異世界には男しかいないカッコワライ

由紀

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たのしい休日4



この世界には電話機器という物は無く、家族や連絡を取りたい相手とどう情報をやりとりするか。一般的な方法としては、移動紋で直接会うのと、魔導鳩を使用する。
寝室に置かれた鏡台の魔導紋にIDカード…認証紋をかざし、個人の決められた番号を口頭で認識させる。すると立体的な鳩が現れ、連絡を取りたい場所へと繋がり、鳩の口から相手の声が聞こえるのだ。

何故そんな事を思い出したかと言えば、先程産みの親と連絡を終えたばかりだった。 別にホームシックやら、話す約束をしていた訳でも無い。確認したかったのは、ハレムを増やしていくに当たり何をした方が良いのか。

『…そうですね。ハレムの人数が多い所では、正室の下に付ける側室を決めるそうですよ。』
「え?どういうこと?」
『うーん。アルフレッドのお祖父様のハレムを参考にすると、忙しい正室の補佐を側室が出来るように。後は、ハレムの中で情報を共有しやすくなるのだと言っていましたね。』
「へえー。」

魔導鳩から聞こえる側室ははの声に聞き入り、深く頷く。考え方としては納得出来る。今後一般的なハレムの人数になるなら、俺が全て把握出来なくなるだろう。
お互いを支える相手を決めておく。悪くないかもしれない。

ありがとう、と礼を言い長くなった話しを切り上げる。いつも通り穏やかな産みの親は、『体に気を付けて下さいね。』と気遣ってくれる。父なら「一度帰って来なさい」とでも言いそうだ。今頃名家から怒濤の使者ラッシュで確実に怒ってる筈だから。

父さんは怒ってるというか疲れてるだろうし、父の第1正室は結構厳しい人なのでお小言をくらうと思う。
あれ?俺って他のタチと違って甘やかされてない?ルークは叱られたことは無いって言ってたっけ。俺は…普通にあるわ。









「失礼致します。」
「ああ、どうぞ。楽にして。」

部屋に最初に尋ねて来たのはエドウィン。その手の薬指には、昨日贈った指輪が光る。騎士科らしく鍛え抜かれているが、ネコらしく磨かれた綺麗な肌によく映えていた。

今日は休みの三日目。ファビアンも帰って来る日で、ハレムの子も丁度時間を作れるようなので、急だがお茶会という名の顔合わせを行うことにした。

今日は何人集まる予定でしょうか?との質問にアルフレッドが答えると、直ぐに連れていた従者に指示しテーブルのセッティングを始めていく。その間俺はソファーに座り、最近始めたこの世界に広めたい遊びの図面を作成していた。
オセロ、トランプ、すごろく…なるべく万人受けしそうな遊びが良いだろう。完成したら、商人に通じた者に相談しようと思う。

「こんにちは、失礼致します。」
「…失礼します。」

黙々と図面を書き続けていると、中央のテーブルに茶器の用意がされ、数種類の菓子やケーキも並べられていく。続々と入室してきた顔ぶれを見て、取り散らかした図面を棚の上へと乱雑に纏めておく。

ネコ達の様子を然り気無く見ると、ファビアンとエドウィンが顔を合わせて何か話している。二人でテーブルの茶器を移動させたり、テーブルクロスを変えてみたりと忙しそうだ。
ラティーフはそんな二人に挨拶をした後、窓から差す日差しに気付いて椅子の位置を調節させている。

やっと納得したのか、セッティングを終えたことを伝えてくれる。

中央のテーブルに置かれた椅子。奥の真ん中に腰掛けると、右隣にファビアン、左隣にエドウィンが座る。ラティーフが好きな場所へと腰を下ろしたのを見て、アンリと共に立っていたジレスを呼んで椅子に座らせる。
驚きに目を瞬くアンリに、一瞬反応した正室二人は直ぐに平静を装い、ラティーフは僅かに眉根を寄せただけ。

…ん?アンリにも言って無かったのか?同じ一族だと聞いていたから、てっきり教えているかと思ってたけど。

各家の護衛や従者が居るのを見ると少々落ち着かないが、慣れていくしかない。将来を考えれば、もっと大勢に囲まれるのだから。
本当はチコも呼びたかったけど、無理させたくないからな。よし、揃ったから始めるか。

「…皆揃ってくれて感謝する、ありがとう。日頃ハレムの者同士でゆっくり話す機会も無いから、そういった時間になれば嬉しいな。」

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