22 / 40
22.愛溢れる朝
しおりを挟む
高波と美知子の出会いから二週間ほどが過ぎていた。高波は今までと変わらず保護者の家をローテーションしながら学校へ通うと言う生活を続けていたが、そこに美知子もついて回るようになった。
支援女性たちは消極的納得と言うことで受け入れてはいるが、主体となっている七名だけで他の五名はほぼお役御免と言ったところか。しかしその中でもガチ恋度の高めな山上麗子だけは、諦めきれない様子でしばしば美咲へ連絡を取っていた。
だが仕送りで暮らす普通の大学生でワンルームに暮らす麗子が、他の七名と同じような奉仕をすることは難しく、割のいいバイトをするかどうか悩んでいた。しかし理系の学部生であるためバイト時間にも限りがある。
同じく普通の大学生である美咲と智代はいいとこのお嬢様らしく、マンションは数ランク上の分譲で親の所有物と聞いた。三人もいたら身動き取れない麗子の安マンションとは大違いである。
「なんで私はノケモノにされちゃったんだろ……
タカシを好きな気持ちは変わらないはずなのになんで……」
授業に身が入らない麗子だが、この日は朝から休講で一日開いてしまったことで余計に寂しさが膨らんでいた。そしてとうとう高波に会いたいと言う気持ちが抑えきれず、みんなでご法度と決めていたはずの行動に出てしまった。
「よお、やっぱダメなんじゃねえかと思うわけよ……
結局桃子からは一回も返事ないし、西高まで行くのもなんかちげえし。
はあ、ナミタカとメガッチが眩しいぜ」
「オレはともかくメガッチはやべえよな。
なんか最近は堂々としてきたからか他の奴らも一目置いてるって感じじゃね?
谷前も少しすっきりしてかわいくなってきて驚きだよ」
「だーかーらー、もう諦めた方がいいか教えてくれよ。
お前の勘といちご牛乳だけが頼りなんだからさ。
あ、今日はコーヒー牛乳でヨロ」
桃子からの返事が一切なく落ち込み続けている金子には、約束通り毎日パック牛乳を奢る羽目になっている高波だった。だが彼の勘は絶対うまく行くはずだと告げている。もちろん根拠はない。
「んじゃ仕方ねえ、ミチに聞いてもらうとすっか。
あいつガッコでは浮いてて友達いねえからそゆことすんの結構大変なんだぜ?
桃子とは一回遊んだから平気かと思ったんだけどそうでもないらしくてさ。
迷惑かかるから話しかけられないって悩んでたわ、マジかわいくね?」
「あーカワイイカワイイ、美知子ちゃんは最高だよ。
んで? その最高の彼女を連れて他の女んち泊めてもらって?
そのまま3Pしたりそれぞれとヤっちゃったりしてんだろ?
こればっかは理解を超えてもう頭がおかしくなりそうだよ」
「いや、なんつーの? オレはみんなのもんだから平等にって感じ?
やっぱいくら彼女だからって言ったってさ、保護者の言うことは聞かないとだろ」
「ぜってえわからん、ナミタカの考えは一生理解できないと悟ったわ。
メガッチもそう思うだろ? っておい!」
金子が大内へ話しかけたと思った相手は貞岡久美だった。いつの間にか高波と反対側の隣にやって来ていた久美は、二人の話を盗み聞きしていた。
「相変わらず朝からゲスい話してるよね……
こんな二人がモテるなんてホント信じらんないよ。
しかも女子はそれを承知で吸い寄せられて行っちゃうんだもんね。
なんかフェロモンみたいなの出てるのかな、クンクン」
「こらこら俺の匂いを嗅ぐんじゃない。
最近欲求不満過ぎて今日も朝からオナニーしてきたのばれちゃうだろ?」
「お! んもう! バカ! ヘンタイ! バ金子!」『バシンバシン!』
「いて、いてえ、冗談だっての、朝からそんなことしてねえよ。
でもメガッチみたいに毎日やりまくってるよりは健全だろうが」
「ええ!? 大内君が? その…… 谷前さんと?
そんなにうまくいってるんだね、ちょっとまあ、アレ、だけどさ……」
「そんなに恥ずかしいなら話に絡んでこなきゃいいのによー。
貞子はホント耳年増だよな、そういうのムッツリって言うんだぜ?」
「うるさい、どっちも似た者同士でホントムカツク!
バカ! このエロ猿! ってあれ? なんだろあの女性。
キョロキョロしてるけど誰か探してるのかな、不審者?」
「あらら? 麗子じゃんか、学校に来るの禁止なのに珍しいな。
なんか急用かもしんないからオレ行って来るよ」
「ああ、アンタのアレなのね……」
「しかし貞子もわかりやすいよなぁ。
ナミタカのこと好きなら言っちゃえばいいじゃんか。
どうせ今あいつの周りにいる女と同じで特別な一人にはなれないんだしよ。
割り切った方が楽だぞ?」
「ななな、なな、何言ってんのよ!
アタシはあいつのことなんて好きじゃないわよ。
ただちょっと気になるっていうか…… 時々なんか違う雰囲気あるっていうか」
「それって恋とか片思いとかっていうやつだろうが。
少女マンガによくある展開っつーの?」
金子は厄日なのか自爆なのか、再び貞岡久美に叩かれまくっていた。
支援女性たちは消極的納得と言うことで受け入れてはいるが、主体となっている七名だけで他の五名はほぼお役御免と言ったところか。しかしその中でもガチ恋度の高めな山上麗子だけは、諦めきれない様子でしばしば美咲へ連絡を取っていた。
だが仕送りで暮らす普通の大学生でワンルームに暮らす麗子が、他の七名と同じような奉仕をすることは難しく、割のいいバイトをするかどうか悩んでいた。しかし理系の学部生であるためバイト時間にも限りがある。
同じく普通の大学生である美咲と智代はいいとこのお嬢様らしく、マンションは数ランク上の分譲で親の所有物と聞いた。三人もいたら身動き取れない麗子の安マンションとは大違いである。
「なんで私はノケモノにされちゃったんだろ……
タカシを好きな気持ちは変わらないはずなのになんで……」
授業に身が入らない麗子だが、この日は朝から休講で一日開いてしまったことで余計に寂しさが膨らんでいた。そしてとうとう高波に会いたいと言う気持ちが抑えきれず、みんなでご法度と決めていたはずの行動に出てしまった。
「よお、やっぱダメなんじゃねえかと思うわけよ……
結局桃子からは一回も返事ないし、西高まで行くのもなんかちげえし。
はあ、ナミタカとメガッチが眩しいぜ」
「オレはともかくメガッチはやべえよな。
なんか最近は堂々としてきたからか他の奴らも一目置いてるって感じじゃね?
谷前も少しすっきりしてかわいくなってきて驚きだよ」
「だーかーらー、もう諦めた方がいいか教えてくれよ。
お前の勘といちご牛乳だけが頼りなんだからさ。
あ、今日はコーヒー牛乳でヨロ」
桃子からの返事が一切なく落ち込み続けている金子には、約束通り毎日パック牛乳を奢る羽目になっている高波だった。だが彼の勘は絶対うまく行くはずだと告げている。もちろん根拠はない。
「んじゃ仕方ねえ、ミチに聞いてもらうとすっか。
あいつガッコでは浮いてて友達いねえからそゆことすんの結構大変なんだぜ?
桃子とは一回遊んだから平気かと思ったんだけどそうでもないらしくてさ。
迷惑かかるから話しかけられないって悩んでたわ、マジかわいくね?」
「あーカワイイカワイイ、美知子ちゃんは最高だよ。
んで? その最高の彼女を連れて他の女んち泊めてもらって?
そのまま3Pしたりそれぞれとヤっちゃったりしてんだろ?
こればっかは理解を超えてもう頭がおかしくなりそうだよ」
「いや、なんつーの? オレはみんなのもんだから平等にって感じ?
やっぱいくら彼女だからって言ったってさ、保護者の言うことは聞かないとだろ」
「ぜってえわからん、ナミタカの考えは一生理解できないと悟ったわ。
メガッチもそう思うだろ? っておい!」
金子が大内へ話しかけたと思った相手は貞岡久美だった。いつの間にか高波と反対側の隣にやって来ていた久美は、二人の話を盗み聞きしていた。
「相変わらず朝からゲスい話してるよね……
こんな二人がモテるなんてホント信じらんないよ。
しかも女子はそれを承知で吸い寄せられて行っちゃうんだもんね。
なんかフェロモンみたいなの出てるのかな、クンクン」
「こらこら俺の匂いを嗅ぐんじゃない。
最近欲求不満過ぎて今日も朝からオナニーしてきたのばれちゃうだろ?」
「お! んもう! バカ! ヘンタイ! バ金子!」『バシンバシン!』
「いて、いてえ、冗談だっての、朝からそんなことしてねえよ。
でもメガッチみたいに毎日やりまくってるよりは健全だろうが」
「ええ!? 大内君が? その…… 谷前さんと?
そんなにうまくいってるんだね、ちょっとまあ、アレ、だけどさ……」
「そんなに恥ずかしいなら話に絡んでこなきゃいいのによー。
貞子はホント耳年増だよな、そういうのムッツリって言うんだぜ?」
「うるさい、どっちも似た者同士でホントムカツク!
バカ! このエロ猿! ってあれ? なんだろあの女性。
キョロキョロしてるけど誰か探してるのかな、不審者?」
「あらら? 麗子じゃんか、学校に来るの禁止なのに珍しいな。
なんか急用かもしんないからオレ行って来るよ」
「ああ、アンタのアレなのね……」
「しかし貞子もわかりやすいよなぁ。
ナミタカのこと好きなら言っちゃえばいいじゃんか。
どうせ今あいつの周りにいる女と同じで特別な一人にはなれないんだしよ。
割り切った方が楽だぞ?」
「ななな、なな、何言ってんのよ!
アタシはあいつのことなんて好きじゃないわよ。
ただちょっと気になるっていうか…… 時々なんか違う雰囲気あるっていうか」
「それって恋とか片思いとかっていうやつだろうが。
少女マンガによくある展開っつーの?」
金子は厄日なのか自爆なのか、再び貞岡久美に叩かれまくっていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる