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1、十数年ほど前の出来事
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「この子は、今日から君の妹だよ。お姉ちゃんとして面倒を見てあげるんだ。」
そう言ったお父様がそっと私の前に差し出して来たのは、おくるみに包まれた赤ん坊。
ピンクゴールドの髪の毛に光が透けて、キラキラと光っていた。
この可愛い妹を守っていこうと、幼いながらにそう決意した。
それが、私の一番古い記憶。
かつてこの国には傾国の女とそれに嵌った愚王がいた。
いや、愚王が立って20年と経っていないのだから、かつて、と言うにはまだ記憶が新し過ぎるかもしれない。
女はこの国の貴族の子息、令嬢が集まり互いに磨きあうアカデミーに現れた。
出自はしがない男爵家。ピンクゴールドの髪の毛に、水色の瞳。粒ぞろいの淑女が揃う貴族の中では決して突出することはない容姿。
されども、不思議と目を引く愛らしさを持っていた。
そんな女は、見目麗しく、優秀で将来有望な高位貴族の子息の一部を籠絡して行った。
不幸が始まったのは、籠絡された子息の中にこの国の皇太子が含まれていたことだろうか。
当然のことながら、皇太子を含め優秀な高位貴族の子息たちには決められた婚約者がいた。
世の常ながら、彼らには継がなくてはならない貴き血がある、繋がなくてはならない家のつながりがある。
全て、国を守るために必要な高貴なるものたちの義務である。
最初の頃は婚約者たちも、周りの者達も傍観していた。
年頃の男女が集うのだ、惚れた腫れたは日常茶飯事。本人達は本気で、時に遊びで恋をして、周りの者は面白おかしく見物する。それが貴族の嗜みだ。
もし本気で愛し合うならば、それぞれの当主を説得し婚姻を結べればこの上ない僥倖。しかしそれが成るのは極々まれで、ほとんどの者達は家の定める婚姻を結び、血を継ぐ子をなした後に再び愛を囁き合う、これもまた貴族の嗜み。
それが崩れたのは、いつのことだったのか。
子息たちが籠絡されて、しばらくすると女が身分を弁えぬ振舞いを始めた。
アカデミーでは各々の立場や身分の別を理由に躊躇うことがあれば、身分を越えた研鑽の場を用意した意味がないと、多少の身を弁えぬ振舞いは許される。しかし、それは免罪符とはなり得ない。
なぜなら身を弁えぬ振舞いが許される一方で、それを学ぶのもまたこのアカデミーという場なのである。
初めは、女と同じか少し上の身分の者がその振舞いを嗜めた。
しかし女は忠告を聞くことなく、むしろ、忠告した令嬢達にひどい暴言を吐く始末。
籠絡した子息が近くにいれば、令嬢達を貶めんと言葉を紡ぐ。それを信じた子息からの報復が一度起きれば、身分の近しい令嬢達は恐れて早々に手を引いた。
次に動き始めたのは、籠絡された子息達の婚約者と、側近になる予定の子息達。
女にも子息達にも常識的に嗜めるも、聞く耳を持たず、果ては嫉妬に狂っての言葉だと貶められる。
ここから先は、面白いくらいに事態が悪化していくこととなった。
言葉でどうにかならぬというなら、と女に対し実力行使が始まった。
様々な嫌がらせが行われたが、女は中々狡猾でその嫌がらせを利用し、籠絡した子息達に泣き付き寵愛を深くした。同時に、婚約者達への籠絡された子息達の態度は悪化の一途をたどる。
嫌がらせも時に命の危険さえあるような状態になった頃、その事件は起こった。
アカデミーでは入るのも出るのも自由だが、出る時には必ず研鑽の成果を示さなくてはならない。その機会は年に二度設けられているのだが、その成果発表のために開かれた舞踏会で
女に籠絡された令息達が婚約者たちに婚約の破棄を突きつけたのだった。
あまりにも愚かしい醜聞ではあったが婚約者達は粛々とそれを受け入れた。
婚約者達自身も、その家もとうに見切りをつけて次の一手を打っていた。
問題だったのはその後、女と子息達はあろうことか女への嫌がらせを主導したとして、皇太子の婚約者だった、王弟であり現大公の一人娘に国外追放を命じた。
残念なことにこの国は本来身分が絶対的な力を持っている。相手が皇太子である以上、それを嗜められるのは王か王妃のみ。しかし、この場には二人共いなかった。
流石の事態に皆が慌てるも、何も手出しができない中、一人の青年が動いた。
いらないならば、我が国で貰い受けましょう、と。
そう言った青年は、大公の娘をエスコートしその場を去った。
その青年は隣国の皇太子、友好国の代表としてこの舞踏会に参加していたのだ。
その後、この国は大いに荒れた。
皇太子を筆頭に女に籠絡された子息達は、各々の責務を放棄し享楽に耽り、女に溺れの言いなりになるばかりであった。
王や王妃、子息達の親は醜聞を払拭し彼らの再教育に努めようとしたが、道半ばで王と王妃が倒れ、そのまま息を引き取った。
二人が息を引き取って早々に、皇太子は王位を引き継ぎ女を王妃に据えた。責務を放棄し享楽に耽り、女に溺れて言いなりになった男が国の頂点に立てば未来は見えたも同然だろう。
女の言うがままに政も、国庫に関わる采配も執り行われ、税はどんどん高くなるばかり。民の生活はどんどん苦しくなる一方で、女の持つドレスや宝石は増えて行った。
そして王はしてはならぬ決断を下した。
女に嫌がらせをしていた憎きかつての婚約者、現在の隣国の王妃を討ち果たさんと兵をあげることにしたのだ。
進軍を始めた国王軍に相対したのは隣国の軍ではなく、隣国とこの国の国境を守る公爵家の軍だった。
そして、公爵の忠告を歯牙にもかけず、国王軍は公爵軍と戦った。
戦果は一方的な公爵軍の勝利だった。
この公爵家はこの国の始祖王の武の忠臣が興した家で、隣国が友好国となる前は侵略を防いでいた。隣国が友好国になってからも、軍の強さを維持し、国中に派遣したり、国王軍や辺境伯軍の育成に力を貸す事によって家を保っていた。
それゆえに、公爵軍はこの国最強の誉れを得ている、そのことは子供ですら知っている事だった。
ただでさえそんな相手と戦うのに、国王軍の士気は元々高くなかった。王妃の浪費によって財政が逼迫していたこの頃、すでに国王軍の給与は未払いが始まっていたからだ。
そもそも、王と王妃の蛮行について行きたがるものなどいなくなり始めていた。
それもあり、国王軍は早々に兵の多くが寝返り、残すは将軍としてやってきていた女の取り巻きの一人とその周りのもの程度であったのだ。
そこから、公爵軍の快進撃が始まった。
公爵軍は国王軍の将の首を取ると、そのまま王都へと進撃を始めた。公爵軍の行く手を阻むものはなく、むしろ通った貴族家の私兵が公爵軍に参加する始末。水面下で話は進んでいたのであろう。王都に着くと門は内側から開けられ、一気に攻め入り王と王妃、その他王妃に籠絡されていた者達は容赦無く首を切られた。
これで、愚王と傾国の女は弑され、この国は再興に向かっていこととなった。
しかし、二つの懸念点があった。一つはこの国の次代の王をどうするか、大公が王に即位することになったが大公は子が為せない体であった。そしてもう一つは隣国との関係。公爵軍により未然に防げたものの、国王軍が隣国に兵を向けたのは隠しようのない事実であった。
これらに頭を悩ませていると、大公の娘、隣国の王妃から解決案が提示された。
隣国の第二王子と公爵家の娘を娶せ、王位を継ぐものにすれば良い、と。
血筋は問題なく、公爵は若干難色を示したものの最後には国のためにと頷いた。
これにより、隣国の第二王子ローランドと公爵令嬢アンジェリカの婚約がなされた。
当時若干3歳と1歳、完全なる政略による婚約であった。
そう言ったお父様がそっと私の前に差し出して来たのは、おくるみに包まれた赤ん坊。
ピンクゴールドの髪の毛に光が透けて、キラキラと光っていた。
この可愛い妹を守っていこうと、幼いながらにそう決意した。
それが、私の一番古い記憶。
かつてこの国には傾国の女とそれに嵌った愚王がいた。
いや、愚王が立って20年と経っていないのだから、かつて、と言うにはまだ記憶が新し過ぎるかもしれない。
女はこの国の貴族の子息、令嬢が集まり互いに磨きあうアカデミーに現れた。
出自はしがない男爵家。ピンクゴールドの髪の毛に、水色の瞳。粒ぞろいの淑女が揃う貴族の中では決して突出することはない容姿。
されども、不思議と目を引く愛らしさを持っていた。
そんな女は、見目麗しく、優秀で将来有望な高位貴族の子息の一部を籠絡して行った。
不幸が始まったのは、籠絡された子息の中にこの国の皇太子が含まれていたことだろうか。
当然のことながら、皇太子を含め優秀な高位貴族の子息たちには決められた婚約者がいた。
世の常ながら、彼らには継がなくてはならない貴き血がある、繋がなくてはならない家のつながりがある。
全て、国を守るために必要な高貴なるものたちの義務である。
最初の頃は婚約者たちも、周りの者達も傍観していた。
年頃の男女が集うのだ、惚れた腫れたは日常茶飯事。本人達は本気で、時に遊びで恋をして、周りの者は面白おかしく見物する。それが貴族の嗜みだ。
もし本気で愛し合うならば、それぞれの当主を説得し婚姻を結べればこの上ない僥倖。しかしそれが成るのは極々まれで、ほとんどの者達は家の定める婚姻を結び、血を継ぐ子をなした後に再び愛を囁き合う、これもまた貴族の嗜み。
それが崩れたのは、いつのことだったのか。
子息たちが籠絡されて、しばらくすると女が身分を弁えぬ振舞いを始めた。
アカデミーでは各々の立場や身分の別を理由に躊躇うことがあれば、身分を越えた研鑽の場を用意した意味がないと、多少の身を弁えぬ振舞いは許される。しかし、それは免罪符とはなり得ない。
なぜなら身を弁えぬ振舞いが許される一方で、それを学ぶのもまたこのアカデミーという場なのである。
初めは、女と同じか少し上の身分の者がその振舞いを嗜めた。
しかし女は忠告を聞くことなく、むしろ、忠告した令嬢達にひどい暴言を吐く始末。
籠絡した子息が近くにいれば、令嬢達を貶めんと言葉を紡ぐ。それを信じた子息からの報復が一度起きれば、身分の近しい令嬢達は恐れて早々に手を引いた。
次に動き始めたのは、籠絡された子息達の婚約者と、側近になる予定の子息達。
女にも子息達にも常識的に嗜めるも、聞く耳を持たず、果ては嫉妬に狂っての言葉だと貶められる。
ここから先は、面白いくらいに事態が悪化していくこととなった。
言葉でどうにかならぬというなら、と女に対し実力行使が始まった。
様々な嫌がらせが行われたが、女は中々狡猾でその嫌がらせを利用し、籠絡した子息達に泣き付き寵愛を深くした。同時に、婚約者達への籠絡された子息達の態度は悪化の一途をたどる。
嫌がらせも時に命の危険さえあるような状態になった頃、その事件は起こった。
アカデミーでは入るのも出るのも自由だが、出る時には必ず研鑽の成果を示さなくてはならない。その機会は年に二度設けられているのだが、その成果発表のために開かれた舞踏会で
女に籠絡された令息達が婚約者たちに婚約の破棄を突きつけたのだった。
あまりにも愚かしい醜聞ではあったが婚約者達は粛々とそれを受け入れた。
婚約者達自身も、その家もとうに見切りをつけて次の一手を打っていた。
問題だったのはその後、女と子息達はあろうことか女への嫌がらせを主導したとして、皇太子の婚約者だった、王弟であり現大公の一人娘に国外追放を命じた。
残念なことにこの国は本来身分が絶対的な力を持っている。相手が皇太子である以上、それを嗜められるのは王か王妃のみ。しかし、この場には二人共いなかった。
流石の事態に皆が慌てるも、何も手出しができない中、一人の青年が動いた。
いらないならば、我が国で貰い受けましょう、と。
そう言った青年は、大公の娘をエスコートしその場を去った。
その青年は隣国の皇太子、友好国の代表としてこの舞踏会に参加していたのだ。
その後、この国は大いに荒れた。
皇太子を筆頭に女に籠絡された子息達は、各々の責務を放棄し享楽に耽り、女に溺れの言いなりになるばかりであった。
王や王妃、子息達の親は醜聞を払拭し彼らの再教育に努めようとしたが、道半ばで王と王妃が倒れ、そのまま息を引き取った。
二人が息を引き取って早々に、皇太子は王位を引き継ぎ女を王妃に据えた。責務を放棄し享楽に耽り、女に溺れて言いなりになった男が国の頂点に立てば未来は見えたも同然だろう。
女の言うがままに政も、国庫に関わる采配も執り行われ、税はどんどん高くなるばかり。民の生活はどんどん苦しくなる一方で、女の持つドレスや宝石は増えて行った。
そして王はしてはならぬ決断を下した。
女に嫌がらせをしていた憎きかつての婚約者、現在の隣国の王妃を討ち果たさんと兵をあげることにしたのだ。
進軍を始めた国王軍に相対したのは隣国の軍ではなく、隣国とこの国の国境を守る公爵家の軍だった。
そして、公爵の忠告を歯牙にもかけず、国王軍は公爵軍と戦った。
戦果は一方的な公爵軍の勝利だった。
この公爵家はこの国の始祖王の武の忠臣が興した家で、隣国が友好国となる前は侵略を防いでいた。隣国が友好国になってからも、軍の強さを維持し、国中に派遣したり、国王軍や辺境伯軍の育成に力を貸す事によって家を保っていた。
それゆえに、公爵軍はこの国最強の誉れを得ている、そのことは子供ですら知っている事だった。
ただでさえそんな相手と戦うのに、国王軍の士気は元々高くなかった。王妃の浪費によって財政が逼迫していたこの頃、すでに国王軍の給与は未払いが始まっていたからだ。
そもそも、王と王妃の蛮行について行きたがるものなどいなくなり始めていた。
それもあり、国王軍は早々に兵の多くが寝返り、残すは将軍としてやってきていた女の取り巻きの一人とその周りのもの程度であったのだ。
そこから、公爵軍の快進撃が始まった。
公爵軍は国王軍の将の首を取ると、そのまま王都へと進撃を始めた。公爵軍の行く手を阻むものはなく、むしろ通った貴族家の私兵が公爵軍に参加する始末。水面下で話は進んでいたのであろう。王都に着くと門は内側から開けられ、一気に攻め入り王と王妃、その他王妃に籠絡されていた者達は容赦無く首を切られた。
これで、愚王と傾国の女は弑され、この国は再興に向かっていこととなった。
しかし、二つの懸念点があった。一つはこの国の次代の王をどうするか、大公が王に即位することになったが大公は子が為せない体であった。そしてもう一つは隣国との関係。公爵軍により未然に防げたものの、国王軍が隣国に兵を向けたのは隠しようのない事実であった。
これらに頭を悩ませていると、大公の娘、隣国の王妃から解決案が提示された。
隣国の第二王子と公爵家の娘を娶せ、王位を継ぐものにすれば良い、と。
血筋は問題なく、公爵は若干難色を示したものの最後には国のためにと頷いた。
これにより、隣国の第二王子ローランドと公爵令嬢アンジェリカの婚約がなされた。
当時若干3歳と1歳、完全なる政略による婚約であった。
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