終わった世界でただ嘆く

ダンジョン

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第22話 現実的な目標

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 私は、高速に乗って実家へと向かっていた。
 このまま行けば一、二時間でたどり着くだろう。

 順調にいけば・・・。
 
 「渋滞で全然進まねぇ。」

 ≪詰まんねえなぁ。≫
 ≪なんかでっかい敵こねぇかなぁ。≫

 来るはずが無いよ。
 まだ、厄災も起こって無いし。

 ≪そんで、お前は何してんだ?≫
 ≪自動車の運転中に作業するのはあぶねぇぞ。≫

 運転中といっても、渋滞でほぼ進まねぇからな。
 その間に、情報を集めることにした。

 厄災は止められない。
 そうは聞いているが、本当だろうか?

 厄災について、もっと情報を集めなくては。

 ≪情報といっても、特に何も出てこねぇと思うぞ。≫
 ≪それに、情報があったとしても胡散臭いのがいっぱいだ。≫

 ≪その中から、真実を見極めるのは容易じゃねぇ。≫

 ≪諦めろ。≫
 ≪お前が今するべきは、運転に集中することだ。≫

 うん、その通りなんだけど。
 それでも、諦めきれないんだ。

 ≪もう何も失いたくねぇってか?≫
 ≪そりゃあ、無理だ。≫

 ≪前も言った気がするけどな。≫
 ≪お前の力じゃ、どんなに足掻いたって不可能なものは不可能だ。≫

 ≪せめて異形の力を何とかして、手に入れろ。≫
 ≪人脈も何もねぇお前に何ができる。≫

 ≪無理なものは、無理。≫
 ≪もっと、現実的な目標でも考えてろ。≫

 現実的な目標か。
 
 目の前にいる人を助ける?
 無職を倒す?

 どれも、現実的ではないように感じる。

 ≪まあ、考え続けろ。≫
 ≪思考停止して、誰かに考えを依存することが一番まずい。≫

 ≪お前はこれからどうしたい。≫

 ≪何を救いたい?≫
 ≪何を変えたい?≫
 ≪何が望みだ?≫ 

 ≪その辺がはっきりしねぇと、助けようもねぇよ。≫

 ≪はっきり言おう、お前は弱い。≫
 ≪鍛えても無いし、素手で異形を殴り飛ばすことも不可能だ。≫

 ≪まあ、そんなことができる奴はそう居ないんだけどな。≫

 目標か・・・。

 よし、決まった。

 全ての異形を滅ぼす。
 そして、目の前で誰かが喰われるような事が無い世界に。

 ≪ちょっと、理想が高すぎる気がしねぇか?≫
 ≪それだったら、厄災を止めることが必要になるぞ?≫
 
 ≪ちなみに、今止めるのは不可能だからな。≫
 ≪時間を戻すのであれば、もっと前じゃないと絶対に止められない。≫
 
 ≪今から向かっても間に合わない。≫

 ≪まあ、そのあたりはなあなあで済ませるか。≫
 ≪何とかなるだろ。≫

 ≪ていうか、誰かを助けたいんだったらもっと動けよ。≫
 ≪今動いている奴なんか、そうそう居ねぇぞ。≫

 ≪ほら、SNSでつぶやくとか。≫
 ≪もっとできることがあるだろ。≫

 それもそうか。
 私は、呟くことにした。

 でも、証拠がない以上、ただの迷惑な人になっている気が・・・。

 ≪気にすんな。≫
 ≪SNSの世界は広い、興味ねぇことには誰も気にしねぇよ。≫

 嫌、誰にも興味持ってもらえないと呟いた意味がない気が。
 
 ≪ああ、うだうだ悩むな。≫
 ≪誰もお前のことなんか気にしてねぇよ。≫

 ≪ほれ、さっさと別の方法も考えろ。≫     
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