ネット民、異世界を行く

灰猫ベル

文字の大きさ
上 下
12 / 19

荒野

しおりを挟む
 サーシャと荒野を走る。
 バランはサーシャ専用機を牽引して走行している。

 本来は別用途のためだったが、コックピットを複座式に換装したことで二人のりが可能となっていた。

 運転を交互に代わりながら都を目指す。

 少しでも体を休めるため運転を担当しない間は仮眠をとる。







 夜になった。



 サーシャが組成魔法でテントを作る。
 魔導士の組成したテントは豪奢なものだったが、今夜の寝床は体力温存のための最低限の作りだ。


 敵がまだどこかに潜んでいる可能性もあり、居場所を知られるとまずいので火は焚けない。

 荒野の夜は寒い。火を焚けないと凍えるほどに寒かった。

 寒さを凌ぐように、俺達は寄り添って寝床についた。



 若い男女が床を同じくすると「そういう展開」になる。

 どんなに疲れていても体は正直だ。

 ましてやサーシャはまれに見る豊満な体を持っている。俺の理性が勝てるはずはなかった。


 手がまるで意思を持っているかのようにサーシャの胸に延び、その大きな塊を揉みしだく。
 サーシャは嫌がる素振りを見せない。

 行為はエスカレートする。
 俺の手はサーシャのあらゆる部分、高い山、深い谷に触れ、探りを入れた。


 サーシャは無言だったが、その体は火照り始めていた。
 体温は上昇し、突き出した部分は固くなり、豊かな茂みは熱い泉と化して溢れだしていた。


 堪らなくなった俺はサーシャに覆い被さり、彼女の足の間に下半身を滑り込ませた。



 すると、それまで無言だったサーシャが口を開いた。





「私を抱くのですか?」





 俺は答えることなくサーシャを抱いた。
 彼女のそれはアルデとはまた違う具合だった。
 鍛えられた体が生み出す強い締め付けに俺は果てた。



 サーシャはなにも言わなかった。
 ただ、行為のあと涙を流していたが、その理由は判らなかった。






 翌日、俺達は都に着いた。


 都は焼け野原になっていた。
しおりを挟む

処理中です...