異世界には男しかいないカッコワライ

由紀

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※いざバルディオス帝国XVl






主に右側のほっぺたが痛いなー。
舞踏会が残り1日というのに、頬を腫らして参加するタチか…。ははは、笑える。自分じゃ無かったらな。

視界に映るのは、見つめ合い何やら囁き合う見目麗しいタチネコ。「ほっぺ痛いんですが…。おーい、お2人さーん」などと無粋に割って入るのは止めておこう。
自分に出来るのは、音を立てずにそっと部屋を立ち去る事のみ。

後ろ手に扉を閉めふっと息を吐く。
心からの安堵と達成感。これで胸中で燻っていた靄が一つ晴れた心地だった。それと同時に此方を見つめる強い眼差しに気付く。

「っアルフレッド様!」
「エドウィン…。」
「これは…一体何があったのでしょう?」

アルフレッドの頬に瞠目したと思えば、直ぐ様大股で近付いて来る正室。室内の使用人が居る手前、冷静を装うエドウィンの動揺は隠し切れていない。

早く冷やしましょう、と焦る姿が何とも愛おしく思えた。
頷きながらも、ルーク達の私室から離れようと足を進める。正直痛みよりも、疲労と眠気が勝ってきていた。ここ数日しっかり睡眠が摂れず、心配事が大きいのもあった。

足早に元の居室に着くやいなや、近くのソファーにもたれ掛かり深く息を吐いた。

あー、つっかれた~。

あまりの眠さにそのまま落ちそうな瞼を何とか開けていると、周囲にテキパキと指図するエドウィンの声が耳に入る。
治癒の神官を呼ぼうかとも言われたが、はっきり断って置く。早く寝たい。

「アルフレッド様、失礼致します。」
「うん。」

泣きそうに目元を歪め、氷水で冷やしたタオルを口元に当ててくる。少し沁みるが、熱を持った患部には気持ち良い。
深夜にも関わらず、素早く命をこなす使用人達には申し訳無く思う。適当な頃合いで下がらせ、エドウィンにも戻って良いとそれとなく伝えるが部屋を離れる気配は無い。

「えーっと、明日もあるからさ。もう休んだ方が良いよ。」
「…私が居ては、お邪魔でしょうか。もし戻っていらしたら、デルヴォー伯爵閣下と代わります。」
「!まさか。」

隣に腰掛けるエドウィンの瞳が潤み、膝の上の拳が強く握られ少し震えていた。怒りか悲しみか、歪む顔に流れる涙が美しい。
ファビアンの不在で責任を感じているのか。今回の件は、アルフレッド自身が行った賭けであり責任も何も無い。
ファビアンが居たとしても状況は変わらなかった。

「さっきはエドウィンが直ぐ来てくれて助かったよ。この怪我も俺が蒔いた種だし…そんなに痛く無いし!あー、うーんと。タチの勲章?という様な?うん。ほら、タチ振りが上がったんじゃないかな。」

涙を止めようと言い募り、戯けた口調で頬を指さしてみる。一瞬固まったエドウィンの唇が小さく笑みを形作った。

「アルフレッド様はいつでもお素敵です。」

ありがとう、と返す顔は赤くなっていないだろうか。
真正直な言葉への照れ隠しに、抱き寄せて相手の肩に顎を乗せる。眠気の薄れた頭と、密着した相手の体温に知らず昂っていく自身に頭を抱えそうになる。

此方の気持ちとは裏腹に、落ち着いた様子のエドウィンが「そろそろ眠った方が良いですね」と名残り惜しげに離れようとする。
それを許さず背中に回す腕に力を込める。そっと耳に入るのは、正室の唇から漏れた切なげな吐息が堪らない。

今日の疲れや、先刻感じていた眠気など霧散した。
先日褐色の青年を抱き潰してから、普段自分がどれほど我慢していたか理解した。
きっと、飲食を挟めば眠らず数日続けられる。そう確信していた。

渇望する身体で唾を飲み込む。
呆気なく押し倒した相手を見下ろせば、熱っぽく期待に満ちた瞳が返される。

明日、夜会の最終日。脳内では相手を疲れさせてはいけないと繰り返す。
股の間の逸物は既に熱を持っており、相手の膝へ知らず押し付けた。エドウィンの微かな身動ぎすら悪魔的な刺激となっていた。

仮にファビアンならば、第1正室としての責務を優先し、内心苦渋の決断でやんわりと拒んだかもしれない。ジレスやチコならば、早々に部屋を去っていた筈だ。

エドウィンは、常には隠すファビアンへの潜在的な妬心があった。今回もそうだ。晩餐会で共に参加出来ない寂しさ、2日目は側室のみで共に居られなかった。
ハレムの人数が未だ少ない故の心中。
更に、側室の様に気軽に侍れない立場…そろそろ焦れていた。

欲に染まるアルフレッドの瞳をうっとり見上げ、エドウィンから腕を伸ばして顔を寄せた。
軽く唇が触れ離れた正室つまの表情は優艶に映り、思わず小さく唸ってしまう。

お返しに此方から唇を近付け、額、目元、頬に触れ、唇に喰らいつく。熱い位の口内を暴き、舌を絡めれば拙く返される。

多くのネコにとって相手のタチは生涯一人以下。性技の不得手なタチが相手ならば、快楽も薄くただ子作りに終始するだろう。
だが現代的な価値観のアルフレッドは、双方気持ち良くなりたいし、真っさらな相手を自分の手で開発してみたいし、反対に経験者から積極的に触れられても良い…と柔軟な思考を有していた。

結果、エドウィンからの積極性に歓喜した。

少々乱雑に着衣を乱し、ソファーの上で荒い口付けを交わし合う。次第にアルフレッドの手が衣服の隙間に伸び、滑らかな肌の感触を楽しむ。

「…エドウィン…っは、可愛い…。」
「っあ!…そ、そこ…だ、だめ…です…~~っあ、ぁっ?!」

エドウィンの下腹部に伸びた手が可愛らしく主張する肉棒に触れる。ネコにとっては生殖機能の有さない部位だが、アルフレッドには欲を煽る至玉だった。つ…と指で撫でて、手に握り優しく扱いてやる。

「だめ…だめっ…」と頭を振って顔を真っ赤にし恥じらう姿に、口角が上がりそのまま口付けを落とす。

可愛い、可愛い…と繰り返す。
タチから触れられる筈の無い場所を扱かれ揉まれ、あっさりと絶頂に導かれるエドウィン。吹き出した液体がネコの腹を汚し、厭らしい匂いにアルフレッドは目を細めた。

「じゃあ…次は俺の番だね。」

にっこりと笑顔を浮かべれば、絶頂の余韻に浸るネコが喉を震わせ目を伏せて小さく頷いた。















控えの間に居た従者は眠れない夜を過ごしたらしい。
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