無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ

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195. ミウはどうやら綺麗好きであった

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 俺達は、喋り疲れて、やっとこさ初心者冒険者御用達の宿屋に入る。

 というか、思ったほど悪い感じはしない。
 1階は、食事処兼、酒場になっていて、とても繁盛してるし。

 取り敢えず、俺は空いてる部屋が無くなるのが嫌なので、食事する前にチェックインする事にした。

「あの?泊まりなんだけど?連れの妖精も居るのだけど、一人分の料金で大丈夫か?」

 俺は、給仕をしてた、妹のリーナと同じ位に見える女の子を捕まえて質問する。

「ああ。泊まりのお客さんですか!小さい精霊さんの場合は、無料ですよ!
 まあ、大きな精霊さんの場合は料金が掛るので、召喚しないで泊まるのが普通ですけどね!」

 小さな給仕は、最も過ぎる回答をする。
 まあ、確かにデカイ精霊だと、一人部屋に一緒に泊まるのは無理だもんな。
 ミウみたいな小さい妖精なら、確かに部屋の大きさは関係ないから、OKという事らしい。

「じゃあ、部屋をお願いできるか?」

「ハイ!1部屋ですね!それなら先払いで、1日素泊まり5000エルになります!」

 俺は、冒険者ギルドで両替して貰ってた、この大陸の通貨エルでお金を払う。

「毎度あり!」

 女の子は、嬉しそうに元気にお金を受け取る。
 そして、俺は、女の子のから鍵を受け取り、建物の2階にある部屋に案内してもらう。

「体を拭くお湯はサービスですから、欲しい時は宿屋の者に言って下さいね!」

「ああ」

 一通り説明すると、給仕の女の子は帰って行く。すると、それを見計らってから、

「部屋狭!」

 開口一番、ミウは、不平ツッコミを入れる。
 宿屋の従業員の女の子が居なくなるのを見計らっての不平ツッコミとは、無駄にTPOを弁えてる大妖精様である。

「まあ、初心者冒険者の部屋ならこんなもんだろ」

 俺は、不満タラタラのミウを、契約者として窘める。

「というか、この部屋、ちょっと臭い!」

「そうか?俺はそんなに気にならないけどな?」

 俺は、そもそも貧乏準男爵家の三男坊なので、匂いなど全く気にしない。
 汚れなんかも、小さい時から泥だらけになって、井戸を掘ってた男だよ。
 普通に、泥だらけで井戸の中で、昼寝とかもしてたしね。

「僕は、トトと違って綺麗好きな女の子なの!」

「仕方がないだろ?汚いのは兎も角、臭いのはどうしようもないんだから?」

「トト、僕を誰だと思ってるの?僕は大妖精ミウ様なんだよ! こんな匂いなんて僕の魔法で、ちょちょいのちょいだよ!」

 そういうと、ミウは部屋の中を飛び回り、虹色の羽根から金色の鱗粉を撒き散らす。

「おい!部屋の中で、鱗粉撒き散らすなよ!」

 俺は、慌ててミウに注意する。
 だって、ミウは余計に部屋を鱗粉で汚してるし、俺はそもそも毒蛾アレルギーなのである。

「り……鱗粉って、失礼な! この粉は聖なる粉!所謂、聖粉って奴なんだけど!」

「製粉?その粉、麦かなんかを製粉したものなのか?」

 俺は、毒粉じゃなくて安心する。

「違うから! 聖なる粉って、ちゃんと言ってるでしょ!」

「でも、金色の粉が振り掛かったら、布団や床が汚れるだろうが!」

「だから、良く見ときなさいって!」

 俺は、ミウに言われて、どう見ても毒粉に見える金色の鱗粉を観察する。

「というか、粉が無くなったぞ!」

「ん?それだけかな?」

 ミウは、いたずらっ子のように俺の様子を伺ってる。

「ヨダレのシミとかで茶色かった布団が、真っ白になってるぞ! それから床や家具も、なんか漂白されてる!」

「ふふ~ん! これが僕の鱗粉の力なのです!」

「鱗粉って、やっぱり鱗粉だったのかのよ!」

 やっぱり普通、昆虫系の羽根から出たら、鱗粉だよね。

「聖なる粉と言われてる鱗粉ね!僕の鱗粉には、なんでも若返らす効果があるんだよね!」

 ミウは、鼻高々に胸を張る。

「お前の体液飲まなくても、若返えれるのかよ!」

 そう、俺はミウの涙を飲んで寿命が延びたのだ。

「ん?鱗粉の場合は、若返させれるけど、寿命は延びないよ。ただの美魔女になるだけで、寿命になったら、コロッと死んじゃうし。
 僕の鱗粉で出来るのは、植物とか、木とか、それからそれで出来た製品も作った当初まで、若返えさせられるのです!」

 どうやら、ミウの体液を飲むと寿命が延びて、鱗粉は若返りの美魔女効果があるみたいである。
 こりゃあ、世界中の権力者や王様が、ミウの能力知ったらミウ争奪戦が起こるのは必須である。

 まあ、だけれども、俺はそんな事には全く興味ないんだよね……
 俺的には、部屋の掃除の方が気になる所。
 だって、俺のサクラ神聖国の城って、めちゃくちゃ部屋が多いからね。

「お前、とんでもなく有能だったんだな。街の清掃の仕事とか請け負ったら、ボロ儲けできるんじゃないのか?」

「トト、アンタ、大妖精である僕に、掃除の仕事なんかやらせる気?!」

「ダメなのか?儲かるぞ?」

「えっ、どんぐらい儲かるの?」

「取り敢えずは、安宿に泊まらなくてもよくなると思うぞ」

「なら、やる!」

「お前、プライド高い大妖精様じゃなかったのかよ!」

「だって、汚い部屋に泊まるぐらいだったら、鱗粉ぐらいいくらでも出すよ!」

「でももう、汚い部屋には、お前は泊まる必要ないだろ?
 お前が鱗粉撒き散らすだけで、どんな部屋でも綺麗になるんだから?」

「そう言われればそうか。じゃあ、掃除の仕事はパスね!
 この部屋も、綺麗になったし、匂いも気になら無くなったから、全く問題なくなってたわ!」

 どうやら、汚部屋問題は、勝手にミウ一人が騒いで、しかも自分で解決してしまったようであった。
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