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老夫婦の日常編
3.王女と英雄
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川から戻ったおばあさんは、水辺で冷えてしまった体を温めるため風呂を沸かし、のんびりと湯につかることにしました。なんといっても壮絶な戦いの後ですから、心身ともに癒したくなったのも当然でしょう。
おばあさんが湯につかっている間におじいさんが山から帰ってきました。帰り際にキジを仕留めてきたので今晩は豪勢にキジ鍋ということになりそうです。
おじいさんがキジを持って炊事場へ行くと、そこには桃が一つ置いてありました。山から帰ってきたばかりでのども乾いていたため、そのおいしそうな桃をいただくことにしました。きっとおばあさんがどこかで手に入れたものだろう。勝手に食べてしまったら怒られるかもしれないと思いましたが、おじいさんもキジを仕留めてきて久しぶりに豪華な夕餉です。桃の一つくらいいいだろうと考え食べてしまうことにしました。
その桃はとても甘くとても瑞々しく、そして一口食べるごとに力がみなぎってきます。なんと不思議な桃なのだろうと目を丸くしながら一口、また一口と夢中で頬張りました。本当はおばあさんの分として半分残しておくつもりだったのですが、あまりのおいしさに全部食べてしまい、残ったのは種だけでした。
「これはばあさんにどやされてしまいそうだの。機嫌が悪くならんうちにキジ鍋を作り始めるとするか」
おじいさんは、まず羽をむしろうとキジを手に取りました。するとなにやらおかしなことに気が付きました。
「この獲物、こんなに大きかったか? いやいやそれよりワシの手…… こりゃなんじゃ? まさか若返っておるのか!?」
キジを持つ手は本来しわしわの老人の手のはずです。しかし今目の前にある自分の手はまるで若者の、いや、少年のように肉付きも良く、つややかで血色のよいきれいな手です。おじいさんは驚きのあまり思わずキジを手から落としてしまいました。
「まさか…… さっき食った桃のせいなのか? これは大変なことをしてしまった。
きっとばあさんがどこからか手に入れてきたまじないのかかった桃だったに違いない。ヤツのことだ、ワシを許すことはないだろうて」
世界を救った英雄であるおじいさんと、王女だったおばあさんは、決して仲の良い夫婦だったわけではありません。たかが、桃を一人で食べてしまっただけですが、おじいさんは昔を思い出してしまいました。
今まで六十年ほど連れ添ってきましたが、それは魔竜による厄災で起こった王国の大混乱を収めるためにそうせざるを得なかったこと、そう、成り行きによるものでした。
◇◇◇
この世界では、王族の女性は代々魔術を使える血統です。良くも悪くもその力は絶大であり、先代の女王はその力を使って周囲の国々から国土を守り、また、国力を保つために民を押さえつけていました。その娘であるおばあさんも強大な魔術師だったのです。
しかし王族の魔術は火炎や雷鳴、呪いといった、誰かを傷つける呪文が殆どです。王女がその力を使って再び民を脅かし、従え、王国の復活を目論んでいることは明白でした。そのためおじいさんは、国を救った英雄として王女をめとり、力ではなく慈愛を以って国を治めるような方向へ導こうとしました。
夫婦になってからの王女が魔術を使うことはほとんどありませんでした。魔竜の襲来によって周辺の国はほとんど滅んでしまったこと。そもそも王国も滅び少数の民が細々と生きている程度となってしまったからです。
過去に何度も繰り返されてきた、国同士の諍いも、魔獣と呼ばれる大型の獣の襲来もないとなれば、必要とされるのは食料を確保する力や、住居を作る技術と言ったものとなります。王女の魔術は壊すことは得意でも生み出すことには向いていなかったのです。
そのため民は王族を必要とせず、敬愛もせず、屈服することもありません。したがって日々食べるものにも困ってしまうありさまです。さすがにそれでは二人とも飢え死にしてしまうので、おじいさんは近隣の民と協力し井戸を掘り、荒れ地を耕し、穀物を植え、家を建て、と必死で働きました。
その甲斐あってか、元王国城下の地には散らばっていた民が集まり始め、今では小さな村落と呼べるくらいになりました。まだまだ貧しく贅沢はできませんが、それでも日々食べることには困りません。魔竜から世界を救った英雄は、国土の再興でもまた英雄となりました。
それではその間王女は何をしていたのか。魔術には長けているものの肉体的な力には乏しく、王族として育ったために泥にまみれて畑仕事をしたり、汗をかいて荷を運ぶことなと出来やしません。そのため、食べるも着るもの住むところ等、必要な物すべてはまだ若かったおじいさんが用意し、自分は用意されたものをただただ消費し生きてきました。
かといって生きる目標が何もなかったわけではありません。王女は王国の復活を夢見ている、おじいさんはそう思っていました。
なぜなら王女がたまに出かける先は決まって城跡だったからです。豪華絢爛を誇った王城はいまやがれきの山となっており、その下敷きになってしまった財宝の数々は荒くれ者となってしまった少数の民によって略奪されています。それでも王女は城跡へ通いなにかを探している様子です。
その探し物がなにかわかったのは随分時が経ってからでした。ある時王女は何冊かの本を持って帰ってきたのです。その頃にはもうあれほど美しかった王族の娘ではなく、欲望野望を内に秘め、瞳をぎらつかせた魔女のようになっていました。
それからは毎日朝から晩まで本を読みふけり、時折川へ出かけていくという日々を送るようになりました。おじいさんはこの世界の文字が読めないため、その本に何が書いてあるのかはわかりません。しかし、日々変わっていく王女の姿を見るにつけ、あまりまともなものではないだろうと考えていました。
さらに年月が過ぎたころ、王女に異変が起こりました。たわわに実った麦畑のようにきらめいていた黄金の髪、熟した果実のようにはち切れそうで魅力的な体つき、白い頬にはうっすらと紅色が差し、くすんでいた瞳は嘘のように輝きを取り戻しおじいさんを見つめるのです。
今まで掃除なんてしたことがなかったのに、家の中はきれいに整えられ、まだ夕方だと言うのに部屋には布団が敷かれていました。
「こんな早くから布団を敷いて、どこか具合でも悪いのかい? もしそうなら夕餉にはなにか消化のいいものを作るとしよう」
明らかに健康そうな王女へ向かって言うことではありませんが、おじいさんはなにか嫌な予感がしてその場を取り繕うための策を練りました。しかし王女はなにも動じず甘い声で語りかけてきます。
「いいえ、私の大切な勇者様。私わかったのです、今まで自分がどれだけわがままでひどい女だったかということを。これからは心を入れ替えて貴方様へ尽くしてまいります」
「どうしたんだ突然。俺は今までの生活に何の不安もない。無理をすることはないのだよ?」
「いいえ、なりませぬ。あの大厄災も、そしてそれから今までも、大変お世話になってきました。こんなにも勇敢でお優しいお方に対し、数々の非礼を働いていましたこと、どうかお許しください」
王女の様子と部屋に敷かれた布団から、王女が何を求めているのかは想像がつきます。しかしいったいどうしてしまったのだろうか、おじいさんには理由がさっぱりわかりません。もしかしたら、城跡から掘り出してきたあの本が、何かしらの切っ掛けや知識を与えたのかもしれないと考えました。
もし王女の狙いがよからぬことであったなら、その考えを知っておく必要があると考えたおじいさんは王女へ尋ねました。
「許すも許さないもない。我々は夫婦なのだよ? 出来る者が出来ることをやり、支え合い生きていけばいいのだから気にすることではない。それよりもなにか望みがあるのなら遠慮なく申しておくれ。俺に出来ることはそう多くないが、手にはいる物であれば努力はしよう」
城跡でみつけたような書物か、それとも過去に来ていたようなドレスの類か、それとも宴が懐かしいのか、そんなことならいくらでも聞いてやりたいと思い、王女が口を開くのを待ちました。
「こんな怠け者でくだらない女を妻とおっしゃって下さるのですね。勇者様、私嬉しくて涙をこらえきれません」
王女はそう言うと大粒の涙をぼろぼろとこぼしながらも声を殺して泣き始めました。それを見たおじいさんもこの時はまだ若く、心を乱される思いです。なんとこれがあの傲慢我儘贅沢怠惰な王女なのか、と。
続いて王女がやや小さめの声で言葉を発しました。
「夫婦と言ってくださって、本当に私は恵まれていることを再認識でき幸せの限りです。その貴方様の言葉に甘えお願いがございます…… ぜひ私に…… 私たちに……」
「何が言いたい? 言いたいことははっきりと言わないとわからないぞ。先ほども申したが、俺に出来ることなら承ろう」
わからないと言ってはみたものの、王女の言葉の濁し方や態度、部屋の雰囲気から考えられることはそれほど多くありません。おそらくはおじいさんの予想通りに違いない、そう思いつつもやはり心構えは必要です。おじいさんは王女へ向かってあえて強い言葉をかけました。
「はい…… それは…… 私たちに子を…… このまま二人で老いていくのではなく、夫婦の幸せのためにも子を宿してくださいませ!」
出来ることならすると言っていた手前断ることは難しい。しかし王女の真意がわからないため、おじいさんは困惑してしまいました。それならなぜもっと若い頃に言いださなかったのだろうか。今や二人とも中年にさしかかろうという年齢で、子作りなぞできるのだろうか、と。
「そなたの望みはわかった。しかしお互いもういい歳だ。子を宿すことがかなうとは限らん、そこは承知してくれよ?」
「はい、ありがとうございます。床の用意は済んでおりますので、さっそくこちらへいらしてください」
かつての輝きを取り戻した王女にはとてもあらがえず、おじいさん、いやまだ若かりし勇者は、嫌な予感が頭をよぎりつつも手を引かれるままに床へ向かったのでした。
王女の口元に怪しげな笑みが浮かんだことにも気づかずに。
おばあさんが湯につかっている間におじいさんが山から帰ってきました。帰り際にキジを仕留めてきたので今晩は豪勢にキジ鍋ということになりそうです。
おじいさんがキジを持って炊事場へ行くと、そこには桃が一つ置いてありました。山から帰ってきたばかりでのども乾いていたため、そのおいしそうな桃をいただくことにしました。きっとおばあさんがどこかで手に入れたものだろう。勝手に食べてしまったら怒られるかもしれないと思いましたが、おじいさんもキジを仕留めてきて久しぶりに豪華な夕餉です。桃の一つくらいいいだろうと考え食べてしまうことにしました。
その桃はとても甘くとても瑞々しく、そして一口食べるごとに力がみなぎってきます。なんと不思議な桃なのだろうと目を丸くしながら一口、また一口と夢中で頬張りました。本当はおばあさんの分として半分残しておくつもりだったのですが、あまりのおいしさに全部食べてしまい、残ったのは種だけでした。
「これはばあさんにどやされてしまいそうだの。機嫌が悪くならんうちにキジ鍋を作り始めるとするか」
おじいさんは、まず羽をむしろうとキジを手に取りました。するとなにやらおかしなことに気が付きました。
「この獲物、こんなに大きかったか? いやいやそれよりワシの手…… こりゃなんじゃ? まさか若返っておるのか!?」
キジを持つ手は本来しわしわの老人の手のはずです。しかし今目の前にある自分の手はまるで若者の、いや、少年のように肉付きも良く、つややかで血色のよいきれいな手です。おじいさんは驚きのあまり思わずキジを手から落としてしまいました。
「まさか…… さっき食った桃のせいなのか? これは大変なことをしてしまった。
きっとばあさんがどこからか手に入れてきたまじないのかかった桃だったに違いない。ヤツのことだ、ワシを許すことはないだろうて」
世界を救った英雄であるおじいさんと、王女だったおばあさんは、決して仲の良い夫婦だったわけではありません。たかが、桃を一人で食べてしまっただけですが、おじいさんは昔を思い出してしまいました。
今まで六十年ほど連れ添ってきましたが、それは魔竜による厄災で起こった王国の大混乱を収めるためにそうせざるを得なかったこと、そう、成り行きによるものでした。
◇◇◇
この世界では、王族の女性は代々魔術を使える血統です。良くも悪くもその力は絶大であり、先代の女王はその力を使って周囲の国々から国土を守り、また、国力を保つために民を押さえつけていました。その娘であるおばあさんも強大な魔術師だったのです。
しかし王族の魔術は火炎や雷鳴、呪いといった、誰かを傷つける呪文が殆どです。王女がその力を使って再び民を脅かし、従え、王国の復活を目論んでいることは明白でした。そのためおじいさんは、国を救った英雄として王女をめとり、力ではなく慈愛を以って国を治めるような方向へ導こうとしました。
夫婦になってからの王女が魔術を使うことはほとんどありませんでした。魔竜の襲来によって周辺の国はほとんど滅んでしまったこと。そもそも王国も滅び少数の民が細々と生きている程度となってしまったからです。
過去に何度も繰り返されてきた、国同士の諍いも、魔獣と呼ばれる大型の獣の襲来もないとなれば、必要とされるのは食料を確保する力や、住居を作る技術と言ったものとなります。王女の魔術は壊すことは得意でも生み出すことには向いていなかったのです。
そのため民は王族を必要とせず、敬愛もせず、屈服することもありません。したがって日々食べるものにも困ってしまうありさまです。さすがにそれでは二人とも飢え死にしてしまうので、おじいさんは近隣の民と協力し井戸を掘り、荒れ地を耕し、穀物を植え、家を建て、と必死で働きました。
その甲斐あってか、元王国城下の地には散らばっていた民が集まり始め、今では小さな村落と呼べるくらいになりました。まだまだ貧しく贅沢はできませんが、それでも日々食べることには困りません。魔竜から世界を救った英雄は、国土の再興でもまた英雄となりました。
それではその間王女は何をしていたのか。魔術には長けているものの肉体的な力には乏しく、王族として育ったために泥にまみれて畑仕事をしたり、汗をかいて荷を運ぶことなと出来やしません。そのため、食べるも着るもの住むところ等、必要な物すべてはまだ若かったおじいさんが用意し、自分は用意されたものをただただ消費し生きてきました。
かといって生きる目標が何もなかったわけではありません。王女は王国の復活を夢見ている、おじいさんはそう思っていました。
なぜなら王女がたまに出かける先は決まって城跡だったからです。豪華絢爛を誇った王城はいまやがれきの山となっており、その下敷きになってしまった財宝の数々は荒くれ者となってしまった少数の民によって略奪されています。それでも王女は城跡へ通いなにかを探している様子です。
その探し物がなにかわかったのは随分時が経ってからでした。ある時王女は何冊かの本を持って帰ってきたのです。その頃にはもうあれほど美しかった王族の娘ではなく、欲望野望を内に秘め、瞳をぎらつかせた魔女のようになっていました。
それからは毎日朝から晩まで本を読みふけり、時折川へ出かけていくという日々を送るようになりました。おじいさんはこの世界の文字が読めないため、その本に何が書いてあるのかはわかりません。しかし、日々変わっていく王女の姿を見るにつけ、あまりまともなものではないだろうと考えていました。
さらに年月が過ぎたころ、王女に異変が起こりました。たわわに実った麦畑のようにきらめいていた黄金の髪、熟した果実のようにはち切れそうで魅力的な体つき、白い頬にはうっすらと紅色が差し、くすんでいた瞳は嘘のように輝きを取り戻しおじいさんを見つめるのです。
今まで掃除なんてしたことがなかったのに、家の中はきれいに整えられ、まだ夕方だと言うのに部屋には布団が敷かれていました。
「こんな早くから布団を敷いて、どこか具合でも悪いのかい? もしそうなら夕餉にはなにか消化のいいものを作るとしよう」
明らかに健康そうな王女へ向かって言うことではありませんが、おじいさんはなにか嫌な予感がしてその場を取り繕うための策を練りました。しかし王女はなにも動じず甘い声で語りかけてきます。
「いいえ、私の大切な勇者様。私わかったのです、今まで自分がどれだけわがままでひどい女だったかということを。これからは心を入れ替えて貴方様へ尽くしてまいります」
「どうしたんだ突然。俺は今までの生活に何の不安もない。無理をすることはないのだよ?」
「いいえ、なりませぬ。あの大厄災も、そしてそれから今までも、大変お世話になってきました。こんなにも勇敢でお優しいお方に対し、数々の非礼を働いていましたこと、どうかお許しください」
王女の様子と部屋に敷かれた布団から、王女が何を求めているのかは想像がつきます。しかしいったいどうしてしまったのだろうか、おじいさんには理由がさっぱりわかりません。もしかしたら、城跡から掘り出してきたあの本が、何かしらの切っ掛けや知識を与えたのかもしれないと考えました。
もし王女の狙いがよからぬことであったなら、その考えを知っておく必要があると考えたおじいさんは王女へ尋ねました。
「許すも許さないもない。我々は夫婦なのだよ? 出来る者が出来ることをやり、支え合い生きていけばいいのだから気にすることではない。それよりもなにか望みがあるのなら遠慮なく申しておくれ。俺に出来ることはそう多くないが、手にはいる物であれば努力はしよう」
城跡でみつけたような書物か、それとも過去に来ていたようなドレスの類か、それとも宴が懐かしいのか、そんなことならいくらでも聞いてやりたいと思い、王女が口を開くのを待ちました。
「こんな怠け者でくだらない女を妻とおっしゃって下さるのですね。勇者様、私嬉しくて涙をこらえきれません」
王女はそう言うと大粒の涙をぼろぼろとこぼしながらも声を殺して泣き始めました。それを見たおじいさんもこの時はまだ若く、心を乱される思いです。なんとこれがあの傲慢我儘贅沢怠惰な王女なのか、と。
続いて王女がやや小さめの声で言葉を発しました。
「夫婦と言ってくださって、本当に私は恵まれていることを再認識でき幸せの限りです。その貴方様の言葉に甘えお願いがございます…… ぜひ私に…… 私たちに……」
「何が言いたい? 言いたいことははっきりと言わないとわからないぞ。先ほども申したが、俺に出来ることなら承ろう」
わからないと言ってはみたものの、王女の言葉の濁し方や態度、部屋の雰囲気から考えられることはそれほど多くありません。おそらくはおじいさんの予想通りに違いない、そう思いつつもやはり心構えは必要です。おじいさんは王女へ向かってあえて強い言葉をかけました。
「はい…… それは…… 私たちに子を…… このまま二人で老いていくのではなく、夫婦の幸せのためにも子を宿してくださいませ!」
出来ることならすると言っていた手前断ることは難しい。しかし王女の真意がわからないため、おじいさんは困惑してしまいました。それならなぜもっと若い頃に言いださなかったのだろうか。今や二人とも中年にさしかかろうという年齢で、子作りなぞできるのだろうか、と。
「そなたの望みはわかった。しかしお互いもういい歳だ。子を宿すことがかなうとは限らん、そこは承知してくれよ?」
「はい、ありがとうございます。床の用意は済んでおりますので、さっそくこちらへいらしてください」
かつての輝きを取り戻した王女にはとてもあらがえず、おじいさん、いやまだ若かりし勇者は、嫌な予感が頭をよぎりつつも手を引かれるままに床へ向かったのでした。
王女の口元に怪しげな笑みが浮かんだことにも気づかずに。
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