た目のアイテムの『精霊レギオンロードとの契約』を使用した。

 地面が青白炎で勢いよく燃え上がった。草原自体は燃えていない。
 そういう演出なのだろう。

 青白い炎から、大剣を手にした鎧の巨人が現れる。

 かつて戦ったレギオンロード【暁の騎士団長】そのままの姿。
 しかし今は精霊レギオンロードとして対峙する。

 レギオンロードは俺の前で恭しく膝をついた。

『我が新しいあるじよ。そなたの命に従おう』

 レギオンロードは青白い炎を燃えさからせながら、ゆっくりと言葉を綴った。

「俺はこれから不正行為者を含めたあらゆる強者に挑み、その屍の上に立つつもりだ」

 そのまま仲間にしてもいいのだろうが、せっかくなのでこのままロールプレイを行う。
 俺は言葉を選びながらレギオンロードに答えた。

『覇道をゆかれるおつもりか』

「ひたすら血塗られた道である。それでもかまわないというのなら、この俺についてこい」

 レギオンロードは膝をついたまま深く頭を垂れた。

『御意』


 レギオンロードと精霊契約を結びました。
 エクストラスキル『霊焦(れいしょう)・鬼火(おにび)』を習得しました。

 アナウンスの後、別ウィンドウが開かれ精霊契約の説明が表示された。

 炎にまかれながら、レギオンロードは姿を消す。

 戦闘でその精霊特有のスキルを使うことができる。非戦闘時は精霊そのものを召喚して遊んだりもできるらしい。

 使用後のクールタイムが長く、滅多な戦闘では使えない。
 まさに切り札的なスキルだ。使いどころが重要になってくる。

「これはおいそれと使えんな」

 隠し球としてなるべく使わずにしておくか。

 ランク上位のプレイヤーすべてが、それぞれ自分のエクストラスキルを使いこなしているのだとしたら、これでようやく対人戦の土俵へ上がってこられただろう。

 精霊のアイコンが増える。精霊とはいくらでも契約できるが、設定できるのは一つだけのようだ。

 武器ごとに決められたメインスキルと、全武器共通のサブスキル、それに切り札のエクストラスキル。

 この三つを駆使するのが『テウルギア・オンライン』の戦闘だ。

 どれもMP、スタミナ、クールタイムと使用制限がしっかり決まっており、連続して繰り出し続けることはできない。

 どの場面でどのスキルを使い、敵のスキルをどう対処するか、駆け引きしながら戦うことになる。

 ……と、クランへの招待を送っていたイリネイカとパヴロヴァからそれぞれ承諾の返答が来ていた。

 りんからも『引き抜くときは言ってね! 考えてあげる!』とメッセージが来ていた。

 どこまで本気なのかわからんが『小手先チャンネル』はあきらかにりんがクランリーダーで、主役の者がいなくなったら困るのではないのだろうか。
 さてはクランに人がいなくて構ってほしいんだな?

 ……とにかく、これでクラン『マノクニ』は計三名。
 三人以上のメンバーになったのでクラン拠点が購入可能になった。

 まあしばらくはチーター狩りだろうが、それもおそらく近いうちに終わるだろう。

 俺は囮役であるものの、それに甘んじるつもりはない。
 もし現れたらキャロルたち同様、力でねじ伏せるとしよう。

「では、よき闘争――いや祭をしようではないか」

 準備は整ってきている。俺は笑った。
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