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第四章:魔界門を破壊せよ
32.攻略の可能性
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おおよそのことがわかったシンデレラは、夕方になる前にできる限りのことをしようと準備を始めていた。
「姫様、これでもう運べそうな丸太は全てです。あとは大き目の岩や使い物にならなくなった鎧兜もありますが……」
「皆さんお疲れ様でした。これで十分かどうかはわかりませんが、これからできる限りのことを試してみましょう。ですが防具の類は弔いに使いますのですべて陣へと引き上げてください。使用者が特定できるようであればそれを記録するようにお願いいたします」
とにかくあたりからゴミとして廃棄できそうなものをひたすらかき集めた。そのほとんどはシンデレラがバリスタより発射した丸太の残骸だが、中には防御用に積み上げていた岩もあるし、地面に埋まっているものを掘り起こして準備している。
『現代日本なら、ゴミなんてそれこそ捨てる場所があふれるほどだったのに。まったく何ごともままならないものだ。これでどのくらいの効果があるのかわからないが、まずは試してみるしかない』
灰賀が頭の中でつぶやくと、同時にシンデレラが決意を固めるように言葉を繋げていった。
『もしかしたらこれが最初で最後の機会かもしれません。これから試す行動に全く意味がなく、出てきた悪魔が堕天使をはるかに超える強敵だったなら、王国は終わりかもしれませんね。せめて殿下にもう一度……』
そこまで思い浮かべたところで彼女は頭を振った。ここには愛する者のために身を投げ出し、死を覚悟して戦いに赴いてきている者たちばかりなのだ。皆を率いている自分がそんな幸せを願うなんて許されない。
今考えるべきことは一つ。わずかな可能性に賭けて生きて帰る。それだけが王国を、部隊を、騎士団を救い、王子と自分の身を救うことになるのだから。
シンデレラが先ほどまでいくつか試し判明したことがあった。それは魔界門の本質へ迫る第一歩である。実際にどうなるかはやってみなければわからないが、何もしないで待っているよりはよほどマシだと立ち上がった。
そもそも魔界門とは、どこだかわからないが魔界と呼んでいる世界から、こちらの世界へ悪魔を送り込んでくる境界だと考えられてきた。そしてこちらで捕えた女性を連れて行ってしまう場所でもある。
すなわち決して一方通行ではない。かといって飛び込んでしまえば万事解決となるはずもなく、それではただ悪魔どもの餌食になるだけだろう。特にシンデレラのような女性ではひとたまりもない。
だが一方通行ではないと気付き観察して判明したことがあるのだ。それはこちらの世界から物を通過させたとき、魔界門自体にわずかなダメージがあることだった。シンデレラが発見した黒い輝きは、どうやら門が自己修復している様子と推察される。
なぜもっと前からよく観察しておかなかったのかと後悔しても遅いが、これから少しでも取り返せばいいと考えるしかない。シンデレラは、自分たちにできることは後悔することではなく、弔いのためにも勝利をつかみ取ることだと考えていた。
とはいってもその方法はまだ不確定であるのだが、実は魔界門が形成されていく際に観測されていた大気のゆらぎは今も続いていた。門へ異物を投げ込むことで起きる黒い輝き、それと同時に揺らぎが門へと引き寄せられていく。
もしかすると、悪魔が出てくる際にも同じ現象が起きているのかもしれないが、今は確認のために出現を待つ余裕はない。そんなせっぱつまっ状況と言うこともあり、推測だろうが可能性がゼロでないことは試そうと話し合ったのだった。
魔界門はこちらの世界のなんらかのエネルギーを基に、長い年月をかけて形成されることはほぼ間違いない。その現象はだんだん弱まるにせよ、悪魔がやってくる際にそのエネルギーを消費しているのではないかと考えたのだ。
悪魔の種類が代わっていく理由はさっぱりわからないが、それは向こうの都合なのでシンデレラたちの知ったことではない。問題は魔界門の崩壊を待っていられる状況ではないと言うことである。
陽が大分傾いてきてもう時間があまりなさそうだ。それぞれが所定の位置についたところでシンデレラは鬨の声を上げた。
「それでは準備はよろしいですね! はじめましょう! えいえいおおー!」
「「えいえいおおー!」」
こうして全員はいっせいに瓦礫の山へと群がり、手に持ったゴミを魔界門の中へと投げ入れはじめたのだった。
「姫様、これでもう運べそうな丸太は全てです。あとは大き目の岩や使い物にならなくなった鎧兜もありますが……」
「皆さんお疲れ様でした。これで十分かどうかはわかりませんが、これからできる限りのことを試してみましょう。ですが防具の類は弔いに使いますのですべて陣へと引き上げてください。使用者が特定できるようであればそれを記録するようにお願いいたします」
とにかくあたりからゴミとして廃棄できそうなものをひたすらかき集めた。そのほとんどはシンデレラがバリスタより発射した丸太の残骸だが、中には防御用に積み上げていた岩もあるし、地面に埋まっているものを掘り起こして準備している。
『現代日本なら、ゴミなんてそれこそ捨てる場所があふれるほどだったのに。まったく何ごともままならないものだ。これでどのくらいの効果があるのかわからないが、まずは試してみるしかない』
灰賀が頭の中でつぶやくと、同時にシンデレラが決意を固めるように言葉を繋げていった。
『もしかしたらこれが最初で最後の機会かもしれません。これから試す行動に全く意味がなく、出てきた悪魔が堕天使をはるかに超える強敵だったなら、王国は終わりかもしれませんね。せめて殿下にもう一度……』
そこまで思い浮かべたところで彼女は頭を振った。ここには愛する者のために身を投げ出し、死を覚悟して戦いに赴いてきている者たちばかりなのだ。皆を率いている自分がそんな幸せを願うなんて許されない。
今考えるべきことは一つ。わずかな可能性に賭けて生きて帰る。それだけが王国を、部隊を、騎士団を救い、王子と自分の身を救うことになるのだから。
シンデレラが先ほどまでいくつか試し判明したことがあった。それは魔界門の本質へ迫る第一歩である。実際にどうなるかはやってみなければわからないが、何もしないで待っているよりはよほどマシだと立ち上がった。
そもそも魔界門とは、どこだかわからないが魔界と呼んでいる世界から、こちらの世界へ悪魔を送り込んでくる境界だと考えられてきた。そしてこちらで捕えた女性を連れて行ってしまう場所でもある。
すなわち決して一方通行ではない。かといって飛び込んでしまえば万事解決となるはずもなく、それではただ悪魔どもの餌食になるだけだろう。特にシンデレラのような女性ではひとたまりもない。
だが一方通行ではないと気付き観察して判明したことがあるのだ。それはこちらの世界から物を通過させたとき、魔界門自体にわずかなダメージがあることだった。シンデレラが発見した黒い輝きは、どうやら門が自己修復している様子と推察される。
なぜもっと前からよく観察しておかなかったのかと後悔しても遅いが、これから少しでも取り返せばいいと考えるしかない。シンデレラは、自分たちにできることは後悔することではなく、弔いのためにも勝利をつかみ取ることだと考えていた。
とはいってもその方法はまだ不確定であるのだが、実は魔界門が形成されていく際に観測されていた大気のゆらぎは今も続いていた。門へ異物を投げ込むことで起きる黒い輝き、それと同時に揺らぎが門へと引き寄せられていく。
もしかすると、悪魔が出てくる際にも同じ現象が起きているのかもしれないが、今は確認のために出現を待つ余裕はない。そんなせっぱつまっ状況と言うこともあり、推測だろうが可能性がゼロでないことは試そうと話し合ったのだった。
魔界門はこちらの世界のなんらかのエネルギーを基に、長い年月をかけて形成されることはほぼ間違いない。その現象はだんだん弱まるにせよ、悪魔がやってくる際にそのエネルギーを消費しているのではないかと考えたのだ。
悪魔の種類が代わっていく理由はさっぱりわからないが、それは向こうの都合なのでシンデレラたちの知ったことではない。問題は魔界門の崩壊を待っていられる状況ではないと言うことである。
陽が大分傾いてきてもう時間があまりなさそうだ。それぞれが所定の位置についたところでシンデレラは鬨の声を上げた。
「それでは準備はよろしいですね! はじめましょう! えいえいおおー!」
「「えいえいおおー!」」
こうして全員はいっせいに瓦礫の山へと群がり、手に持ったゴミを魔界門の中へと投げ入れはじめたのだった。
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