従兄弟と俺の一週間狂想曲

尾村 雄清

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「じゃあ、お母さんたち行くわね。しっかり面倒見るのよ」
「わかってるよ。いってらっしゃい」

旅行に出かける両親を見送った後、ソファに座って深く溜め息をついた。
大丈夫。小さい子は嫌いじゃない。
予算も潤沢にもらった。
心の覚悟も出来てる。
危ないものや大切なものは自室にしまった。
両親の部屋など余計な部屋も封鎖した。
うん、大丈夫。
準備も終わったし、夕飯の買い出しも合わせて出掛けるか。
コートを羽織ってマフラーと手袋を小脇に抱えて玄関から外に出る。
雪は降っていないものの、まだまだ寒い時期が続く。
凍っている路面を滑らないように慎重に歩を進める。

確かに家でゴロゴロと何気ない毎日を暮らしているのも悪くはないが、非日常を望んでいる自分がいるのも事実だ。
異世界に召喚されたり、某国のお姫様に偶然にも出逢ったり。
案外、人間なんて誰しもが非日常を望んでいる。
そんなことはアニメや漫画の中の世界でしか無いのはわかっているのに。
そして、俺にとって従兄弟を預かると言う程度の非日常が、丁度良い塩梅なのだろう。
そうと決まればその非日常をどれだけ楽しめるか、だな。

そんなことを考えながら、俺は暇つぶしに近くレンタルビデオ屋さんに向かった。
まだスーパーの半額シールまでは時間があるからな!

夜。無事に半額の中華風弁当を手に入れることができた俺は無意識にテレビをつける。
そこでは健康番組が流れていた。
俺は借りてきたDVDを見ようと入力を切り替えようとしたが、テレビで「この時期に気をつけたい子どもの病気特集」のテロップを観て動きが止まる。
子どもを預かる身としては健康管理を怠る訳にはいかない。
そう考えて俺は番組を最後まで観た後にノートパソコンを立ち上げ、偉大な先生に子どもを預かる注意点等を伺っていく。

「なるほど。子どもの体調管理には注意を払わないといけないのか」

いや、至極当然の事なんだが相手は年端もいかない子どもだ。
病気に対する免疫が未発達だから病気にかかりやすいと言う認識を持っておくのは大切だ。

(他にも調べることないかな?)

預かる前日に一抹の不安を胸に抱え、結局借りてきたDVDを見損ねてしまったのであった。
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