ダンジョン階層主の日常

戦闘３ 占領

　それは我々がいつも通り階層の中を徘徊し、冒険者と戦っていた時だった。

　それは突然やってきた、いつもやってくる冒険者パーティは大体平均で4～５人ぐらいでそんなに多くはなかったし、一定以上の実力を持つものもほとんど来ない。

　なぜならこの迷宮にはワープ機能がついているからだ、なぜそんな機能がついているのかというとそもそも低い階層には低レベルで種族としての能力も低いそのような魔物しかいない。

　そのような魔物が束になってかかっても基本的に高レベル冒険者を倒すどころか消耗させることさえ難しいしかも大体冒険者はパーティーを組んでいるし倒すことはほぼ不可能だった。

　そのためわざわざ低い階層で低レベルの魔物たちがぼこぼこにされるよりも最初から地下深くに招いた方が効率がいい。

　高レベル冒険者すらあっさりと倒すような強力な魔物たちがいっぱいいるのだから、最初からそこに送り込んだ方がいい。

　そういう思想があって、ワープ機能はつけられたようだ。

　冒険者や我々魔物の死体は基本的にはしばらく放置すると迷宮に飲み込まれる。
　魔石などの魔力を持った素材はしばらくの間残るが、それ以外は比較的すぐに飲み込まれる。
　魔石もしばらく放置するとだんだんと魔力が飲み込まれていき最終的にただの石みたいになってしまう。
　そのためできるだけ早く必要なものは回収しておく必要がある。

　これらのことからわかるように迷宮はエネルギーを必要としているのだ、だから肉体やら魔力やらを吸収している。

　魔物も無から湧いてくるというわけではない。
　召喚には何かしらのエネルギーが必要となるのだろう。

　無駄に魔物が殺されまくって冒険者が一切殺せないとなると困るというものがいるのだろう。

　ワープ装置がどこにあるかとかは知らないが、少なくともこの階層はかなり浅い階層だからまだそのような装置はない。

　だが、あの人の群れはなんだ？
　なぜあれだけ多くの人がこの階層にいるのかしかも仮の拠点まで作って、なぜかはしらないこの場所にとどまるということが分かった。

　鎧とかの重装備をつけている人間は少ない、だが丈夫そうなそろいの服を着ている。
　
　彼らは何のために来たのか、レベル上げならばもっと深い階層で行った方が効率がいい、魔石を集めるのが目的であるのならば我々の魔石では大した質はない。

　彼らが何のためにやってきたのかそれを確かめる必要があるだろう。