あの日恋心に終止符を打った筈なのに。。

yumemidori

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おまけ。。気が向いたら書くかも書かないかも

突然の訪問

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婚姻届を出してから今までを埋め合うようにたくさん話して疲れて、陽斗と千斗星と3人で川の字になって眠りのんびりと過ごしていた翌日。
陽斗の馴染みぶりは半端なく家事を手伝ってくれながらも隙あらば俺に構われようとしにきて、それに嫉妬した千斗星が割り込んでくるという構図が一気にできてしまっていた
そのことに嬉しくもあり幸せを感じていたらインターホンがなった。
今度はちゃんと確認しようとモニターを見るとそこには驚くべき人物が立っていた
信じられなくて、でもその人しか居なくて思わず後ろを振り返って助けを求めた。

そのまま頷いて千斗星を抱っこしてくれて、俺の背中を押しながら玄関へと向かう
勇気を振り絞って玄関扉を開くとそこには両親の姿と陽斗の両親、何度かお会いしたことのある執事の白川さんの姿が見えた
声も出せずただ立ち尽くしていると、母さんが俺の元に飛び込んできたのを受け止める
どうやら泣いているようだ
「もう!本当に心配したんだから。遠くに行くけれど元気にしてるからなんて久しぶりに連絡よこしたと思ったら音信不通になるなんて。それからはどこを探しても見つけられないし、連絡も来ないまま時が過ぎていって。このバカ息子!バカバカばか!」
「まあまあ、千華子ちかこさん落ち着いて。千影くんに暴言を吐くために来たんじゃないじゃない?それにこの子の教育に悪いわぁ」
バカと繰り返す母に陽斗の母さんが宥めにかかる

ぱぁぱをいじめるなと言っていた我が子に対してごめんなさい、取り乱してなんて告げて何故だか母同士2人は仲が良さそうに見える
不思議に思って首を傾げていると陽斗から一旦仲に入ってもらえばと提案された
流石にこの人数が入ると狭いな
白川さんは何故か勝手知ったる感じでお茶を人数分用意してくれる
そしてあまり人見知りのしない千斗星を連れて庭で遊び始めてくれた

「千影。」
まずは父に名前を呼ばれた。何を言われるかわからなくてビクッと震える
「陽斗くんとはその様子だと上手くいったんだな。だいたいの事情と昨日の婚姻届の話は聞いたよ。
おめでとう。
だがもう今後。お願いだからこんな風に俺たち親に何も告げず、居なくならないでほしい」
初めて父が涙を流す姿を見た
多分それだけ心配をかけていてたくさん迷惑もかけた
親になったからこそわかるその想い
もし千斗星が大きくなって同じことをされたらと思うと胸が張り裂けそうだ
『~~~ッ!ごめんなさい、ごめんなさい゛ぃ゛』

「そんなにボロボロ泣いたら目が溶けるよ?」
陽斗はそんな俺の涙を拭い続けてくれる
そして静かに語り出した。
陽斗が探偵を使って俺を探していたこと。それでも見つからず場所の検討もつかないから俺の両親に会いに行ったこと
そして俺の両親と話して一緒に協力して手分けすることになったそう
それでも見つからなくて自分の親であり大企業の社長の人脈を頼ってお願いしてくれたこと。
そんなに大事になっていたなんて知らなくて俺は随分とたくさんの人たちに迷惑を分けたんだと申し訳なくなった
やっと見つかった時、俺には子どもがいてそれがおそらく陽斗と俺のこともではないかということ。俺と自分の両親にそれを伝えた上で結婚を申し込もうと思うとまで宣言してくれていたらしい
俺には抵抗されるかもしれないけれど必ず何年かかってもアプローチをかけさせてほしい
もし、別にいい人ができたら身を引きます、とまで。
このことは陽斗のお母さんの怜さんが教えてくれた
そこまでの覚悟を持って昨日来てくれたんだとしれて胸がいっぱいになる

ただ両親たちに話すにはとても恥ずかしかったけれどあの時起きた真実を話すことにした
陽斗には止められたけど陽斗ばっかりヘイトが向かってはいけない
ちゃんと合意だったこと。俺は陽斗との子どもが欲しかったこと、好かれてるなんて思ってなかったから騙し討ちのような形で仕掛けてバレたくなかったから全てから逃げてしまったこと。
あの子は千斗星はちゃんと望まれて生まれてきたんだ
それはちゃんと両親たちに理解していて欲しかった

「馬鹿ねぇ。我が息子ながら呆れちゃう
こんなにも愛されてたのに陽斗くんの何を見てたのかしら?」
「千華子さん、それを言ったらうちの息子も馬鹿よぉ。ヘタレだし最低で、千影くんは陽斗の何処を好きになってくれたのか謎だわぁ!
うちの子には勿体無いくらいの美人で可愛らしくて。ねぇ、お父さん。陽斗がもし飽きられたとしても私たちとはいつまでも交流してもらえるように手を回しましょ!こんな子なかなかいないわよ?」
「そうだな」
なんてノリノリな陽斗のお父さんに陽斗がくってかかってた

「千影。陽斗くんと結ばれることができて良かったな
お前が幸せそうで安心したよ。」
父さんのその言葉に枯れたと思っていた涙がこぼれ落ちる
「あー!ぱぁぱ、泣かせたー!わるいんだー!」
そう言って父さんに一直線に突進してぽかぽか殴ってる
父さんはされるがままでたじたじだ
だけれどもう一度こっちを見て頭に手を伸ばして撫でてきた
「あー!いーこいーこ!ぼくも!ぼくも!」
ふふっ、今日も元気いっぱいの我が子は可愛いなぁ
今まで会わせてあげられなかった分これからは一緒にたくさん会いに行こうね?



目まぐるしく変わっていく日々。
そのあとすぐに引っ越すことになったりたくさん両親たちが会いにきてくれたり、陽斗の兄弟も来てくれたりなんかして日々が充実してる
定期的に陽斗のお父さんやお母さんから来るお仕事を一緒にやらないかとの連絡には驚かされるけど、俺を好意的に接してくれてるのは素直に嬉しい
そして何より
「ただいまー」
『おかえり。』
「おかーりー!」
陽斗という旦那様と千斗星という可愛い息子と3人で過ごせるこの時間か最高に幸せだ
まだわからないけれどおそらく近いうちにもう1人家族が増えるんじゃないかな?
そうなったらもう幸せが溢れて大変だ





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