【R18 】必ずイカせる！ 異世界性活

１. プロローグ

　
　薄暗い６畳位の部屋にパソコンのモニターだけが、ぼんやりと光り輝いている。

　その前で俺、五島 彩斗はネットサーフィンをしている。

　何故、ネットサーフィンをしているかと言うと、新しいオンラインゲームを見つける為だ。

　まだ、誰も知らないオンラインゲームを人より早く見つけてプレイすればそれだけ有利になる。

　どうせやるなら、そのゲームで誰もが知ってる有名なプレイヤーになりたいのだ。

　俺は、つい最近までとあるオンラインRPGゲームの有力ソロプレイヤーだった。

　しかし、ほんの些細な出来事でそのゲームでプレイする事ができなくなってしまったのだ。

　俺は基本ソロでプレーするのだが、たまに他のパーティーに助っ人として呼ばれる事がある。

　ある日、よく誘われるパーティーの女の子に相談を受けたのだ。

　その子は最近、一番大きなギルドのボスに付き纏われて困っていると言う話だった。

　ボスはその子がリアルな世界でも可愛いという情報をどこからかゲットしたらしい。

　俺はそのゲームではβ版からやってた古株で、それなりには影響力があった。

　それで、その女の子は俺に相談してきたという訳だ。

　本当はこんな面倒くさそうな問題、俺の所に持ってくるなと言いたいところだが。

　あいにく、俺の世界はゲームの中だけなのだ。

　学校での人間関係のゴタゴタで中学１年の頃から引き籠っていた。

　引き籠って何もやる事がなく、パソコンでネットサーフィンをしていたらたまたまそのゲームのβ版をみつけ、それから毎日朝から晩までプレイし、お小遣いも全てゲームに注いできた。

　このゲームを始めてから約５年間
　ご飯や、寝る時以外はずっとはINし続けているのだ。

　どれだけ人間関係が苦手でも強くなれば人が寄ってくる。

　俺の強さを利用しようとする者、中には本当に仲良くなりたい者。

　最初の頃は、リアルでの嫌な経験のトラウマの為全ての人を拒絶していた。

　だが、ゲームを続けて行くと1人だけでは出来ないイベントがでてくる。

　俺は仕方がなく、その時その時に誘ってくれたパーティーとイベントをこなすようになった。

　そのうち、俺の心もほぐれてきたのか、ある程度は人と付き合えるようになっていった。

　たまに、仲良くなったパーティーのギルドに入らないかと誘われる事もあったが、またリアルの世界の時のように裏切られるのが怖くて結局はソロプレイヤーを続けていたのだ。

　そんな時に相談を受けた。

　俺には、難しい人間関係の相談に乗れるようなスキルなどない。

　実際にリアルの世界で上手くできなくて、ゲームの世界に逃げてきた人間だ。

　そんな俺に、人間関係の相談を持ちかけるなんて どうかしている。

　ましてや、男女関係なんて……

　俺は、リアルの人間の友達もいなければ、彼女もいない。

　勿論、童貞ボウイだ。

　何で俺に？

　しかし、この問題から逃げる事ができなかった。

　何故なら彼女は数少ない俺に話しかけてくれる女性プレイヤーだ。

　あまりに女性と関わりのない俺は、たまに彼女とゲームの中で喋っただけでもその日のおかずにできる勢いなのだ。

　それで俺は、彼女に付き纏っている大手ギルドのボスに言ってやったのだ。

「これ以上彼女の事をストーカーするなら、俺が痛い目みせてやるぞ！」

　大手ギルドのボスは、俺よりレベルが低い。

　なので俺も強気に出たのだが、それが大きな間違いだった。

　その日のうちに、ボスは強力なギルドメンバーを連れてきて、俺を完膚なきまでに集団リンチをしかけてきた。

　俺は、呆気なくボロ雑巾のようにズタボロにされた。

　痛い目にあったのは俺の方だった。

　俺は、すぐに回復させてボス１人の時を狙って攻撃を仕掛けたが、すぐに仲間を呼ばれて返り討ちにされた。

　それからはマークされて、ログインした途端、ボスのギルドメンバーが現れて速攻でやられてしまう。

　しかし、俺の世界はゲームの中だけだ。

　俺は懲りずに何日も何日もログインし続けたが、その度に一瞬でやられてしまう。

　ログインする。

　殺られる。

　ログインする。

　殺られる。

　ログインする。

　殺られる。

　ログインする。

　殺られる。

　無限ループ。

　回復するにもお金がかかる。

　もうどうしようも無い。

　完全に心が折れた。

　結局、ゲームの世界でも俺を助けてくれる者はいなかった。

　せめてどこかのギルドに所属していれば、なんとかなったかもしれないが……

　そんな訳で俺は今新しいゲームを探している。

　今度は失敗しないように。


　時計を見ると既に夜中の３時だ。

　なかなか俺の条件に合うゲームは見つからない。

　ファンタジーRPGで始まったばかり、欲を言えばβ版が好ましい。

　スタートダッシュで速攻でレベルを上げて、今回はパーティーも作る。

　仲間は少なくてもいい。

　俺を裏切らなければ。

　俺はリアルで多くの友達だと思ってた奴らに裏切られた。

　かと言って、前のゲームのように誰とも距離を置いた付き合い方では、いざと言う時 誰も助けてくれない。

　バランスが大事なのだ。

　アホ見たいに誰彼構わず友達申請しても、意味はない。

　本当に信頼出来る者だけ、仲間になればいい。

　瞼が閉じそうな中、パソコンのモニターをスライドさせ続けていると、ファンタジー世界に来ませんか。限定１人、今すぐ決めれば１００ポイントのボーナス付き。という言葉が目にとまった。

　記事の投稿時間を見ると午前３時とあった。

　パソコンのモニター下の時計を見ると今の時間は午前３時５分だ。

　まだ投稿されて、５分しか経ってない。

　取り敢えず、俺はその記事を開けてみた。

　本物のファンタジーの世界にご招待します。実験の為、限定１人だけ今回特別に
　１００ポイント進呈いたします。

　これはいいんじゃないのか。

　実験というのは、β版の事か。

　これは俺の条件にあっている。

　取り敢えず、入口ボタンをクリックした。

　モニターがゲームのタイトル画面に切り替わると、まるで実写のような……殆ど実写と見間違えるような壮大で美しい街並みや、景色、ダンジョンなどが次々と切り替わっていく。

　オー！ これは凄い。

　当たりゲームじゃないのか！

　続けて、設定ボタンをクリックした。

　[登録ネーム]

　これはいつものように片仮名で
　サイトにする。

　[種族を選んでください]

　人族、エルフ、ドワーフ、犬耳族、猫耳族、リザードマン、悪魔、スライム……etc

　かなり沢山な種族が選べるみたいだ。

　モンスターを選ぶと狩られる側になるのか？

　俺は今回は、人と仲良くなりたいからパスだな。

　エルフも捨て難いが、無難に人族にしておこう。

　[性別を選んでください]

　これも無難に男で。

　もしギルドとかに入ってオフ会があった場合、ネカマだと思われるのは嫌だしね。

　参加するかはわかんないけど……

　[肌の色]

　これも黄色にしておこう。

　今回のアイコンはできるだけ自分に似せていこう。

　髪の色は黒、目の色 黒、年齢１７歳、身長１７５、血液AB型、好きな食べ物プリン、好きな女性のタイプ エロくてどんなプレイもOKで、なんでもいう事聞いてくれる子。

　ん…… 何でこんな事まで聞くんだ？


　…… １００ポイントの為だ。少々の事は我慢しよう。

　[職業]

　戦士、剣士、格闘家、武術家、侍、忍者、魔法使い、僧侶、神官、巫女、商人、奴隷、冒険者、料理人……etc

　これもかなり種類がある。

　下の方へスライドさせると、レア職業というのがある。

　Bランクの職業は５ポイントプラス、Aランクは１０ポイント、Sクラスはプラス２０ポイント。

　Bランクは、賢者、魔導師、騎士、サムライマスター…etc

　Aランクは、大賢者、剣豪、大魔道士、ドラゴンテイマー、魔王…etc

　Sランクは、勇者、大魔王、ダンジョンマスター、大剣豪

　プラス１０ポイントで２つの職業に就く事ができるとある。

　どうするか？

　Sクラスの勇者や大魔王になっても、多分チートすぎて面白くない。

　何事もやりすぎは良くない。

　悪目立ちしすぎる。

　ここは１０ポイント使ってAクラスの大賢者になっておこう。

　前のゲームでは剣士だったので剣豪も魅力的だ。

　１０ポイント使って職業を２つに増やそう。

　Aクラスの剣豪１０ポイントもクリックした。

　ここまでで合計３０ポイントか。


　[能力値]

　｛知力０～１０｝
　これはこれまでの経験から１０だな。魔法とか覚えるのが早くなりそうだ。

　｛素早さ０～１０｝
　これも１０ポイント、素早い事はいい事だ。

　｛攻撃力０～１０｝
　これも勿論１０ポイント付ける。

　｛防御力０～１０｝
　うーん。これも１０ポイントだな。

　｛運０～１０｝
　１０ポイント！

　ここまでで合計８０ポイント消化。


　[スペシャルスキル]

　これも色々ある。

　｛スキル 透明人間１０ポイント｝
　いつでもどこでも透明になれると書いてある。

　モンスターから逃げる時や、不意打ちをかける時以外に使い道があるのか？

　｛スキル 精力増強１０ポイント｝子作りの時、並々ならぬ力が湧いてくる。

　ゲームで子作りできるかよ！

　｛スキル 攻撃力２倍１０ポイント｝
　これはいいな！これに１０ポイント使おう。

　残り１０ポイントか。

　｛スキル魔法攻撃力２倍１０ポイント｝これにも使って１００ポイント消化。

　｛スキル経験値二倍１０ポイント｝

　｛スキル魅了１０ポイント｝
　人を惹きつける能力。

　｛スキルマスター２０ポイント｝
　身に付けたスキルを合体させて進化させる能力。

　｛鑑定１０ポイント｝
　全ての物を鑑定できる能力。

　｛全知全能１００ポイント｝
　なんでも出来る能力。

　ちょと待てよ。
　凄いのがでてきた。
　１度全部見てからやり直した方がいいな。


　[スペシャルアイテム]

　｛賢者の杖５０ポイント｝使った魔法分のMP回復

　｛ミラーシールド５０ポイント｝全ての攻撃を跳ね返す。

　｛エクスカリバー５０ポイント｝何でも切れる剣。

　｛股旅シューズ２０ポイント｝移動スピード１０倍。宿場町での代金２０パーセントoff

　｛スキルスッポンソード２０ポイント｝一定の確率で相手のスキルを獲得できる。

　スキルスッポンソードは、名前はアレだがポイントもお手頃で使えるんじゃないのか？

　もう一度とポイントを割り振って見よう。

　職業:大賢者と剣豪２つの職業を取得して３０ポイント

　スペシャルスキル:経験値２倍、魅了、スキルマスター、鑑定で５０ポイント

　スペシャルアイテム:スキルスッポンソード２０ポイント

　合計１００ポイント。

　欲しいスキルがありすぎて、能力値には全くポイントを振れなかったが我ながらまずまずの振り分けだと思う。

　[確認]をクリックする。

　｛以下の登録情報に間違いはありませんか？｝

　[はい]をクリック。

　｛ゲーム形式と一般形式どちらにしますか？チェックを入れてから[確認]をクリックして下さい｝

　一般形式ってなんだ？

　よく分からんから、ゲーム形式にチェックを入れてみた。

　[確認]クリック。

　パソコンのモニターが切り替わり、空白部分が目立つ描きかけ魔法陣が浮かび上がる。

　｛ダウンロードに１５分程かかりますので、しばらくお待ちください｝

　空白部分の魔法陣に凄いスピードで何やら文字のようなものが入力されていく。

　やはり、当たりゲームだ。

　設定画面でここまで凝っていれば、ゲーム本体の作り込みもかなりなものだろう。

　しばらく眺めていたが夜も遅いせいかすぐに深い眠りに落ちてしまった。

　｛ダウンロードが完了しました｝

　完成した魔法陣が青白い怪しい光を発した。

　次の瞬間、深い眠りについていた五島 彩斗は、パソコンのモニターの中に吸い込まれ跡形もなく消えた。


　ぼんやりと光り輝くパソコンのモニターに魔法陣だけを残して……