警視庁の特別な事情1~JKカエの場合~

綾乃 蕾夢

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情報収集

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「こんにちは」
 鑑識室のドアから顔を覗かせると、ちょうど葵が証拠品の押収倉庫から顔を出してくれた。

「はぁい。理加子ちゃん」
「ちょうどよかった。葵ちゃん、この前総監に情報が上がっていた件リークしてくれてありがとう。
 ついでにどこから上がってきたのかって分かるのかしら?」

 狭いカウンターを挟んで葵と額を付き合わせる。
「聞かれると思って調べておいた。
 証拠品が上がって来たのは捜一。でもね、その後警務部から横槍が入ったっぽいんだ」
「警務部?」

 意外な部署名に声がうわずる。
 まさか越智ダヌキが自分から〈おじいさま〉に告げ口?

 想像外な組み合わせにリカコは頭をひねる。あの2人が額を付き合わせて話し合う姿など想像も出来ない。

「全く君たちは、変なガキどもだと思っていたけど、権力争いにまで首突っ込むようになったの?」
 リカコはちょっと肩をすくめると、人差し指を唇にあてた。
「葵ちゃんも首を突っ込み過ぎると、庁内を揺るがす陰謀に巻き込まれちゃうかもよ」
  

 ###

 ん。スマホが鳴ってる。
「何? ジュニア」
『カエ? もう本庁に入った?』
「うん」
 たむたむと別れて鑑識室に足を向ける所。

『よかった。
 捜一に行って〈ks1-pc15〉って言うパソコンの電源を入れて来て欲しいんだ』
「ええっ。今、捜一出たばっかりなのにぃ。
 ハッキングするとリカコさんに怒られるよ?」
 電話越しにむぅっと唇をとがらせる。

『僕がそう簡単に足跡残す訳無いじゃん。
 電源入れるのはあちこち操作するから面倒でさ。1回入っちゃえば、後は勝手に落として帰るから。
 よろしくね』
 それだけ言って通話が切れた。

 勝手なんだからぁ。
 きびすを返して再び捜査一課のドアをくぐる。

 えと。〈ks1-pc15〉だっけ。
 電源の落ちてるパソコンだけ見ればいいよね。
 ふと、顔を上げるとたむたむが榎本課長とデスクの前で何かを話している。

 たむたむの隣のパソコン。落ちてたなぁ。
 手始めに回り込む。
 本体横のラベルの数字は〈ks1-pc15〉。

 お。ビンゴっ。

 しれっと電源を入れて捜一を出ると、LINEの着信。
 ダイオウグソクムシが「ありがとう」の周りをぐるぐる回っていた。
 こんなスタンプどこで手に入れたんだろ。


「リカコさん」
 ちょうど鑑識室から出て来たところに声を掛けると、思案顔がパッと笑顔になる。

 なんか隠した。
「カエちゃん。用事は済んだ?」
「うん。大丈夫」

 リカコさんが言わないってことは、自分の中で納得してないんだろうなぁ。
 こういう時は無理に聞いても教えてくれないし、リカコさんが納得すれば話してくれるからそれまで待つしかないのかな?
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