39 / 51
番外編
③ ブリュエット Side マリールイーズの母
しおりを挟む彼の登場に男の手の力が緩む、その隙に手を振り解いて男から距離を取る。男が再び私との距離を詰めようとした時、いつの間に側までやってきていたのか彼が私の腰を抱き許しを請い始めた。
「ああ、ハニーそんなに怒らないでおくれ、遅れてきたのは謝るから。
他の男と二人っきりで、私に嫉妬させたいのかい?君の恋の僕である私には刺激が強すぎる。君が私以外の男といるだなんて耐えられないよ。
もう2度とこんなことはしないから、どうか許して欲しい。」
耳元で甘く囁かれる言葉に、悪寒が走るがとにかく目の前の男よりこのよく分からない彼の方がましだと直感が告げているので、乗っかることにする。
「あらダーリン、その程度で私があなたを許すとでも?
ふふっ、私も寂しかったのよ。本当に反省しているのなら許してあげるけど、今夜はもうひとりっきりにしないでね?」
言っていてサブイボが立った。ダーリンって柄じゃないわ。
「もちろんさ、ハニー。今夜は寝かさないよ。」
「まあ、ダーリンったら。」
そう言ってクスクスと笑いながら、くるりとダーリン(笑)の方を向き両手を彼の首にかける。真っ直ぐに向き合った瞳を見て、察した。
ダーリン(笑)もサブイボ立ってるわ、これ。
そのままそっと、お互いの顔を近づけていき、唇と唇が触れ合う寸前に、後ろの人の気配が去っていくのを感じた。のと同時に、バンっとお互いが離れる。
「・・・困っているようなので助けに入ったのですが、無遠慮に体に触れてしまって申し訳ありません。」
申し訳なさそうに、彼は思い切り頭を下げ始めた。
それを見て、慌てて体を起こさせる。
「謝らないでください。大変助かりました。こちらこそ、無遠慮に近づいてしまってごめんなさい。」
「いえ、女性の体に先に触れてしまったのは私です。」
「でも、あなたがそうしてくれなれば、そもそも助けに入ってくださらなければ私はどうなっていたかはわかりません。感謝こそすれ、その方法に怒りを覚えることなどないです。」
「いや、でも」
「だって、こちらこそ。」
謝罪合戦が始まってしまった。
そんなやりとりを続けているうちに、ふと無言になり視線が絡まる。
お互いに、ふっと笑みが溢れる。
「ダーリンとハニーと呼び合う仲ですもの、あの一瞬は恋人であった。ということでいかが?」
「お言葉に甘えて、そのようにいたしましょう。」
再び見つめ合い、笑い合う。
「助けていただき、ありがとうございました。」
「姫をお助けできて光栄です。」
「ふふっ、それではあなたは騎士さまだったのかしら?」
「騎士とは恐れ多い、まだまだ見習いの身の上です。」
楽しくなった私は、スッと手を出す。
彼はその意図を正しく汲み取る。
「一曲踊っていただけますか?」
「喜んで。」
************
くっそ~
||+゚*。:゚+.今度コソガンバルゾ!!.+゚:。*゚+||*・`ω´・)9リベンジ!!
33
あなたにおすすめの小説
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
転生者だからって無条件に幸せになれると思うな。巻き込まれるこっちは迷惑なんだ、他所でやれ!!
柊
ファンタジー
「ソフィア・グラビーナ!」
卒業パーティの最中、突如響き渡る声に周りは騒めいた。
よくある断罪劇が始まる……筈が。
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。
悪役令嬢、休職致します
碧井 汐桜香
ファンタジー
そのキツい目つきと高飛車な言動から悪役令嬢として中傷されるサーシャ・ツンドール公爵令嬢。王太子殿下の婚約者候補として、他の婚約者候補の妨害をするように父に言われて、実行しているのも一因だろう。
しかし、ある日突然身体が動かなくなり、母のいる領地で療養することに。
作中、主人公が精神を病む描写があります。ご注意ください。
作品内に登場する医療行為や病気、治療などは創作です。作者は医療従事者ではありません。実際の症状や治療に関する判断は、必ず医師など専門家にご相談ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる