18 / 39
第一章 始まり
18話 お茶会開始
しおりを挟む
奥宮にある庭へ案内されれば、そこには既に招待主である王妃、サレーテヌが待っていた。金髪碧眼でふんわりとした雰囲気を纏ったその姿は三人の子どもがいるようにはとても見えない。
「待っていましたよ、シアリィルド」
スッと座っていた椅子から立つと、そのまままっすぐにシアリィルドの前へと歩いてくる。目の前で止まると、サレーテヌは優しくシアリィルドを抱きしめた。顔をシアリィルドの胸元に当てている様子は、まるで心音を確認しているようにも見える。
「サレーテヌ様?」
「……ジークから話を聞いた時は、心臓が止まるかと思いました。本当に、無事で良かった……目が覚めたと聞くまでは、気が気でありませんでしたから……」
「ご心配をおかけしました。本当に」
ゆっくりとシアリィルドから身体を離したサレーテヌは、見上げるようにシアリィルドの顔を見る。瞳は揺れており、涙が今にも零れ落ちそうだった。だが、シアリィルドが拭うわけにもいかない。困ったように、マナフィールを見ると、肩を竦めるだけだ。
「うふふ、あまり困らせるわけにもいきませんね」
「いえ、その……まぁ……」
「ふふ。マナフィール殿も、わざわざありがとうございますね」
漸くシアリィルドから身を離すと、目元を拭ってから少し下がっていたマナフィールへと声をかけた。今回、マナフィールはシアリィルドの付き添いという立場だ。シアリィルド一人では、万が一何かあった場合に困るだろうということで、兄として付き添っている。シアリィルドほど王家との関りがないマナフィールだが、公爵家嫡男として顔を突き合わすことはあるため、初めて会うわけではない。
「ルリア、ダリアも案内ありがとう。さぁ、シアリィルドもマナフィール殿も座ってください」
「はい」
「……ありがとうございます、王妃殿下」
こうして、異例のお茶会は始まった。
三人が席に着くと同時に、お菓子が運ばれてくる。今回はシアリィルドら男性がいるということで、甘いものだけでなく軽食も用意されていた。注がれる紅茶を口に含むと、香りがふっと広がる。こうしてゆっくりと紅茶を楽しむことが出来るお茶会は、あまり記憶にないことだ。
「お口に合いました?シアリィルドは、これが好きだったでしょう」
「えぇ……覚えていてくださって嬉しいです」
「勿論よ。マナフィール殿もどうですか?」
「とても美味しいです」
「良かったわ」
ずっと笑みを浮かべているサレーテヌを見ていると、シアリィルドはジークランスのことを考えてしまう。そっくりというわけではなくとも、やはり母子であるため面影があるのだ。会おうと思えばできるだろうが、ルトギアスより止められている状態だった。今回は王妃からのものということで渋々承諾した感じだ。シアリィルドを外出させたくないらしい。だから、この機会に会えればいいと思うのだが、今のシアリィルドにジークランスの宮まで移動するのは難しいと言わざるを得ない。
「シアリィルド、どうかしたのかい?」
「……いえ、何でもありません」
「もしかして、ジーク、かしら?」
「っ!?」
考えていることを当てられ、驚きに目を見開く。
「ジークも……同じだもの、わかります」
「……そう、ですか」
「でも大丈夫ですよ。直に来ますから」
「え?」
その時だった。まるでタイミングを計ったように、庭へかけてくる足音が届いた。シアリィルドらが、音がする方向を見れば、汗をかきながらも走っているジークランスの姿がそこにはあった。思わず、シアリィルドはその場に立ち上がる。
「ジーク!」
「シア!!」
その走った勢いのままジークランスはシアリィルドへ抱き着いた。勢いを殺しきれず、そのまま庭へと倒れこんでしまう。
「痛っ……」
「シアリィルドっ!」
「シア、悪いっ!」
背中を打ち、呻き声をあげたシアリィルドに、マナフィールも慌てて立ち上がった。同じく押し付けた形になったジークランスも直ぐにシアリィルドの上から避け、手を掴んだ。促されるようにしてシアリィルドも立ち上がる。
「済まなかった……シア、大丈夫か?」
「あぁ。驚いただけだ」
「ジーク、シアリィルドはまだ体調が万全ではないのです。また寝込んでしまったらどうするのですか? 若い娘ならまだしも、貴方のような人に抱き着かれてはシアリィルドも嬉しくないでしょうに。全く……」
「申し訳、ありません、母上。シアも……悪かった」
悪いのは自分だと認めているので、ジークランスも素直に謝る。しかし、その行動はシアリィルドを案じるものなのだ。責めるはずがない。シアリィルド自身も、会いたいと思っていたところなのだ。任務中だというのに倒れて、公務を切り上げさせてしまった。謝罪をしなければならないのは、シアリィルドの方だ。
「俺は大丈夫だ。ジーク……悪かった。お前の公務中に負傷して、ランドルフ卿にも迷惑をかけてしまった」
「公務のことは気にしなくていい。レッドウルフが出るなんて思わなかった。想定外のことだ。お前の体の方が重要だからな。しかし……その、本当に大丈夫なのか?」
「まぁ、まだ剣を振るうことは出来ない。ここに来るのでやっとだな」
取り繕っても仕方のないことだ。シアリィルドは正直に事実を話す。報告は聞いていたのか、ジークランスは驚くことはなかった。ただ、そうか、というだけで。
「こうして、領地に戻る前に話ができて良かった。お前が気に病んでいたら、休んでいられないから」
「……私もだ。ちゃんと身体を治せ。私は、待っているからな。私だけじゃない。お前の部下たちも、心配している。正直、鬱陶しいほどだ……お前、愛されているな」
「俺が最年少だからじゃないのか?」
「あはは、それもあるかもしれないが……副隊長、あいつには何か伝えておくか? お前をいち早く手当したのはあいつだ。相当、不安にしているはずだからな」
ケイオスのことだ。ちらりとマナフィールを見れば、目を逸らすように明後日の方向をみる。ケイオスを責めたと言っていたのはマナフィールだ。ならば、ちゃんと今の状態の報告もしているかと思ったが、この様子だとしていないらしい。兄の行動に、シアリィルドは呆れていた。
「兄上……ちゃんとケイオスに伝えてください」
「……わかっているよ。近いうちに、話はする」
「……」
「嘘は言わない。仕方ないからね……」
どうにも少し過保護気味な兄に、シアリィルドは心の中で被害者であるケイオスに謝った。あとで、手紙でも書いておこうと思いながら。
「待っていましたよ、シアリィルド」
スッと座っていた椅子から立つと、そのまままっすぐにシアリィルドの前へと歩いてくる。目の前で止まると、サレーテヌは優しくシアリィルドを抱きしめた。顔をシアリィルドの胸元に当てている様子は、まるで心音を確認しているようにも見える。
「サレーテヌ様?」
「……ジークから話を聞いた時は、心臓が止まるかと思いました。本当に、無事で良かった……目が覚めたと聞くまでは、気が気でありませんでしたから……」
「ご心配をおかけしました。本当に」
ゆっくりとシアリィルドから身体を離したサレーテヌは、見上げるようにシアリィルドの顔を見る。瞳は揺れており、涙が今にも零れ落ちそうだった。だが、シアリィルドが拭うわけにもいかない。困ったように、マナフィールを見ると、肩を竦めるだけだ。
「うふふ、あまり困らせるわけにもいきませんね」
「いえ、その……まぁ……」
「ふふ。マナフィール殿も、わざわざありがとうございますね」
漸くシアリィルドから身を離すと、目元を拭ってから少し下がっていたマナフィールへと声をかけた。今回、マナフィールはシアリィルドの付き添いという立場だ。シアリィルド一人では、万が一何かあった場合に困るだろうということで、兄として付き添っている。シアリィルドほど王家との関りがないマナフィールだが、公爵家嫡男として顔を突き合わすことはあるため、初めて会うわけではない。
「ルリア、ダリアも案内ありがとう。さぁ、シアリィルドもマナフィール殿も座ってください」
「はい」
「……ありがとうございます、王妃殿下」
こうして、異例のお茶会は始まった。
三人が席に着くと同時に、お菓子が運ばれてくる。今回はシアリィルドら男性がいるということで、甘いものだけでなく軽食も用意されていた。注がれる紅茶を口に含むと、香りがふっと広がる。こうしてゆっくりと紅茶を楽しむことが出来るお茶会は、あまり記憶にないことだ。
「お口に合いました?シアリィルドは、これが好きだったでしょう」
「えぇ……覚えていてくださって嬉しいです」
「勿論よ。マナフィール殿もどうですか?」
「とても美味しいです」
「良かったわ」
ずっと笑みを浮かべているサレーテヌを見ていると、シアリィルドはジークランスのことを考えてしまう。そっくりというわけではなくとも、やはり母子であるため面影があるのだ。会おうと思えばできるだろうが、ルトギアスより止められている状態だった。今回は王妃からのものということで渋々承諾した感じだ。シアリィルドを外出させたくないらしい。だから、この機会に会えればいいと思うのだが、今のシアリィルドにジークランスの宮まで移動するのは難しいと言わざるを得ない。
「シアリィルド、どうかしたのかい?」
「……いえ、何でもありません」
「もしかして、ジーク、かしら?」
「っ!?」
考えていることを当てられ、驚きに目を見開く。
「ジークも……同じだもの、わかります」
「……そう、ですか」
「でも大丈夫ですよ。直に来ますから」
「え?」
その時だった。まるでタイミングを計ったように、庭へかけてくる足音が届いた。シアリィルドらが、音がする方向を見れば、汗をかきながらも走っているジークランスの姿がそこにはあった。思わず、シアリィルドはその場に立ち上がる。
「ジーク!」
「シア!!」
その走った勢いのままジークランスはシアリィルドへ抱き着いた。勢いを殺しきれず、そのまま庭へと倒れこんでしまう。
「痛っ……」
「シアリィルドっ!」
「シア、悪いっ!」
背中を打ち、呻き声をあげたシアリィルドに、マナフィールも慌てて立ち上がった。同じく押し付けた形になったジークランスも直ぐにシアリィルドの上から避け、手を掴んだ。促されるようにしてシアリィルドも立ち上がる。
「済まなかった……シア、大丈夫か?」
「あぁ。驚いただけだ」
「ジーク、シアリィルドはまだ体調が万全ではないのです。また寝込んでしまったらどうするのですか? 若い娘ならまだしも、貴方のような人に抱き着かれてはシアリィルドも嬉しくないでしょうに。全く……」
「申し訳、ありません、母上。シアも……悪かった」
悪いのは自分だと認めているので、ジークランスも素直に謝る。しかし、その行動はシアリィルドを案じるものなのだ。責めるはずがない。シアリィルド自身も、会いたいと思っていたところなのだ。任務中だというのに倒れて、公務を切り上げさせてしまった。謝罪をしなければならないのは、シアリィルドの方だ。
「俺は大丈夫だ。ジーク……悪かった。お前の公務中に負傷して、ランドルフ卿にも迷惑をかけてしまった」
「公務のことは気にしなくていい。レッドウルフが出るなんて思わなかった。想定外のことだ。お前の体の方が重要だからな。しかし……その、本当に大丈夫なのか?」
「まぁ、まだ剣を振るうことは出来ない。ここに来るのでやっとだな」
取り繕っても仕方のないことだ。シアリィルドは正直に事実を話す。報告は聞いていたのか、ジークランスは驚くことはなかった。ただ、そうか、というだけで。
「こうして、領地に戻る前に話ができて良かった。お前が気に病んでいたら、休んでいられないから」
「……私もだ。ちゃんと身体を治せ。私は、待っているからな。私だけじゃない。お前の部下たちも、心配している。正直、鬱陶しいほどだ……お前、愛されているな」
「俺が最年少だからじゃないのか?」
「あはは、それもあるかもしれないが……副隊長、あいつには何か伝えておくか? お前をいち早く手当したのはあいつだ。相当、不安にしているはずだからな」
ケイオスのことだ。ちらりとマナフィールを見れば、目を逸らすように明後日の方向をみる。ケイオスを責めたと言っていたのはマナフィールだ。ならば、ちゃんと今の状態の報告もしているかと思ったが、この様子だとしていないらしい。兄の行動に、シアリィルドは呆れていた。
「兄上……ちゃんとケイオスに伝えてください」
「……わかっているよ。近いうちに、話はする」
「……」
「嘘は言わない。仕方ないからね……」
どうにも少し過保護気味な兄に、シアリィルドは心の中で被害者であるケイオスに謝った。あとで、手紙でも書いておこうと思いながら。
0
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる