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15.隠し事
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『エレン、うたた寝していたら風邪ひくよ。』
はっと我に帰るとシャジャラが覗き込んでいた。ガバッと我に帰る。
「やだ、私どれくらい寝てた!?」
『大丈夫。そんなに時間は経ってないよ。十分くらい。』
うっすら涎が垂れている、と思ってテーブルを拭こうと布巾を探したがまたパタタッと何か水分が机に飛び散った。
『なんで泣いてるの?』
「え?泣いて…え?」
涎ではなくそれは涙のようだった。服の袖で擦り拭いた後、布巾でテーブルを拭いた。
「あれ???なんで??」
『嫌な夢でもみたの?』
「うーん、覚えてない。」
苦しい気持ちが、ごくわずかに心に残っている気もするけど、それ以外はよくわからなかった。
「朝からバタバタしてたからちょっと疲れが出たのかも。顔洗ってくるね。」
そういうとバックヤードに向かった。
一度住居スペースに戻り、洗面所で顔を洗うと鏡で顔を見た。目元がうっすら赤い気がする。気になる程度ではないのでそのまま少し休憩しよう。
そう思ってもなんとなく落ち着かないので、コーヒーを入れたあとにノートを引っ張り出してきた。いつも加護付きのアイテムを作るときに簡単に想像を絵にして具現化していた。とりとめのない落書きをノートに書き込んでいく。
(保温だけに特化したほうがいいのかな?でも調理もできればいいよね。煮込み料理をここに入れておけばできるようにしたいなぁ。保温はいつまでもできる方がいいのかな?でも火を入れ過ぎるとお野菜クタクタになる場合もあるしなぁ…現状維持をしつつ温かさを保つようにできるのかな?)
保温鍋の横に思いついたことをメモしていく。
(喜んでもらえたらいいなぁ。)
できれば喜んでもらいたい。この店のことを知ってほしい。あわよくばご飯をたべにきてほしい。自慢の素敵な店なんです。
見たことのない騎士団さんの笑顔を思い浮かべる。
時刻はすでに夕方に差し掛かっているようだった。窓の外では早めの帰宅をしている人が街道沿いを歩いて帰っているのがチラチラ見えた。
「安心できる、家みたいな場所になれたら、本望だよね。」
そう独り言を落としながら、目の前のノートにメモを増やしていった。あとでみんなに見せながら意見を聞かなければ。
『もういいんじゃないの?』
そう言ったのはシャジャラだった。
この店の中で比較的寡黙な彼には珍しく、エレンが上に行ったあと、彼女の消えたドアを見ながらそっとつぶやいた。
『僕だってそう思ってるのはわかってるでしょ?』
そういうと不満げに瞳の奥が揺れた。みんなわかってて、黙っているのだ。誓約だから仕方ない。本当はそんなのしたくないのはわかっている。シャジャラがそんな質問をしたのは、誰かに許されたいからかもしれない。
『あまり泣くところとかは見たくないよね。』
ビブリアのため息をついていた。
『大好きなのに、後ろめたいわ。』
そんなの、前からだ。
だから、誓約で縛られない程度の手助けはいいでしょう?
そう思いながら窓辺から外を眺める。穏やかな光はそろそろ夕日に変わりそうだ。
『僕だって穏やかに過ごしてほしい、そう思ってるよ。』
何もなければそれなりに穏やかに過ごせるだろう。
でもそれは、君たちの望んでることじゃないことぐらいわかってるつもりだよ。
いつでもエレンは全力投球だ。それが無意識なのかはわからない。エレンには覚えがないはずなのに、大事な所に手が届くところまではたどり着いてしまうのだ。
それを、僕が邪魔をする。
それを知ったとき、エレンはどう思うだろうか。
戻ってきたエレンはノートをかかえていた。目元の赤みはもう引いていて、とっくに昼寝のときのことは意に介していないみたいだった。ビブリアに少しまとまった考えを伝えているみたいだ。今夜もまた加護付きの物を作る。それで力になれるならまあいいか、とも思う。
ただ心配なこともある。
単なる片田舎で、自分のために作るならいい。けれど、騎士団が絡むのが少しよろしくない。普通の魔導具としてカモフラージュしているが、見る人間が見れば普通と違うのは明らかなのだ。
(この店に来ていた中ではそれに気付きそうな人間はいなかった。心配し過ぎ、なだけならいいのだけど。)
できるだけ穏やかに。そう願うだけなのだ。
「レヒト、また手伝ってくれるよね!」
『しょうがないね。少しだけね。』
もしそれを邪魔されるなら、さらに邪魔をするだけだ。
ここを守るって言ってくれたエレンに報いるためにも。
『今日はいつもより少し早い時間だけど、はじめます!』
いつものように意気込むとテーブルの上を見た。木材や金属、魔石に、なにか葉っぱみたいなのもある。…薬草みたいな物?いつもよりもなんだかふわふわ光が多い気がする。今日もよろしくお願いします、と会釈する。
テーブルに腰掛けると、いくらか慣れた様子で目の前に並べられたものを確認する。その間にみんなもテーブルに集まってくる。
リヒトは珍しく肩の上に止まった。
『どうしたの?珍しいね。』
『…気分。』
ふふっと笑うと一度リヒトの頭をなでて前に手を翳した。
ゆっくりと光が集まる。さっきまで想像していたものを頭に鮮明に浮かばせる。
大きさはなるべく大きめで。三時間ぐらいはしっかり保温が聞いて。握るボタンを変えれば調理仕様にもできる。保温と言っても現状維持をする感じで、時間が切れたらゆっくりと熱を逃がす感じだ。素手で触っても熱は感じない。重さも軽減できるといいな。
ゆっくりと光の塊になって、次第に収まっていく。見た目は変な形になってないからきっと大丈夫。
『できた…かな??』
出来上がった大きめの両手鍋を持ってみる。見た感じ以上に軽い。右の持ち手には赤い石、左には青い石がついている。右を触れば保温、左を触ると調理で量できる。左には煮込み用に時間を調整できるメモリがついている。
ふふふっ!できると使いたくなるよね!
でもまだまだだ。同じように20枚ほど深めの加護付きの皿も作るのだ。
『もう少し、よろしくね。』
そう言って先程と同じように、別のテーブルにおいていた材料を作業していたテーブルに並べた。イメージとしては保温に特化してるだけのものだ。できるだけ食べてる最中も熱を逃さず美味しさも変わらないように。持ちやすいように。
光が落ち着くと、同じ形をした銀食器が20枚程できていた。光沢を抑えた銀食器にしか見えない。保温に特化しているからとくにスイッチみたいなものも無い。ただ、保温性に優れている食器だ。
ただ、保温は三時間くらい持つようになっている。しばらくおいておいても安心だ。
冷蔵庫も作ったほうがいいかなとも思ったけど、なんかみんなの疲れが見えた気がしたので
『今日のノルマは達成!また後日冷蔵庫もチャレンジしてみよう!』
と声をかけた。
『いつも手伝ってくれてありがとう、私も頑張るからね。売上上げて、更に過ごしやすい空間にしたいね!』
労いも含めてそう言うと、みんなそれぞれにこやかに笑ったりあたりまえでしょ!なんて言いながら髪の毛をクシャクシャにしたりしてくれた。
はっと我に帰るとシャジャラが覗き込んでいた。ガバッと我に帰る。
「やだ、私どれくらい寝てた!?」
『大丈夫。そんなに時間は経ってないよ。十分くらい。』
うっすら涎が垂れている、と思ってテーブルを拭こうと布巾を探したがまたパタタッと何か水分が机に飛び散った。
『なんで泣いてるの?』
「え?泣いて…え?」
涎ではなくそれは涙のようだった。服の袖で擦り拭いた後、布巾でテーブルを拭いた。
「あれ???なんで??」
『嫌な夢でもみたの?』
「うーん、覚えてない。」
苦しい気持ちが、ごくわずかに心に残っている気もするけど、それ以外はよくわからなかった。
「朝からバタバタしてたからちょっと疲れが出たのかも。顔洗ってくるね。」
そういうとバックヤードに向かった。
一度住居スペースに戻り、洗面所で顔を洗うと鏡で顔を見た。目元がうっすら赤い気がする。気になる程度ではないのでそのまま少し休憩しよう。
そう思ってもなんとなく落ち着かないので、コーヒーを入れたあとにノートを引っ張り出してきた。いつも加護付きのアイテムを作るときに簡単に想像を絵にして具現化していた。とりとめのない落書きをノートに書き込んでいく。
(保温だけに特化したほうがいいのかな?でも調理もできればいいよね。煮込み料理をここに入れておけばできるようにしたいなぁ。保温はいつまでもできる方がいいのかな?でも火を入れ過ぎるとお野菜クタクタになる場合もあるしなぁ…現状維持をしつつ温かさを保つようにできるのかな?)
保温鍋の横に思いついたことをメモしていく。
(喜んでもらえたらいいなぁ。)
できれば喜んでもらいたい。この店のことを知ってほしい。あわよくばご飯をたべにきてほしい。自慢の素敵な店なんです。
見たことのない騎士団さんの笑顔を思い浮かべる。
時刻はすでに夕方に差し掛かっているようだった。窓の外では早めの帰宅をしている人が街道沿いを歩いて帰っているのがチラチラ見えた。
「安心できる、家みたいな場所になれたら、本望だよね。」
そう独り言を落としながら、目の前のノートにメモを増やしていった。あとでみんなに見せながら意見を聞かなければ。
『もういいんじゃないの?』
そう言ったのはシャジャラだった。
この店の中で比較的寡黙な彼には珍しく、エレンが上に行ったあと、彼女の消えたドアを見ながらそっとつぶやいた。
『僕だってそう思ってるのはわかってるでしょ?』
そういうと不満げに瞳の奥が揺れた。みんなわかってて、黙っているのだ。誓約だから仕方ない。本当はそんなのしたくないのはわかっている。シャジャラがそんな質問をしたのは、誰かに許されたいからかもしれない。
『あまり泣くところとかは見たくないよね。』
ビブリアのため息をついていた。
『大好きなのに、後ろめたいわ。』
そんなの、前からだ。
だから、誓約で縛られない程度の手助けはいいでしょう?
そう思いながら窓辺から外を眺める。穏やかな光はそろそろ夕日に変わりそうだ。
『僕だって穏やかに過ごしてほしい、そう思ってるよ。』
何もなければそれなりに穏やかに過ごせるだろう。
でもそれは、君たちの望んでることじゃないことぐらいわかってるつもりだよ。
いつでもエレンは全力投球だ。それが無意識なのかはわからない。エレンには覚えがないはずなのに、大事な所に手が届くところまではたどり着いてしまうのだ。
それを、僕が邪魔をする。
それを知ったとき、エレンはどう思うだろうか。
戻ってきたエレンはノートをかかえていた。目元の赤みはもう引いていて、とっくに昼寝のときのことは意に介していないみたいだった。ビブリアに少しまとまった考えを伝えているみたいだ。今夜もまた加護付きの物を作る。それで力になれるならまあいいか、とも思う。
ただ心配なこともある。
単なる片田舎で、自分のために作るならいい。けれど、騎士団が絡むのが少しよろしくない。普通の魔導具としてカモフラージュしているが、見る人間が見れば普通と違うのは明らかなのだ。
(この店に来ていた中ではそれに気付きそうな人間はいなかった。心配し過ぎ、なだけならいいのだけど。)
できるだけ穏やかに。そう願うだけなのだ。
「レヒト、また手伝ってくれるよね!」
『しょうがないね。少しだけね。』
もしそれを邪魔されるなら、さらに邪魔をするだけだ。
ここを守るって言ってくれたエレンに報いるためにも。
『今日はいつもより少し早い時間だけど、はじめます!』
いつものように意気込むとテーブルの上を見た。木材や金属、魔石に、なにか葉っぱみたいなのもある。…薬草みたいな物?いつもよりもなんだかふわふわ光が多い気がする。今日もよろしくお願いします、と会釈する。
テーブルに腰掛けると、いくらか慣れた様子で目の前に並べられたものを確認する。その間にみんなもテーブルに集まってくる。
リヒトは珍しく肩の上に止まった。
『どうしたの?珍しいね。』
『…気分。』
ふふっと笑うと一度リヒトの頭をなでて前に手を翳した。
ゆっくりと光が集まる。さっきまで想像していたものを頭に鮮明に浮かばせる。
大きさはなるべく大きめで。三時間ぐらいはしっかり保温が聞いて。握るボタンを変えれば調理仕様にもできる。保温と言っても現状維持をする感じで、時間が切れたらゆっくりと熱を逃がす感じだ。素手で触っても熱は感じない。重さも軽減できるといいな。
ゆっくりと光の塊になって、次第に収まっていく。見た目は変な形になってないからきっと大丈夫。
『できた…かな??』
出来上がった大きめの両手鍋を持ってみる。見た感じ以上に軽い。右の持ち手には赤い石、左には青い石がついている。右を触れば保温、左を触ると調理で量できる。左には煮込み用に時間を調整できるメモリがついている。
ふふふっ!できると使いたくなるよね!
でもまだまだだ。同じように20枚ほど深めの加護付きの皿も作るのだ。
『もう少し、よろしくね。』
そう言って先程と同じように、別のテーブルにおいていた材料を作業していたテーブルに並べた。イメージとしては保温に特化してるだけのものだ。できるだけ食べてる最中も熱を逃さず美味しさも変わらないように。持ちやすいように。
光が落ち着くと、同じ形をした銀食器が20枚程できていた。光沢を抑えた銀食器にしか見えない。保温に特化しているからとくにスイッチみたいなものも無い。ただ、保温性に優れている食器だ。
ただ、保温は三時間くらい持つようになっている。しばらくおいておいても安心だ。
冷蔵庫も作ったほうがいいかなとも思ったけど、なんかみんなの疲れが見えた気がしたので
『今日のノルマは達成!また後日冷蔵庫もチャレンジしてみよう!』
と声をかけた。
『いつも手伝ってくれてありがとう、私も頑張るからね。売上上げて、更に過ごしやすい空間にしたいね!』
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