僕が一目惚れした美少女転校生はもしかしてサキュバスじゃないのか!?

釈 余白(しやく)

文字の大きさ
119 / 158

ふたりきりの留守番

しおりを挟む
 お腹が痛い。これほどまでの強い痛みは久しぶりだと感じる。

「いくらなんでも少し食べ過ぎたのではないかしら?
 作った甲斐があって嬉しいけれどね」

「そうだね…… 見た目以上にボリュームがあったよ。
 それにとてもうまかったから箸が止まらなくてさ。
 醜態をさらして恥ずかしいとは思うけど、ちょっと幸せな気分かな」

 今僕は、咲の膝に頭を乗せて食休みをしているところだった。咲が作ってきてくれた料理は相変わらずうまくてついつい食べ過ぎてしまった。それに、二人きりだということもあって気持ちが高ぶったせいもあるかもしれない。

「それにしてもキミは本当に良く食べるわよね。
 なのにこんなに引き締まって魅力的な身体を保っているなんてすばらしいわ」

 咲はそう言いながらTシャツの上から体をさすってくる。その手のひらの感触と褒め言葉の両方がくすぐったくはあったが、日々の鍛練を褒められていることはとても嬉しかった。

「普段の運動量がそれなりに多いからね。
 うちの部は少数精鋭だから伝統的に練習も厳しいのさ。
 それにしてもそんなにさすっていられたらくすぐったいよ」

「うふふ、こういうのいやかしら?」

「いや、そういうわけじゃないけど…… でもさ……」

 僕が最後までしゃべり終えないうちに、咲のその細くて白い指で口をふさがれてしまった。そのまま頬へと移動した温かい手は、やさしく僕の首元へと向けられ、絡みつくように頭を持ち上げてくる。

 咲の家と違ってここには洒落たソファなんてものは無いから、狭くて不安定なダイニングチェアの上では自由がきかない。案の定僕はテーブルの裏側に頭をぶつけてしまった。

「あら、ごめんなさい、痛かった?」

 咲はそう言って頭を撫でてくれる。軽くぶつけただけなので痛いなんてことはなく、むしろ撫でられていることの心地よさでどうにかなりそうだ。

「まだ苦しいかしら?
 カフェ・オレでも飲んでから少し横になる?」

「そうだね、それがいいかも。
 それなら僕がコーヒー沸かすよ」

「ありがとう、私は少し後片付けするわね。
 このままにしておいたらカオリが帰ってきてから大変だもの」

 僕はうんうんと頷きながら立ち上がってコーヒーを入れる準備をし、咲は汚れた食器を手際よくシンクへ運んで洗い物を始めた。

 少しするとコーヒーメーカーからコポコポといつもの音がし始めて、台所にはコーヒーのいい香りが立ち込めてくる。僕はマグを二つ並べて冷蔵庫から牛乳を取り出した。

 コーヒーが入るまでのわずかな間に洗い物を終えた咲は僕のすぐ横に並び、出来上がりを待っているだけでボーっとしている隙だらけの呆けた頭に手を回してきた。洗い物をしたばかりのせいか少しひんやりとしている。

 そこそこの身長差があるので、突っ立ったままでは咲の求めに応じるのは難しい。僕は頭の高さを咲きに合わせた。

 そこには見慣れた咲の顔、上唇よりも厚めでプルンとした下唇はとても柔らかいことも知っている。そのまま唇をあわせ、お互いを確かめあうように何度も離れ何度も重ねあうようにキスをした。

 早くなる鼓動と熱くなる体に合わせるよう、水の無くなりかけたコーヒーメーカーの音が激しくなる。一度も乗ったことは無いけどまるで汽車のようだ。

 コーヒーの香りよりも強く感じられる咲の芳香が僕に絡みつき、唇の感触と共に僕の全身を包みこんでいく。

「そろそろ横になりたくなってきた?
 練習疲れと食べ過ぎで辛いでしょ?」

「ま、まあね、確かにちょっと疲れてるかもしれないな」

 本当はキスをしてていることが心地よ過ぎて立っているのが辛くなってきた、なんて恥ずかしくてとても言えない。

 そっと離れていく咲を寂しく感じながらも、コーヒーメーカーのスイッチを切ってマグにコーヒーを注いだ。そこへ咲が牛乳を加えてカフェ・オレの完成である。

 二人でそれぞれ自分の分を手に取った後、階段を上って僕の部屋へ向かう。出会って間もない頃は二人気にり鳴るたびに罪悪感と言うか背徳感を覚えていたものだが、今や昂揚感しか感じないのは慣れてしまっただけなのか、それとも父さんがよく言う男としての成長なのか……

 部屋に入ってからベッドの上に並んで座り、カフェ・オレを少し飲んでからまたキスをした。咲は僕の手からマグを取り上げて自分の物と一緒に机の上に避難させると、僕へのしかかり唇に吸い付いてくる。

「ちゅぷ…… ちゃっ…… ん、んん……」

 キスをしているのだから距離が近いのは当然だけど、息継ぎのように繰り返えし吐き出される吐息が、まるでぼくの周囲に貯まっていき包んでいくような感覚だ。

 口の中に絡められる咲の下は熱くて柔らかい。どちらの物かわからない唾液が口元から枕の上に垂れていくのがわかった。もう何が何だかわからない夢心地で、頭の中には咲のことばかりが浮かんでくる。

「明日はなんの予定もないんでしょう?
 じゃあ好きにしてしまって良さそうね、うふふ」

「それは…… ちょっと…… どういう……」

「いいから、大丈夫よ、全部任せてちょうだい。
 目をつぶって落ち着いて、頭の中に浮かんだものを受け入れるだけでいいの。
 そう、いつものようにね」

「い…… つも…… うん……」

 いつのまにか上は脱がされていて、咲の手はぼくの身体あちこちを這いまわっている。それは何とも言えない気持ちよさで頭がどうにかなりそうだ。

 僕の唇と重なっていたはずの咲は、そこから少し離れて首元や鎖骨の辺りに止まったり離れたりを繰り返していた。片手は僕の背中に回っており優しく引き寄せられている。もう片方は僕の手と握り合っていた。

 それはまるでダンスをしているような格好だが、よく考えるとそのポーズは男女逆のような気もする。だがそれは些細な問題というか問題と言うほどのことでもない。今ここで咲と一緒にいると言うことだけが重要なことだからだ。

 しばらくの間、咲の唇に自由にされていた身体はようやく解放され、僕はうつ伏せになるよう促され、言われるがままに自分の身を裏返しにした。

「今週もお疲れさま。
 また頑張れるように疲れた身体をほぐしてあげるわね」

 咲はそう言うと背中や肩、腰の筋肉を柔らかくするように圧したり握ったりしてくれる。先ほどまでの快楽的な気持ちよさとはまた違って、これはこれで気持ちが良い。日々の練習でいじめまくっている足はいつもガチガチなので特に気持ちが良い。

 滅多に触れられる機会の無い素足だが、いつの間にかズボンを脱がされていて咲の小さな手で直接ほぐしてくれているのを感じる。強い力でなくゆっくりと優しく全身の筋肉を緩めてくれている。

 上半身から下半身までくまなくほぐしてもらったあと、ベッドの下へバサッ、パサッととなにかが落ちてい行く音が聞こえた。

 その直後、僕の足の上に咲が座り込んだ。そのまま僕の腰へ両手をあて軽く押し込んでくる。それは軽く、全体重をかけるようなものではなかったが徐々に上へ進んできているようだ。

 そしてとうとう咲が尻のあたりまで進んできた辺りで僕は大変な事に気が付いてしまった。なんと咲と僕が直接触れているということを。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話

頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。 綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。 だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。 中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。 とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。 高嶺の花。 そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。 だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。 しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。 それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。 他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。 存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。 両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。 拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。 そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。 それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。 イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。 付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

処理中です...