無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ

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155. サクラ神聖国

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 ナナミさんと権蔵爺さん達が、建築や街づくりに着手してる間、俺達は取り敢えず元聖都で炊き出しをする事にした。

 基本、戦争によって、アニエス聖都を護っていた聖騎士達は皆殺し。聖都にいたアニエス教会関係者も教皇を筆頭に全員皆殺し。

 元アニエス神聖国聖都には、現在、兵士も国を治める首脳陣も居ない無政府状態なのであった。
 今、元聖都にいるのは、逃げ遅れた一般市民やスラムに住んでた、どこにも行く宛もない貧しい人々だけ。

 取り敢えず、現在、聖都には食べる物が何もない状態なので、俺たちが炊き出ししなくちゃならないのである。

 まあ、そこで腕を振るうのが、継母改めリカコさんと、『握手』スキルの派生スキル、包丁を持てば料理の達人になれるスキルを持ってる俺。
 2人して物凄い速さで超絶絶品料理を作り、そしてサクラ姫と母さんの新旧聖女様が、炊き出しの絶品料理を配るのだ。

 するとどうなるか分かっちゃうよね。
 もう、みんな感動して泣きながら炊き出しのご飯を食べるのだよ。
 貧民街の中には、アニエス教に迫害されてた長寿種の亜人とかも住んでたみたいで、母さんが元アニエス神聖国の聖女だった事を気付く人とかもチラホラ居て、しかもそんな亜人種の人達に、母さんは絶大な人気を誇ってたようであったのだ。

 当時の聖女時代の母さんは、亜人種を迫害するアニエス教に思う事があり、当時から亜人種の人々と交流を持ち、色々骨を折ってたみたい。

 そんな人達が、『本物の聖女様が戻ってきてくださった』と、ポロポロ涙をこぼして、母さんに抱きつくのである。

 そして、母さんは、

「遅くなって本当にゴメンね」

 と、母さんまで貰い泣きしながら、炊き出しを配るのである。
 ちょっと、感動するよね。
 だけれども、母さんの聖女時代を知らない一般市民は、ポカンとしてるけど。

 そんな感じで母さんは、泣いたり笑ったり旧交を温めながら、炊き出しを配ってるのだけど、サクラ姫の方も半端ない。
 サクラ姫に至っては、もう既に発現してしまってる抑えきれない『魅了』スキルが大爆発。
 炊き出しを貰った人々は、その場でサクラ姫に心酔。

 なんかヤバい宗教みたいになってるし。

「サクラ姫様の為なら死ねる」

「サクラ姫様が言うなら、もう悪さはしません」

「サクラ神聖国万歳!!」

 本当にヤバい。
 俺の領地じゃなくて、サクラ神聖国とかいう国になってしまってるし。
 まあ、それは置いといて、俺達が来る前は、相当治安が悪化してたのに、サクラ姫のお陰で治安悪化もどうやら解消しそうである事だけは確かである。

 現在、急ピッチでナナミさんと権蔵爺さん達が貧困層の人達が住む集合住宅長屋を作ってるし、美味しい炊き出しもあるから、不満も無くなってしまうというもの。

 だって、貧困層の人達に、あのナナミさん達が現在作ってる集合住宅長屋にタダで住めると説明したら、みんな目ん玉飛び出して驚いてたし。

「あの異国のオシャレな建物に、あっしらが……」てね!

 まあ、兎に角、旧アニエス聖都が、とんでもない街になる事は間違いないのである。

 だって金に糸目もつけてないからね。
 結構、アニエス神聖国は金を溜め込んでいたらしく、その金を使ってるから、俺の新たな支出はゼロ。
 本当に、アニエス教は信者からお布施をどんだけブン取ってたんだよ……

 そのお布施で俺の新たな領都が、金の見境いもなく豪華になるって、ちょっと罪悪感。
 まあ、その金で炊き出しや、無料の集合住宅長屋を建てて、元信者に還元してる訳だから、問題無いでしょ!

 因みに、サクラ姫と、母さん達によって1ヶ月間続けた炊き出し効果により、元アニエス神聖国の聖都に住んでいた人々は、新旧聖女に心酔。

 まあ、元々アニエス教を信じる人々が集まって出来た国だから、異常に信仰深いのかもしれない。
 しかも、サクラ姫は聖女教なる新たな宗教を作ろうと画策してるし。

「やっぱり、国を治めるなら宗教を利用する方が良いと思うんです!」

 首脳会議で、サクラ姫は提案する。
 首脳会議と言っても、俺とサクラ姫とアマンダさんとナナミさんと、母さんとリカコさんだけなのだけど。

 というか、国?
 もうすっかりサクラ姫は、マール王国から独立した気になってしまってる。

「クックックックックッ国。ついに、僕のお小遣いが国家予算なる」

 ナナミさんも、いつもの調子だし。

「で、国の名前はどうするの?」

 母さんも、勿論、ノリノリ。

「なんか日本様式だっけ? 武蔵野国と同じように、聖都が日本様式の街になっちゃったよね!
 そして、日本様式の街にはお決まりの桜の木が聖都中に植樹されてるし、今、まさに満開だし。
 だから、サクラ神聖国でいいんじゃない?
 街の人達も、もう勝手に、サクラ神聖国って言ってる訳だし!」

 アマンダさんが、珍しく意見を言う。
 そして、俺も実は、サクラ神聖国で良いんじゃないと思っちゃってたりする。

 だって、本当に、聖都が桜の木に覆われて綺麗なんだもん。
 これを見たら、誰でも聖都が桜の街だと思っちゃうでしょ。
 しかも、日本様式の街が、桜の花に凄く映えるんだよね。

「俺も賛成! サクラ姫と同じ名前の国なんて、ステキじゃん!」

「ウン。僕は、『おっととトト国』が良いと思ってたけど、我が主の意見に従う。
 何故なら、僕は出来た妻。
 いつでも、旦那の後ろに百歩下がって歩く慎ましい妻なのだから!」

 ナナミさんは相変わらず、意味の解んない事言ってるし。

 兎に角、俺が治める領都は、何故か国じゃないのに、サクラ神聖国と決まってしまったのであった。
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