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第一章
6 密室で二人
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「ねえ、今日のマティアス様の洋服みた?」
「みたみた!」
「昨日と同じ服!」
「絶対朝帰りだよね!?」
「マティアス様って婚約者もいないじゃない!?これといった噂もないし……」
「どこかの美女と熱い一夜とかしたのかな!?」
「ブッ!ゲホゲホゲホ……」
私は口に含んだスープを盛大に吹き、むせこんだ。
噂をしていた侍女達がさげすんだ目でこちらをみた。
私は何事もなかったように、ナプキンで口をふいていると、侍女たちはお昼休憩の噂話を再開した。
侍女たちの観察眼、恐れ入ります。
そうですね。麗しのマティアス様は時間がなかったので、私のボロアパートメントからご出勤なさいました。着替えを取りに行く暇もなかったですよ、と心の中で彼女たちに返答した。
あのあと私たちは別々に出勤して、なるべくかかわらないように仕事をこなした。
進んで他部署に書類を届けに行ったり、午後はあまり好きではない書庫の整理をかって出た。
朝ご飯を食べ損ねたので、ランチはあっという間に完食した。
廊下を歩きながら私は腰をたたいた。
「う……、腰が痛いし、ひどい筋肉痛だ……」時間が経つにつれどんどん記憶が蘇り、頭を支配していく。頬がカッと熱くなる。私は頭を振り、両頬を軽く叩き気合を入れた。
「よし!午後もがんばろう!」
重要書類が集まった書庫は、薄暗く埃っぽい。
広くない部屋に大きな棚がいくつも置かれ、棚の間は人が一人通る分しかない。なんとも圧迫感がある。
乱雑におかれた書類や本を、定位置に戻していく。これが地味に時間がかかる。
午後の時間をフルに使って良いと先輩秘書官に言われたので、没頭できた。
「うん、これで終わりかな」
最後の一冊を戻し終わり、額の汗を手の甲でぬぐった。
キィ……、バタン。誰かが入って来たのかな?
書庫はかなり古く扉の蝶番も錆びており、開閉の度に嫌な音がする。
そろそろ、油をささなきゃね。
先輩かな……?私は棚からひょいっと顔を出し、誰が来たか確認した。
えっ……。
そこに立っていたのは、今日ずっと避けていた噂の彼だった。
私は声を出さないように、両手で口を押えて棚の陰に隠れて座った。
ガチャン……。
えっ……、もしかしてカギしめられた!?
もう一度、扉の方を確認すべきか迷っていると、目の前が暗くなった。鼓動が早くなる……。
恐る恐る見上げると、冷ややかな目をしたマティアス様と目があった。
「秘書官……、お疲れ様です……」
「あぁ、お疲れ様……」今朝とは違い、とても冷ややかな声だった。
「君はこんな所で座って何をしているのかな?」
君と言われたことに少し寂しさを感じた。
そしていつもよりとげとげしさを感じる。
業務の時は優しい中にも厳しさがある人だったけど……、今日のは何か違う気がした。……まさか仕事をサボっていると思われた?
私は急いで立ち上がった。
「秘書官!サボっていたわけではありません!今日は先輩に頼まれて書庫の整理をしていました!ほぼ片付いたと思います!」
マティアス様はふいに前髪をかきあげた。
その姿は艶やかで、色っぽかった。薄暗い中でのそのしぐさは、男女問わず見てはいけないと思った。その色気にやられて倒れてしまうだろう。昨夜のことを思い出しそうになり、また頭を振った。
私も気を張っていないと崩れてしまいそうだ。
でも、今日は大丈夫。昨日のように酔っぱらっていない。
もう、あんな間違いは侵さない。
私には素敵な思い出でもマティアス様にとっては汚点なはずだから。
マティアス様のためにも、もう間違えるわけにはいかない。
はぁ……とマティアス様は大きなため息をついた。
あまりの大きさに私の肩がはねた。
怒ってる……?私異動……!? いやクビになるのだろうか……。
実家に帰るべきだろうか、まさか捕らえられるとか……?
そしたら修道院……? 修道院も厳しくなければ悪くないかもしれない。
そのとき、くいっと顎が持ち上げられた。強制的に鋭い瞳に捕らえられる。
「こんな時に考え事なんて、なかなかですね」
やっぱり怒ってる……。
でも、私は許可された仕事をしていただけだ。
「こんな時とは……どういう時でしょうか?」
素朴な疑問を投げかけた。
「なるほど……」
グイっと力強い手が私の腰を引き上げた。
体が密着し昨夜の事を思い出してしまい、また顔が熱くなる。
私の目はきっと白黒しているだろう。逃れようと胸を押すがマティアス様の力強い腕に阻まれる。
「鍵のかかった書庫の中、密室に未婚の男女が二人……。この状況がわかる?」
「…………!?」
大変だ!こんな所を誰かに見られでもしたら、またご迷惑をかけてしまう!
「秘書官、気づかず申し訳ありませんでした!急いで出ます!秘書官は時間をおいて出てきて下さいね!」
私はマティアス様の胸を思い切り突き飛ばし、彼の腕をすり抜け、扉まで走った。
せまりくる足音と、カギがなかなか開かず焦ったが、なんとか脱出に成功した。
その後すでに定時の時間を過ぎていたので、先輩に声をかけ退勤した。
早く家に帰って、お風呂に入りたい!
……でも、マティアス様はいったいどうしたのだろうか……。
もしや、誰かに言うのではないかと焦っていたとか。
今日は避け続けていたから……。
明日誓約書でも書いて、安心させてあげよう。
マティアス様はこれといった噂や婚約者はいないが、そろそろ婚約者を作る頃だろう。
そんな時、職場の冴えない年上の文官と関係があったなんて知られたら……。
ひぃぃぃ~。思わず背中がゾワリとした。
完璧なマティアス様の経歴に傷をつけてしまう。
本当ならすぐにでも辞めて……。
……そしたら、もう会えなくなってしまう。
隠し通すはずだった気持ちなのに……。私は胸に手を当てて、服をぎゅっと掴んだ。
今日は雲もなく星が良く見えるはずなのに、潤んだ瞳ではぼやけて見えた。
◇◇◇
「秘書官、この書類にサインをお願いします」
事務処理をこなしていたマティアス様は、ビクッとして顔を上げ、きれいな瞳をまん丸にした。
少し目の下が黒くなっている。昨夜は寝られなかったのだろうか。
私に逃げられたから、不安になっていたとか。
申し訳ないことをしてしまった……。でも、大丈夫です!今日で全て解決します!
私は書類と一緒に四つに畳んだメモ紙を渡した。
マティアス様はすぐに気づき、そっと手の中にそのメモ紙をおさめた。
「あぁ、わかった。確認しておく」と普段通りの返答にホッとした。
「はい、よろしくお願いいたします」私は一礼して、自分の机に戻った。
私の机からはマティアス様が良く見える。先輩を一人挟んでいるが、それがかえって丁度いい。
時々眺めてもバレにくいからだ。ここは私の特等席。午前の仕事はやけに長く感じた。10分おきに時間を確認して、まだお昼じゃないと。
なぜお昼を気にしているかというと、あのメモ紙が関係している。
メモには【お昼休憩に第5談話室で待っています】と記した。
バタン。私は周りを確認して、談話室のドアを閉めた。誰にも見られてない。
この第5談話室は離れにあり、ほとんど使用されていない。
また秘書官補佐以上でないと立ち入れない区域となっており、噂好きの淑女たちに見つかる可能性が少ない。
ドアの入り口に、使用中というプレートをかけておけば誰も入ってこないはず。
談話室には数冊の本とソファとテーブル、簡単なお茶なら飲めるようになっている。
マティアス様の貴重なお昼休みを頂戴するのだから、食料も持参している。
ターラさんに朝からお願いして、特製弁当を二人分用意してもらった。ターラさんはなぜかは鼻歌まじりで、お弁当を渡してくれて、「頑張るんだよ!」と肩を叩いた。
なにか勘違いされた気がするが、あえて触れなかった。
ソファの前のテーブルにお弁当を広げ、お茶も準備した。
今日は一日事務処理の日で、マティアス様がずっといるのは確認済みだ。
何か緊急案件でもない限り、来られるはず。秒針の音がいやに大きく感じた。
そうだ!お渡しする資料を確認しよう。昨夜急ピッチで書類を作成した。
何の書類かというと……、あの夜の事だ。他言しないこと、全て忘れる事。そして、職を辞すること。
それを守れなかったら、いかなる罰も受ける事……。
書類作成の仕事をしていてよかったと、初めて思った。
書類はあっという間に出来て満足したのに、心はズンと重かった。
そんな事を考えていたら、扉が開いた。
「みたみた!」
「昨日と同じ服!」
「絶対朝帰りだよね!?」
「マティアス様って婚約者もいないじゃない!?これといった噂もないし……」
「どこかの美女と熱い一夜とかしたのかな!?」
「ブッ!ゲホゲホゲホ……」
私は口に含んだスープを盛大に吹き、むせこんだ。
噂をしていた侍女達がさげすんだ目でこちらをみた。
私は何事もなかったように、ナプキンで口をふいていると、侍女たちはお昼休憩の噂話を再開した。
侍女たちの観察眼、恐れ入ります。
そうですね。麗しのマティアス様は時間がなかったので、私のボロアパートメントからご出勤なさいました。着替えを取りに行く暇もなかったですよ、と心の中で彼女たちに返答した。
あのあと私たちは別々に出勤して、なるべくかかわらないように仕事をこなした。
進んで他部署に書類を届けに行ったり、午後はあまり好きではない書庫の整理をかって出た。
朝ご飯を食べ損ねたので、ランチはあっという間に完食した。
廊下を歩きながら私は腰をたたいた。
「う……、腰が痛いし、ひどい筋肉痛だ……」時間が経つにつれどんどん記憶が蘇り、頭を支配していく。頬がカッと熱くなる。私は頭を振り、両頬を軽く叩き気合を入れた。
「よし!午後もがんばろう!」
重要書類が集まった書庫は、薄暗く埃っぽい。
広くない部屋に大きな棚がいくつも置かれ、棚の間は人が一人通る分しかない。なんとも圧迫感がある。
乱雑におかれた書類や本を、定位置に戻していく。これが地味に時間がかかる。
午後の時間をフルに使って良いと先輩秘書官に言われたので、没頭できた。
「うん、これで終わりかな」
最後の一冊を戻し終わり、額の汗を手の甲でぬぐった。
キィ……、バタン。誰かが入って来たのかな?
書庫はかなり古く扉の蝶番も錆びており、開閉の度に嫌な音がする。
そろそろ、油をささなきゃね。
先輩かな……?私は棚からひょいっと顔を出し、誰が来たか確認した。
えっ……。
そこに立っていたのは、今日ずっと避けていた噂の彼だった。
私は声を出さないように、両手で口を押えて棚の陰に隠れて座った。
ガチャン……。
えっ……、もしかしてカギしめられた!?
もう一度、扉の方を確認すべきか迷っていると、目の前が暗くなった。鼓動が早くなる……。
恐る恐る見上げると、冷ややかな目をしたマティアス様と目があった。
「秘書官……、お疲れ様です……」
「あぁ、お疲れ様……」今朝とは違い、とても冷ややかな声だった。
「君はこんな所で座って何をしているのかな?」
君と言われたことに少し寂しさを感じた。
そしていつもよりとげとげしさを感じる。
業務の時は優しい中にも厳しさがある人だったけど……、今日のは何か違う気がした。……まさか仕事をサボっていると思われた?
私は急いで立ち上がった。
「秘書官!サボっていたわけではありません!今日は先輩に頼まれて書庫の整理をしていました!ほぼ片付いたと思います!」
マティアス様はふいに前髪をかきあげた。
その姿は艶やかで、色っぽかった。薄暗い中でのそのしぐさは、男女問わず見てはいけないと思った。その色気にやられて倒れてしまうだろう。昨夜のことを思い出しそうになり、また頭を振った。
私も気を張っていないと崩れてしまいそうだ。
でも、今日は大丈夫。昨日のように酔っぱらっていない。
もう、あんな間違いは侵さない。
私には素敵な思い出でもマティアス様にとっては汚点なはずだから。
マティアス様のためにも、もう間違えるわけにはいかない。
はぁ……とマティアス様は大きなため息をついた。
あまりの大きさに私の肩がはねた。
怒ってる……?私異動……!? いやクビになるのだろうか……。
実家に帰るべきだろうか、まさか捕らえられるとか……?
そしたら修道院……? 修道院も厳しくなければ悪くないかもしれない。
そのとき、くいっと顎が持ち上げられた。強制的に鋭い瞳に捕らえられる。
「こんな時に考え事なんて、なかなかですね」
やっぱり怒ってる……。
でも、私は許可された仕事をしていただけだ。
「こんな時とは……どういう時でしょうか?」
素朴な疑問を投げかけた。
「なるほど……」
グイっと力強い手が私の腰を引き上げた。
体が密着し昨夜の事を思い出してしまい、また顔が熱くなる。
私の目はきっと白黒しているだろう。逃れようと胸を押すがマティアス様の力強い腕に阻まれる。
「鍵のかかった書庫の中、密室に未婚の男女が二人……。この状況がわかる?」
「…………!?」
大変だ!こんな所を誰かに見られでもしたら、またご迷惑をかけてしまう!
「秘書官、気づかず申し訳ありませんでした!急いで出ます!秘書官は時間をおいて出てきて下さいね!」
私はマティアス様の胸を思い切り突き飛ばし、彼の腕をすり抜け、扉まで走った。
せまりくる足音と、カギがなかなか開かず焦ったが、なんとか脱出に成功した。
その後すでに定時の時間を過ぎていたので、先輩に声をかけ退勤した。
早く家に帰って、お風呂に入りたい!
……でも、マティアス様はいったいどうしたのだろうか……。
もしや、誰かに言うのではないかと焦っていたとか。
今日は避け続けていたから……。
明日誓約書でも書いて、安心させてあげよう。
マティアス様はこれといった噂や婚約者はいないが、そろそろ婚約者を作る頃だろう。
そんな時、職場の冴えない年上の文官と関係があったなんて知られたら……。
ひぃぃぃ~。思わず背中がゾワリとした。
完璧なマティアス様の経歴に傷をつけてしまう。
本当ならすぐにでも辞めて……。
……そしたら、もう会えなくなってしまう。
隠し通すはずだった気持ちなのに……。私は胸に手を当てて、服をぎゅっと掴んだ。
今日は雲もなく星が良く見えるはずなのに、潤んだ瞳ではぼやけて見えた。
◇◇◇
「秘書官、この書類にサインをお願いします」
事務処理をこなしていたマティアス様は、ビクッとして顔を上げ、きれいな瞳をまん丸にした。
少し目の下が黒くなっている。昨夜は寝られなかったのだろうか。
私に逃げられたから、不安になっていたとか。
申し訳ないことをしてしまった……。でも、大丈夫です!今日で全て解決します!
私は書類と一緒に四つに畳んだメモ紙を渡した。
マティアス様はすぐに気づき、そっと手の中にそのメモ紙をおさめた。
「あぁ、わかった。確認しておく」と普段通りの返答にホッとした。
「はい、よろしくお願いいたします」私は一礼して、自分の机に戻った。
私の机からはマティアス様が良く見える。先輩を一人挟んでいるが、それがかえって丁度いい。
時々眺めてもバレにくいからだ。ここは私の特等席。午前の仕事はやけに長く感じた。10分おきに時間を確認して、まだお昼じゃないと。
なぜお昼を気にしているかというと、あのメモ紙が関係している。
メモには【お昼休憩に第5談話室で待っています】と記した。
バタン。私は周りを確認して、談話室のドアを閉めた。誰にも見られてない。
この第5談話室は離れにあり、ほとんど使用されていない。
また秘書官補佐以上でないと立ち入れない区域となっており、噂好きの淑女たちに見つかる可能性が少ない。
ドアの入り口に、使用中というプレートをかけておけば誰も入ってこないはず。
談話室には数冊の本とソファとテーブル、簡単なお茶なら飲めるようになっている。
マティアス様の貴重なお昼休みを頂戴するのだから、食料も持参している。
ターラさんに朝からお願いして、特製弁当を二人分用意してもらった。ターラさんはなぜかは鼻歌まじりで、お弁当を渡してくれて、「頑張るんだよ!」と肩を叩いた。
なにか勘違いされた気がするが、あえて触れなかった。
ソファの前のテーブルにお弁当を広げ、お茶も準備した。
今日は一日事務処理の日で、マティアス様がずっといるのは確認済みだ。
何か緊急案件でもない限り、来られるはず。秒針の音がいやに大きく感じた。
そうだ!お渡しする資料を確認しよう。昨夜急ピッチで書類を作成した。
何の書類かというと……、あの夜の事だ。他言しないこと、全て忘れる事。そして、職を辞すること。
それを守れなかったら、いかなる罰も受ける事……。
書類作成の仕事をしていてよかったと、初めて思った。
書類はあっという間に出来て満足したのに、心はズンと重かった。
そんな事を考えていたら、扉が開いた。
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