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27.愛飛び交う
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メガッチこと大内が、知らないところで過去の恥ずかしい秘密を暴露され、酒の肴ならぬ歩みの友とされる数時間前のこと。
初めての日から暇さえあれば一緒に過ごしていた大内と谷前は、お互いを求めあっていても毎日ホテルへ行く金もなくもんもんとした日を送っているようである。仕方なくどちらかの家に行って一緒に宿題をやったり、並んで映画を見たり、触りあったりする程度で何とか欲望を昇華していた。
だがこの日谷前家では、近隣小学校の合唱コンクールに妹が出場するために母がパートを休み見学へ行くことになっていた。谷前自身の経験からして妹と母は朝から夕方まで完全不在である。
しかし高校生の大内と谷前には当然授業がある。それでもこのチャンスをものにしたい谷前木乃美は授業中にもかかわらず大内とメッセージのやり取りをしていた。
『ねえねえたっくん? 今日はお昼になったらすぐ帰らない?
実は妹の学校行事でお母さん家を空けてるの。
帰りに薬局かコンビニ寄ってこ?』
『それって……!? 家でってこと? 平気なの?
僕は嬉しいけど、後でばれてこのちゃんが怒られたりしない?』
『絶対ばれないよ、今日は両親とも居ないんだから平気。
最近は毎晩たっくんのこと考えてて私辛いの』
『僕もこのちゃんのこと考えてばかりだよ。
だから辛いって言うか罪悪感と言うか……』
『ああー、私で…… たっくんのえっち』
『じゃあこのちゃんは平気なの?
そういう想像しちゃってるようなことしてない?』
「もう、意地悪なんだらか、てんてんてん。
うわぁ、メガッチよぉかなりヤヴァくね? 完全にハマっちゃってんじゃん。
ハマってるってのは違うか、ハメる方だもんな、ププ」
後ろの席から覗きこんでいた金子がこそりと大内へ話しかけた。今の金子は、桃子からの返事が一向に来ないため、誰にでもいいから絡みたい気分でヤサグレていると言ってもいい。
「ちょっと!? なに覗いてるんだよ金ちゃんってばっ!
そんなことしてないで自分の彼女を構ってあげなよ」
「メガッチまでそう言うこと言うのかよー
こりゃせんせーにいいつけるしかねえな」
「ちょっとそれどういうことなのさ、なんかあったの?
こないだはなんか浮かれてたでしょ?」
「なんかあったんじゃなくてなんもねえんだってば!
一回も返事が来ないんだけどどう思う?
なあ、メガッチは恋の先輩だろー? 教えてくれよー」
「また西高まで行ってみればいいじゃないか。
きっと高波が一緒に行くって言うでしょ。
僕は一緒に行かれないから二人で行ってきなよ」
「彼女持ちのよゆーかよー
ツれないなぁメガッチってばよー」
授業中にこんなやり取りをしていればいつか誰かに気が付かれるに決まっている。案の定教師に注意されてしまった。
「こらっ金子! 大内にちょっかいを出して邪魔するんじゃない!
たまに起きてると思えばこれだ…… 高波を見てみろ?
今日は珍しく起きて授業受けている? どうした? 具合が悪いのか?」
「いや、平気だよセンセ。
ちょっとなんか熱っぽいだけ、寝不足かな?」
「平気ならいいが保健室へ行ってきても構わないぞ?
それにその手はどうした? 怪我していたのか」
「ああ、ちょっと料理してて失敗しちまったんだよ。
気にしないでセンセは授業続けていいって、オレは保健室行ってくるわ」
珍しくうなだれた高波は、教室を出て行き保健室へ向かったようだ。しかし実のところ本当に寝不足なだけだったらしく放課後には元気になっていた。
保健室で目覚めた高波は、なぜかその傍らで見守っていた久美から、昼になってから大内と谷前が立て続けに早退したことと、金子まで元気が無くなっていることを聞かされた。
「メガッチと谷前はアレだろ、なんかいいこと企んでるんだろうから心配ないな。
金ちゃんはようやく誘えた桃子から何の反応もなく落ち込んでんだよなぁ。
そんじゃ今日も西高まで行ってみるとすっかー」
「アンタは大丈夫なの? 具合は良くなったみたいだけどさ。
怪我のせいで調子悪いんだったら無理しちゃダメだよ?」
「ん? 全然よゆーだぜ?
昨日の夜はちょっと頑張り過ぎたからな、あんま寝てなかったんだよ。
なんたって二対一だから厳しいのなんのって、あっ、貞子今エロいこと考えただろ!」
「か、かか、考えてないわよ!
どうせ、えっと、そう、ゲームでもやってたんじゃないの?」
「さあねぇ、教えねえ、でもなんか付添いありがとな。
よっし! 元気になったから金ちゃん連れて西高まで行ってくるわ」
こんな流れで西高へ向かう高波と金子の後について、久美まで西高へ向かったのだった。いつもなら人知れず天使がついているのだが、今日はすでに大内と谷前にくっついてここには居ないようだった。
初めての日から暇さえあれば一緒に過ごしていた大内と谷前は、お互いを求めあっていても毎日ホテルへ行く金もなくもんもんとした日を送っているようである。仕方なくどちらかの家に行って一緒に宿題をやったり、並んで映画を見たり、触りあったりする程度で何とか欲望を昇華していた。
だがこの日谷前家では、近隣小学校の合唱コンクールに妹が出場するために母がパートを休み見学へ行くことになっていた。谷前自身の経験からして妹と母は朝から夕方まで完全不在である。
しかし高校生の大内と谷前には当然授業がある。それでもこのチャンスをものにしたい谷前木乃美は授業中にもかかわらず大内とメッセージのやり取りをしていた。
『ねえねえたっくん? 今日はお昼になったらすぐ帰らない?
実は妹の学校行事でお母さん家を空けてるの。
帰りに薬局かコンビニ寄ってこ?』
『それって……!? 家でってこと? 平気なの?
僕は嬉しいけど、後でばれてこのちゃんが怒られたりしない?』
『絶対ばれないよ、今日は両親とも居ないんだから平気。
最近は毎晩たっくんのこと考えてて私辛いの』
『僕もこのちゃんのこと考えてばかりだよ。
だから辛いって言うか罪悪感と言うか……』
『ああー、私で…… たっくんのえっち』
『じゃあこのちゃんは平気なの?
そういう想像しちゃってるようなことしてない?』
「もう、意地悪なんだらか、てんてんてん。
うわぁ、メガッチよぉかなりヤヴァくね? 完全にハマっちゃってんじゃん。
ハマってるってのは違うか、ハメる方だもんな、ププ」
後ろの席から覗きこんでいた金子がこそりと大内へ話しかけた。今の金子は、桃子からの返事が一向に来ないため、誰にでもいいから絡みたい気分でヤサグレていると言ってもいい。
「ちょっと!? なに覗いてるんだよ金ちゃんってばっ!
そんなことしてないで自分の彼女を構ってあげなよ」
「メガッチまでそう言うこと言うのかよー
こりゃせんせーにいいつけるしかねえな」
「ちょっとそれどういうことなのさ、なんかあったの?
こないだはなんか浮かれてたでしょ?」
「なんかあったんじゃなくてなんもねえんだってば!
一回も返事が来ないんだけどどう思う?
なあ、メガッチは恋の先輩だろー? 教えてくれよー」
「また西高まで行ってみればいいじゃないか。
きっと高波が一緒に行くって言うでしょ。
僕は一緒に行かれないから二人で行ってきなよ」
「彼女持ちのよゆーかよー
ツれないなぁメガッチってばよー」
授業中にこんなやり取りをしていればいつか誰かに気が付かれるに決まっている。案の定教師に注意されてしまった。
「こらっ金子! 大内にちょっかいを出して邪魔するんじゃない!
たまに起きてると思えばこれだ…… 高波を見てみろ?
今日は珍しく起きて授業受けている? どうした? 具合が悪いのか?」
「いや、平気だよセンセ。
ちょっとなんか熱っぽいだけ、寝不足かな?」
「平気ならいいが保健室へ行ってきても構わないぞ?
それにその手はどうした? 怪我していたのか」
「ああ、ちょっと料理してて失敗しちまったんだよ。
気にしないでセンセは授業続けていいって、オレは保健室行ってくるわ」
珍しくうなだれた高波は、教室を出て行き保健室へ向かったようだ。しかし実のところ本当に寝不足なだけだったらしく放課後には元気になっていた。
保健室で目覚めた高波は、なぜかその傍らで見守っていた久美から、昼になってから大内と谷前が立て続けに早退したことと、金子まで元気が無くなっていることを聞かされた。
「メガッチと谷前はアレだろ、なんかいいこと企んでるんだろうから心配ないな。
金ちゃんはようやく誘えた桃子から何の反応もなく落ち込んでんだよなぁ。
そんじゃ今日も西高まで行ってみるとすっかー」
「アンタは大丈夫なの? 具合は良くなったみたいだけどさ。
怪我のせいで調子悪いんだったら無理しちゃダメだよ?」
「ん? 全然よゆーだぜ?
昨日の夜はちょっと頑張り過ぎたからな、あんま寝てなかったんだよ。
なんたって二対一だから厳しいのなんのって、あっ、貞子今エロいこと考えただろ!」
「か、かか、考えてないわよ!
どうせ、えっと、そう、ゲームでもやってたんじゃないの?」
「さあねぇ、教えねえ、でもなんか付添いありがとな。
よっし! 元気になったから金ちゃん連れて西高まで行ってくるわ」
こんな流れで西高へ向かう高波と金子の後について、久美まで西高へ向かったのだった。いつもなら人知れず天使がついているのだが、今日はすでに大内と谷前にくっついてここには居ないようだった。
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