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71 交戦
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俺たちは足を止めた。
黒いプレートに赤いラインが入った意匠の鎧に、なめした黒い竜の皮をあしらったような大剣を持った優男だった。
「ずいぶん展開が早いですね……まるでこちらの動きを読まれたみたいだ」
男は言った。
「私が下級ポーションを皆にばら撒いている元凶、『エインヘリヤル』のラムダです。今後ともよろしくお願いします」
「!」
キャロルをはじめとするクランメンバーたちは騒然となった。
証拠取りの対策で下級ポーションと言っているが、デミネクタルのことだろう。
「ボスがわざわざ出てきてくれたわけね」
キャロルが剣を抜いた。
「しかも一人! 全員でたたけばゲームセットですね!」
クランメンバーは笑って男――ラムダを囲もうと動く。
「やれやれ、そんな急がずとも、お話でもしませんか? 気になるでしょ、私たちの目的」
ラムダはあきれたように俺たちを見る。
「馬鹿! 囮だ!」
戦闘しようとしている者たちをいさめるように俺は叫んだ。
「たとえそいつが元凶でも今は構うな! 弓兵に包囲されるぞ! 足を止めずに進め! ここで足止めが現れたということは、その先に本隊がいるはず。俺たちが叩くべきはそちらだ! 包囲される前に本隊と衝突せねば、不利になるのはこちらだぞ!」
現れた相手はたった一人で、俺たちとの戦闘を急いでいない様子。十中八九、罠である。
「キャロル!」
すでにラムダにとびかかっていたキャロルに俺は言った。
「はいはーい」
「そいつの攻撃を食い止めながら皆を前進させるぞ」
「食い止め役は当然私だね。まあもうやってるけど」
キャロルとラムダの剣が交わる。剣戟の音を聞きながら俺は言った。
「当然だ。死んでも食い止めろ。人数が減るほど俺たちの不利になる」
「人使い粗いんだからもう。……皆聞いたね? 前進だよ!」
キャロルとラムダを置いて、俺たちは前進を再開した。
「……どうやらそちらにも裏で糸を引いている者がいるようですね?」
ラムダが俺たちを見回しながら呟いた。
「裏で糸を引いている? それは私――」
キャロルは自分を指差した。
「キャロルンルン!」
パクリ元が遠くで死んでいるのでやりたい放題である。
「納豆のねばねばの糸ならいつでも引いてます!」
キャロルは回避しながら攻撃する《フェイズエッジ》を繰り出しながらラムダに張り付いた。
「日本食最高! 厚揚げも大好き! 毎日寿司食って生きていきたい! でも毎日寿司食べてたらいずれ痛風とかになりそう。……そうだ、納豆巻きを毎日食べればいいんだ! 完! 全! 解! 決!」
しゃべらないと戦闘できない勢いだった。
しかしラムダをちゃんと押しとどめている。
俺たちがそのまま進むと、弓の攻勢が強くなってきた。
一人か二人かと思われた射手だったが、それよりも多い。
「本隊見えました! 前衛数名のほか、弓使いや魔法使い多数!」
弓使いや魔法使いたちを中心とした、おそらくラムダの手下たちだった。
総勢はパーティ二組分で十人程度。前衛数名が前に出つつ、後衛多数が俺たちを囲うように機動しているところだった。
「やはり囮で足を止めている隙に遠距離武器持ちで包囲するつもりだったか」
敵の前衛は少ない。数もこちらに分がある。
「怯むな! かかるぞ!」
「おおっ!」
訓練されたキャロルのクランメンバーたちは臆せずに突っ込み、交戦状態に入った。
黒いプレートに赤いラインが入った意匠の鎧に、なめした黒い竜の皮をあしらったような大剣を持った優男だった。
「ずいぶん展開が早いですね……まるでこちらの動きを読まれたみたいだ」
男は言った。
「私が下級ポーションを皆にばら撒いている元凶、『エインヘリヤル』のラムダです。今後ともよろしくお願いします」
「!」
キャロルをはじめとするクランメンバーたちは騒然となった。
証拠取りの対策で下級ポーションと言っているが、デミネクタルのことだろう。
「ボスがわざわざ出てきてくれたわけね」
キャロルが剣を抜いた。
「しかも一人! 全員でたたけばゲームセットですね!」
クランメンバーは笑って男――ラムダを囲もうと動く。
「やれやれ、そんな急がずとも、お話でもしませんか? 気になるでしょ、私たちの目的」
ラムダはあきれたように俺たちを見る。
「馬鹿! 囮だ!」
戦闘しようとしている者たちをいさめるように俺は叫んだ。
「たとえそいつが元凶でも今は構うな! 弓兵に包囲されるぞ! 足を止めずに進め! ここで足止めが現れたということは、その先に本隊がいるはず。俺たちが叩くべきはそちらだ! 包囲される前に本隊と衝突せねば、不利になるのはこちらだぞ!」
現れた相手はたった一人で、俺たちとの戦闘を急いでいない様子。十中八九、罠である。
「キャロル!」
すでにラムダにとびかかっていたキャロルに俺は言った。
「はいはーい」
「そいつの攻撃を食い止めながら皆を前進させるぞ」
「食い止め役は当然私だね。まあもうやってるけど」
キャロルとラムダの剣が交わる。剣戟の音を聞きながら俺は言った。
「当然だ。死んでも食い止めろ。人数が減るほど俺たちの不利になる」
「人使い粗いんだからもう。……皆聞いたね? 前進だよ!」
キャロルとラムダを置いて、俺たちは前進を再開した。
「……どうやらそちらにも裏で糸を引いている者がいるようですね?」
ラムダが俺たちを見回しながら呟いた。
「裏で糸を引いている? それは私――」
キャロルは自分を指差した。
「キャロルンルン!」
パクリ元が遠くで死んでいるのでやりたい放題である。
「納豆のねばねばの糸ならいつでも引いてます!」
キャロルは回避しながら攻撃する《フェイズエッジ》を繰り出しながらラムダに張り付いた。
「日本食最高! 厚揚げも大好き! 毎日寿司食って生きていきたい! でも毎日寿司食べてたらいずれ痛風とかになりそう。……そうだ、納豆巻きを毎日食べればいいんだ! 完! 全! 解! 決!」
しゃべらないと戦闘できない勢いだった。
しかしラムダをちゃんと押しとどめている。
俺たちがそのまま進むと、弓の攻勢が強くなってきた。
一人か二人かと思われた射手だったが、それよりも多い。
「本隊見えました! 前衛数名のほか、弓使いや魔法使い多数!」
弓使いや魔法使いたちを中心とした、おそらくラムダの手下たちだった。
総勢はパーティ二組分で十人程度。前衛数名が前に出つつ、後衛多数が俺たちを囲うように機動しているところだった。
「やはり囮で足を止めている隙に遠距離武器持ちで包囲するつもりだったか」
敵の前衛は少ない。数もこちらに分がある。
「怯むな! かかるぞ!」
「おおっ!」
訓練されたキャロルのクランメンバーたちは臆せずに突っ込み、交戦状態に入った。
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