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びば学園生活2
世界の中央に位置する学園都市ケラフ。この世界は三つの大陸に、4つの大国がある。家庭教師に言われていたのは、小中国を全て叩き込むよりも、この4つの大国をしっかりと学んで置いた方が良いらしい。
確か、200年続くバルディオス帝国、幾つかの周辺諸国からなるジルックェンド連合国、亜人・獣人・魔族等の支配するセリアル国、神聖国家フォーラン。
因みにルークも俺もその4大国には属さない小国の出身だ。まあ、何でそんな事を思い返していると言えば…。
「それでは…クラス委員長はファビアン・デルヴォー様にお願い致します」
教師の言葉に品の良い拍手が響く。クラスの代表となり生徒会活動にも参加する存在であり、勿論優秀だろう。最初は俺に声が掛かったが、編入生だからとやんわり断り次に彼の名前が出たのだ。
綺麗に切り揃えられた黒髪に銀縁の眼鏡、中性的な美人といった所か。周囲の情報を集めた所、あの4大国の一つ…ジルックェンド連合国の王族らしい。何かデルヴォーって聞いたことあるなあ、とは思ってたけど。
前世普通の庶民だった俺にとって、本物の王族を見るのは初めてで驚くべきこと。まあ、タチのが上だけど。
結構好みのタイプかも。王族にも俺のフェロモンって利くのか?
交遊関係を広めるもとい、タチとしての役目を全うするべく動きだそうと考える。ハレムが不在のタチの場合、C級以下なら周囲を混乱させないが、B級以上だとそうもいかない。
A級のルークの場合、中等部の初めにハレムを持っていない時に、関わったネコの発情を促してしまったという。
つまり、ハレムを持たないS級の俺は歩く時限爆弾。周囲にいつどういう影響を与えるか分からない。出来るだけ早くハレムを築いて欲を発散させなければいけない。
ファビアン・デルヴォー。抱くなら好みの子が良いよな。えーっと、ハレムに入っているネコは指輪を付けてるって言ってたな…うん、このクラスは全員大丈夫か。
昼の休み時間の予鈴が鳴り、各々が動き出す。何となくリオネルのグループから視線を感じるが、悪いけど今は本命を決めた所なんだよな。
椅子から立ち上がれば、クラス内に緊張が走る。
「うーんと、デルヴォー…君?昼休みって時間ある?」
「!…これは、シュタルト様。よろしければどうぞ呼び捨て下さい。何か御用命でしょうか?」
声を掛ければクラス内はざわめくが、相手は王族らしく落ち着いた微笑と丁寧な口調で応じてくる。あまり緊張していない様にも見えるが、額のうっすら滲む汗と手元の震えに気付く。
王族だから一応君付けたけど。呼び捨てオッケーって、やっぱりタチだからだろうな。
「じゃあ出来たら食堂まで案内してくれない?俺って編入してきたばっかりで不慣れでさ。」
「はい。喜んで。」
直ぐ返された肯定に頷き、教室から出て彼の案内に続く。どうやら幼稚舎から在籍しているようで、食堂までの道すがら色々と説明もしてくれた。
一つ一つの仕草も品があり、見せる笑みは美しく可愛いらしい。気位も高い筈なのに、俺へ向ける伺う上目遣いは溜まったものじゃない。言い方は悪いが、メチャクチャに俺の自尊心を擽るのだ。
少しだけ自分よりも低い背中を眺めている内に、食堂へと着いていた。食堂という名前に似つかわしくない高級レストランを思わせる内装に目を瞬き、デルヴォーに着いてきていた護衛だろう一人が開けた扉を潜る。
「…此方が中等部から使用可能な食堂となっております。タチの御方はテラス席及び2階の特別席も利用出来ますので、どうぞお好きな場所をお選び下さればと。」
では、と丁寧に頭を下げて去ろうとするデルヴォーの手を取り、驚く相手を見つめ口角を上げる。
「何処に行くの?俺と一緒に食べてくれると思ったんだけど。」
「…!あ、あの、食堂までの案内役だけなのかと…。」
掴んだ手はあまりにも熱くて、涼やかだった瞳に熱が込み上げる。凛としていた相手の顔に戸惑いと期待が生まれ、頬は林檎のようだった。近くの護衛達が驚愕に固まるのは、ファビアン・デルヴォーの姿とはかけ離れているからだ。
うん。こんな顔のネコを見て平気なタチは居ない。
「…お前みたいな可愛い子を逃がすと思うか?なあ、ファビアン。」
腰を引き寄せ、耳元に低く甘く囁く。 無意識に発するタチのフェロモンは、離れていた筈のネコ達にも影響を及ぼしていた。食堂の入り口から50メートル以内のネコ達はみるみる熱を発し、その場に意識を失う者、座り込む者が続く。
勿論目の前のファビアンがモロに影響を受けてしまう。足腰を支える事すら難しくなり、アルフレッドに触れられた部分が布越しでも過敏となっている。声や吐息は正に媚薬に等しい。
「……あ、っう…シュタ、ルト様。」
元より抵抗など出来る筈も無く、極上のタチから受ける甘美な囁きに自然と発情を急かされる。
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