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第三章 王都へgo!
43. 話し合い
しおりを挟むなんか立ち話も何なので、俺は村長達の縄をとくようにクロメに命令し、マジルカも一緒に、勇者リクトの夢で見たハーフ魔族の村に向かった。
ハーフ魔族の村に到着すると、村の住人達は緊張の面持ちで俺達の事を見ている。
まあそりゃあ、この村は人間達からバレないように暮らしているハーフ魔族の隠れ里。もろ人間のマリアや、人間側である獣人のクロメが来たら緊張するよね。
勇者リクト達が訪れた時もこんな感じだったし。そもそもあの時など、住人達は家からも出て来なかったしね。
今回は、見知った大魔法使いマジルカと村長達と一緒に訪れたので、家から出て来ているのだろう。
村の雰囲気はそんな感じで、俺達は、そのまま村長の家に案内される。
確か、勇者リクト達が訪れた時は、ここの家の人達全員、ビッチシリカに追い出されて、馬糞だらけの馬小屋で寝たんだよね。本当に可哀想。そんな事を思いつつ、俺達はリビングに通される。
そしてテーブルの椅子に座ると、大魔法使いマジルカが話しを切り出した。
「それで村長、この村のハーフ魔族は、魔王軍に加わる決心はついたのかな?」
「それは……」
「この王国は、魔王を倒した勇者リクトを処刑したのだぞ?」
マジルカの圧が凄い。
「ですので……私も混乱してるのです。シリカ姫を信じるのか……勇者リクト様が、本当に王国を裏切ったのか……」
どうやら村長は、まだ決めかねているようだ。というか、この村長、まだビッチシリカの魅了が解けてない気がする。
だけれども、優しくしてくれた勇者リクトが処刑された事に対しては思う所があるようにも感じられる。
感じとしては、前に勇者リクトが訪れた状態のまま。勇者リクトが処刑された後、新たにシリカ姫の魅了は受けてないように思われる。じゃなければ、村長が迷う筈ないしね。
それにしても、やっぱりサッパリ分からん。
勇者パーティーが魔王を倒したのに、また魔王軍?やはり、新たな魔王が誕生したのだろうか?
そして、シリカと王国に恨みがあるマジルカは魔王軍に加わり、そして、弱体してる魔王軍を立て直す為に、今はハーフ魔族を勧誘してると。
だけれどもハーフ魔族も、どっちに付けば良いのか分からない状況なのだろう。
ハーフ魔族は、魔族からも人族からも迫害されてるようだしね。
まあ、今の状況だけ見れば、シリカ姫の方が正しいようにも感じられる。
実際、大魔法使いマジルカは、現在、魔王軍に居る訳だし。昔の魔王を倒して、勇者リクトが新しい魔王に成り代わろうとしてたって話は、今の状況を見れば、やはり正解だと思われるし。
『これは、もう俺達、勇者リクトの敵討ちする必要なさそうだよな……』
俺は念話で、クロメに話し掛ける。
「ククククク。これで全力で世界征服に舵を切れますね。ビッチシリカのような小物の相手に、わざわざ至高なる卍様が手を下す必要など元々無かったのです。この国を滅ぼすのに、卍様の巨大過ぎる力は不要。卍様の地獄にいる66番目ぐらいの下僕に任せておけば良かったのです」
何言ってるのクロメさん……俺って、地獄に66もの下僕が居るの?クロメの考えた俺の設定が、ドンドンとんでもない事になっていってるんだけど。
兎に角、クロメは嬉しそう。ずっと、グフフフフフと含み笑いしてるし。どんな邪悪な計画立ててるんだろう。
まあ、クロメにとって、シリカ姫とアレクサンダーを殺して、この国を滅ぼすのは、俺が世界征服を成し遂げる為の次いで。
そもそも俺、世界征服などする気ないのだけど、クロメは俺が世界征服をしたいと完全に思い込んでいるのである。
「ん?リクトは、世界征服するつもりなのか?」
マジルカが、突然のクロメの邪悪過ぎる独り言に反応する。
クロメと勇者リクトが、念話かなんかで話し合ってる前提で。
どんだけ飲み込みが早い人なのだろう。クロメの設定が分かるなんて。
まあ、実際は間違ってて、俺は勇者リクトじゃないんだけどね。
「そしたら、リクトは魔王軍に入ればいい。元々、新魔王軍はリクトの敵討ちをする為に、私が立ち上げた軍団なのだから」
なんか、マジルカまでよく分からない事を言っている。
魔王軍が、まさかの勇者リクトの敵討ちする為に、マジルカが立ち上げた軍団だと?だとすると、誰が新魔王してるんだ?まさか、マジルカ自身が魔王をやってる訳じゃないよな?
『愚かなる愚者マジルカよ! 何度も言うが、我が主、卍様は、勇者リクトとは別人格だ! 勇者リクトは、ただの卍様のボディーとして差し出された、ただの贄だと言っている!』
何度も、マジルカが俺の事を勇者リクトと言うから、クロメがプンプンに怒っている。
「リクトは、そういう設定を楽しんでいるのね。新たな魔王様は、リクトもよく知ってるティターニアちゃんだから、喜んで受け入れてくれる筈よ!」
本当に、全く分からん。誰?ティターニアちゃんって?
「クッ! まだ、我が主、卍様を愚弄するか!卍様が、その卑猥な体を気に入ってると思って優しく接してやってたのに、この世界の弱小なる魔王の配下になれだと?片腹痛い。卍様は、異世界の大魔王にして、地獄の帝王!その卍様が、この世界の魔王の軍門に下る訳なかろうが!!」
急激に、クロメが、俺を通して地球からの禍々しい魔力を吸収していく。
俺も、有り得んぐらいに青白く光り輝いてるし。もうクロメさん、怒りの頂点に達して極大魔法の詠唱を始めちゃってるし。これは止めれん奴だ。
『ポチタロペス!!』
俺は、急いで、村長の家の外に待機していたポチタロペスを呼ぶ。
ポチタロペスは、村長の家の壁をぶち破り、すぐさま俺の元に馳せ参じる。
『クロメが暴走してる! 急いで、クロメを拾ってこの場から離れろ!!』
「「「ワォ~ン!!」」」
ポチタロペスは雄叫びをあげると、ペスがすぐにクロメを咥え、一目散に、ハーフ魔族の村から疾走したのだった。
こうして、マジルカが何で生きてるの?とか、色んな事が何も分からないまま、クロメの中二病の暴走により、魔王軍とは決別したのであった。
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