4 / 17
4,
しおりを挟むリオネルがステラリアと婚約!? 何がどうなっているのかわからないけど、とにかくわたしはアインツマン様からいただいた木箱から瓶を取り出し、それを一気に飲み干した。
そして、
「――どういう事ッ!! あの子は王子と婚約してる筈でしょ!?」
乱暴にドアを開け、小競り合う両親に大声で横槍を突き刺した。
「ダリアか、お前には関係ない」
この父親は、本当にバカなんだろうか。
「関係ない!? わたしとリオネルは想い合ってるのよ!? 大体ステラリアは婚約中でしょ、シャルルはどうなったのよッ!!」
ごめんなさい、今は『王子』を付ける余裕がありません。
「そうよあなた! 王家との婚約を破棄するなんて許されないわ! 爵位も剥奪されるのよ!?」
「王宮からは王族から王妃の資質が認められないという体にすると通達があった! そもそも加護持ちに罰など与えた前例はないんだッ!」
加護持ちは罰せられない? そんなの……まあ、資質は無いでしょうけど……。 だからって!
「わたしがいくら言っても婚約を許してくれなかったのに、どうして――」
「ステラリアが言ってるんだッ! 家に何も貢献しないお前と一緒にするなッ!!」
「なっ……」
それなら、事業に失敗してノームホルン家を傾かせた無能な当主はどうなのよ。 お父様なんてアインツマン様から気にもされてない、そう言葉が喉を通ろうとした時、
「あなたはだから駄目なのよ、いい? 双子の加護持ちは世界中で注目されてるの、それが妹の出がらしでも、バレる前に有力貴族に押し付けてしまえばいいのよ! ふふっ、だって加護持ちの返却なんて出来ないでしょう?」
父が父なら、母もこれ……。
もう、この家には居たくない。
「うるさいなぁ、帰ってきたばかりで疲れてるんだから……」
救いようのない両親に絶望していると、寝巻き姿で眠そうに目を擦る、資質の無い妹が部屋に入ってきた。
「ああ、すまないなステラリア」
「いいけど、どうしたの?」
どうしたって、あなたのせいでこうなってるのよ! と言ってやりたかったが、なんとかその気持ちを鎮めて、どうしてこうなったのかを本人に尋ねてみた。
「ステラリア、あんなに王子妃になりたがってたのに、どうして戻ってきたの?」
「だって、姉さんは知らないだろうけど、王子妃教育ってひどいのよ?」
「それは、大変な事もあるでしょう、でも一国の王子の妻になるのよ? 特別な事なのだから、それに耐えて――」
「王族なんて息苦しい~、あんなの、足枷を付けられた罪人みたいだわっ」
……こ、こっちはあなたの為に身を削って、両親に何を言われても、好きな人にキレイな自分も見せられずに我慢してたのに……!
「せっかく加護持ちになれたのに、わざわざ苦労する必要なんてないでしょ? 姉さんは身体が弱くなっちゃったから仕方ないけど」
「あ、あなたねッ!」
「やっぱり女は初恋を追うものよね~、姉さんはこんな身体だし、わたしがリオネルの妻になってあげなきゃ」
「ッ……!」
頭が真っ白になった。
「それならもう言うけど、あなたには加護の力なんて本当は無いのよ!? 今まで私があなたの錬金の肩代わりをしてやってたの!」
「……姉さん、自分の力が弱いからってそれはみっともないわよ?」
怒りは限界を越え、身体が痙攣して何も言葉が出てこない。 意識が遠ざかり、わたしはその場で倒れてしまった。
でも、その真っ白な頭の中に、段々と浮かび上がってきたのだ。
この勘違いをしたバカな妹を叩きのめす、真っ黒な計画が――――
732
あなたにおすすめの小説
【完結】返してください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと我慢をしてきた。
私が愛されていない事は感じていた。
だけど、信じたくなかった。
いつかは私を見てくれると思っていた。
妹は私から全てを奪って行った。
なにもかも、、、、信じていたあの人まで、、、
母から信じられない事実を告げられ、遂に私は家から追い出された。
もういい。
もう諦めた。
貴方達は私の家族じゃない。
私が相応しくないとしても、大事な物を取り返したい。
だから、、、、
私に全てを、、、
返してください。
どうやらこのパーティーは、婚約を破棄された私を嘲笑うために開かれたようです。でも私は破棄されて幸せなので、気にせず楽しませてもらいますね
柚木ゆず
恋愛
※今後は不定期という形ではありますが、番外編を投稿させていただきます。
あらゆる手を使われて参加を余儀なくされた、侯爵令嬢ヴァイオレット様主催のパーティー。この会には、先日婚約を破棄された私を嗤う目的があるみたいです。
けれど実は元婚約者様への好意はまったくなく、私は婚約破棄を心から喜んでいました。
そのため何を言われてもダメージはなくて、しかもこのパーティーは侯爵邸で行われる豪華なもの。高級ビュッフェなど男爵令嬢の私が普段体験できないことが沢山あるので、今夜はパーティーを楽しみたいと思います。
病弱な妹と私のお見合い顛末
黒木メイ
恋愛
病弱な妹は昔から私のモノを欲しがった。それが物でも、人でも、形ないものでも。だから、この結末は予想できていたのだ。私のお見合い相手の腕に抱かれた妹。彼は私ではなく、妹を選んだのだという。
妹は「お姉様。こんな結果になってしまって……本当にごめんなさい」と言った。優越感を滲ませながら。
この場にいる皆は二人の婚姻を喜んでいる。ただ一人を除いて。
※設定はふわふわ。
※予告なく修正、加筆する場合があります。
※小説家になろう様からの転載。他サイトにも掲載中。
※小説家になろう様にて、4/23日間総合ランキング1位感謝!
※他視点は随時投稿していきます。
【完結】王女の婚約者をヒロインが狙ったので、ざまぁが始まりました
miniko
恋愛
ヒロイン気取りの令嬢が、王女の婚約者である他国の王太子を籠絡した。
婚約破棄の宣言に、王女は嬉々として応戦する。
お花畑馬鹿ップルに正論ぶちかます系王女のお話。
※タイトルに「ヒロイン」とありますが、ヒロインポジの令嬢が登場するだけで、転生物ではありません。
※恋愛カテゴリーですが、ざまぁ中心なので、恋愛要素は最後に少しだけです。
隣国へ留学中だった婚約者が真実の愛の君を連れて帰ってきました
れもん・檸檬・レモン?
恋愛
隣国へ留学中だった王太子殿下が帰ってきた
留学中に出会った『真実の愛』で結ばれた恋人を連れて
なんでも隣国の王太子に婚約破棄された可哀想な公爵令嬢なんだそうだ
【完結】「妹が欲しがるのだから与えるべきだ」と貴方は言うけれど……
小笠原 ゆか
恋愛
私の婚約者、アシュフォード侯爵家のエヴァンジェリンは、後妻の産んだ義妹ダルシニアを虐げている――そんな噂があった。次期王子妃として、ひいては次期王妃となるに相応しい振る舞いをするよう毎日叱責するが、エヴァンジェリンは聞き入れない。最後の手段として『婚約解消』を仄めかしても動じることなく彼女は私の下を去っていった。
この作品は『小説家になろう』でも公開中です。
悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢シンディの妹デーリカは、様々な人に迷惑をかけていた。
デーリカはシンディが迷惑をかけていると言い出して、婚約者のオリドスはデーリカの発言を信じてしまう。
オリドスはシンディとの婚約を破棄して、デーリカと婚約したいようだ。
婚約破棄を言い渡されたシンディは、家を捨てようとしていた。
せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから
甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。
であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。
だが、
「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」
婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。
そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。
気がつけば、セリアは全てを失っていた。
今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。
さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。
失意のどん底に陥ることになる。
ただ、そんな時だった。
セリアの目の前に、かつての親友が現れた。
大国シュリナの雄。
ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。
彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる