無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ

文字の大きさ
98 / 230

98. キャロット

しおりを挟む
 
 俺は、奴隷紋を解除する為に、一旦、マール王国に戻る提案をしたが、サクラ姫は、このまま俺の奴隷のままで良いと言ってきた。

 どうせ、目の前の都市に入る訳で、本物の奴隷紋が右手に刻まれてたら、誰も自分の事をマール王国第2王女サクラ・フォン・マールと気付かない筈だからと、押し切られてしまった。

 てな訳で、サクラ姫は、バツーダ帝国に侵入してる間は、ずっと俺の奴隷として過ごす事となってしまったのだった。

 だけれども、奴隷になったサクラ姫は、本当に嬉しそう。

「これで、身も心も全てトトのものになって嬉しい!」

 本当に、サクラ姫って王女様?
 やはり、王女としてはちょっと変わっている。
 ネズミになってしまったアマンダさんは、サクラ姫のペット枠として落ち着いた。

 確かに、奴隷ならネズミをペットにしてそうだし。
 そして、それをご主人様に見つかって、折檻されてしまうのだ。

 そんな妄想は置いといて、俺達は、バツーダ帝国の都市に潜入する。

 都市に入るには身分証が居るでしょ?

 そんなのナナミさんが偽装してくれた。
 よく分からんが、俺達は旅の商人となったみたい。
 商人ギルドの偽ギルド証を、俺はナナミさんに渡された。

 そして、ナナミさんは俺の妻枠。
 しかも、ナナミさんは、正真正銘の商人ギルド証を持ってるし。

 権蔵爺さんが、マール王都に店を構えるにあたり、ナナミさんもついでに商人ギルドに登録してたらしい。
 しかも、何故かプラチナカード。

 商人ギルドは、ギルドに貢献した人のランクが上がるシステムらしく、ナナミさんは、自分が使わない貴重なストックしてた素材を商人ギルドに少し売ったら、その場でプラチナカードを貰えたらしい。
 本当に、何を売ったら、登録したその日にプラチナカードを貰えるか謎である。

 因みに、俺はシルバーカードね。

 この偽シルバーカードを使って、お金を商人ギルドに預ける事も出来るとか。
 偽物なのに、本当に、ナナミさんの技術は凄過ぎる。
 多分、他人のギルド証を偽装して、勝手にお金を引き落とす事とかも出来ると思うし、その気になれば、ナナミさんは億万長者にも簡単になれてしまうのだ。まあ、その代わり泥棒になっちゃうのだけど。

 そんなこんなで、俺達は、バツーダ帝国の結構大きめな都市に入った。

 都市の名前は、キャロットと言うらしい。
 何でも、元は兎の獣人の国だったみたいだ。

 住人の殆どがウサ耳の獣人。中には、本当の兎みたいなモフモフの獣人も歩いている。
 何だか、大きな兎が歩いてるのはシュール。

 どうやら、獣人だからといって、全てが奴隷ではないようだ。
 まあ、結構、奴隷は居るのだけど。

 キャロットは、20年前に、バツーダ帝国に敗れて、バツーダ帝国に吸収合併されたとか。
 そんでもって、他の獣人の種族より、キャロットのうさぎ獣人は、優遇されてるとか。

 だって、見た目が可愛らしいから。
 バツーダ帝国に住む人族に大変人気で、愛玩奴隷にされてるとか。

 優遇されてると言っても、そこは人族至上主義のバツーダ帝国。
 やはり、人族が一番偉く。兎獣人は、人族に対してヘコヘコへりくだりながら生活している。

「旦那さん。可愛い奴隷を飼ってますね。可愛らしい洋服も着て、清潔にしていらっしゃる。
 どうです?一つ私を買ってみませんか?めちゃんこ奉仕しますぜ!」

 キャロットの街を歩いてたら、そのまんま兎の獣人が話し掛けてきた。
 デッカイ縫いぐるみみたいで、めちゃくちゃ可愛らしいのだが、俺は男の獣人を飼う趣味はない。
 モフモフしてみたいけど、男だと分かってたらね……

 暫く観察して分かったのだけど、兎の獣人は、男子はまんま兎を大きくしたような獣人になり、女子は兎耳の獣人になるようである。
 なので、大きな兎は、全員、男子。
 俺は、男子に抱きつく趣味はないのである。

 それにしても、兎獣人は、愛玩ペットのような扱いに慣れきってしまっている。
 自分達の可愛らしさを良く分かっていて、それを利用してるのだ。

 奴隷にされてエロい事をされてしまうかもしれないけど、他の種族のように重労働させられたり、戦争に駆り出されたりしないようである。みんな楽しそうに生活してるし。

 そして、俺たちが入ったのは、人族が経営してる宿。
 まあ、殆どの店は人族が経営してて、従業員はみんな獣人。
 可愛い兎の獣人が世話してくれるのが売りなのだとか。

 オプションで、夜の世話もしてくれるとも言っていた。
 キャロットに来るバツーダ帝国の人々は、大体がそれ目的らしい。

 見てみると、従業員は全て右手に奴隷紋が刻まれている。
 兎獣人にとって、働くイコール奴隷になる事なのかもしれない。
 そう考えると、ちょっと悲しい。

 兎獣人の他の奴隷より良い所は、完全にバツーダ帝国から保護されてる所。
 キャロットの街に居る場合だけ、最低限の衣食住は保証されてるのだとか。
 だけれども、最低限の衣食住だけ。

 そこから早く脱出したくて、キャロットに住む兎獣人は、奴隷になる事を望むとか……良く出来たシステムである。

「バツーダ帝国に侵略されてしまうと、このようになってしまうのですね」

 部屋に通されるとサクラ姫は、喋り出す。

「だな。ある程度の自由は保証されてるみたいだが、もう、人としてのプライドとか尊厳とかは皆無だな。
 基本、兎獣人の仕事は、人族の愛玩具になる事みたいだし……」

「マール王国を、このような国にする訳にはいきません!」

 サクラ姫は、珍しく熱く語った。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します

すもも太郎
ファンタジー
 伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。  その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。  出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。  そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。  大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。  今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。  ※ハッピーエンドです

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

処理中です...