【R18 】必ずイカせる! 異世界性活

飼猫タマ

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105. 疾風のイナズマ種田

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「あの~、ガリクソンさん。
 多分、あなた達の実力では、僕達には勝てないと思いますので、降参して欲しいのですが」

 アンちゃんが、『シルバーウルフ』の攻撃魔法を受けきり、モフウフの街中の歓声が収まりかけたのを見計らって、ガリクソンに提案した。

「笑わすな! 我らは『シルバーウルフ』ギルドランキング2位の大手ギルドだぞ!
 それが、地方の田舎魔王などに負ける訳ないだろ!」

『シルバーウルフ』副団長、剣帝ガリクソンは鼻で笑う。

「仕方がないです。
 それでは『シルバーウルフ』の皆さんを皆殺しにしないといけなくなるので、できれば代表者を出し合って、1体1の勝負で、5回勝負で戦いませんか?」

「ふん! 悪くないな!
 こちらとしても、大手ギルドの関係上、強さにバラツキがある。
 これ以上、無駄な血を流すのは得策ではないからな、よって、その勝負、受けてやる!」

 以外にも、ガリクソンが乗ってきた。

「オイ! アン嬢ちゃん、何勝手な事やってるんだ!
 アイツら全員皆殺しにすればいいだけだろ!」

 牛魔王が、納得いかないとアンちゃんに食ってかかる。

「余り、鬼畜なイメージを『犬の尻尾』に付けるのは、得策ではありません。
 姫ちゃんの漆黒の森奪回の為には、漆黒の森の民衆に良いイメージを持って貰わないとなりませんから!」

「クッ! ガブリエル様の為か……
 それを言われたら、俺様としては引くしかない。
 大ボスとガブリエル様に忠誠を誓った身だ。
 そしたら その代表戦、俺を大将にしてくれ!」

 牛魔王は、姫の名前を出されて、仕方がなく引いたが、5回勝負の大将に名乗りでた。

「それは問題ないですよ!
 元々、牛魔王さんに大将をやってもらおうと思ってましたから!」

「小姉御! 俺達も代表戦に出さして下さい! まだ何もしてなくて、体がうずうずしてるんです!」

 ヤナトとスイセイが、ここぞとばかり立候補する。

「私も出たいです! ヤナトとスイセイにだけいい格好させません!」

 クリスティーヌも立候補した。

「待て待て、ここはワシの出番だろ!
 この牛魔王軍、騎士団長の牛田様を差し置いて誰が『シルバーウルフ』と戦うというのだ!」

「待って下さい! 牛田さん!
 私も勿論出ますよ!」

 牛神さんまでも立候補した。

「お前は僧侶だろ?
 回復魔法でどうやって敵を倒すんだ?」

 牛田さんが、最もな事を言う。

「大丈夫です!  ケルベロス教の僧侶は格闘術も嗜《たしな》みます!
 牛魔王様の元では、攻撃担当の者がたくさんおりましたので、格闘術を誰にも見せた事はありませんが、そこそこ自信がありますので!」

 何故か、牛神さんまで参加したいと名乗り出た。

「牛神さんまで出たら、私が出れなくなるじゃない!
 5人しか出れないんだから、ヤナトかスイセイのどちらか一人辞退してもらって、アンさんと牛魔王様と牛田さんと私で決定でいいんじゃない?」

 クリスティーヌが、自分の都合の良いように仕切り出す。

「あの……僕は出ませんので……」

 アンちゃんは申し訳なさそうに辞退する。

「小姉御! 出場しないんですか?
 小姉御が出れば、1勝は確実だったのに!」

 ヤナトが残念そうに、肩を落とす。

「そしたら後1人抜ければ、代表決定だな。
 お前ら、俺が大将なのは決まっているのだから、後はとっとと決めろ!」

 牛魔王は、アンちゃんに大将を指名されているので、他のメンバーを決める事には興味が無いようだ。

「私は絶対にイヤよ!」

 クリスティーヌが牽制する。

「『シルバーウルフ』は、牛魔王様の城に攻めて来ておるのだ!
 それなのに、牛魔王軍、騎士団長の俺が出ないのは、体裁が悪いだろう!」

 牛田さんも、額に汗をかきながら必死でアピールする。

「やはり、イケメンの僕が出ないと、数字が稼げないだろ!」

 イケメン剣士スイセイが、歯をキラリと輝かせながら訳の分からない事を言い出した。

「分かりました! 1チームだけ、2人1組でいいか、『シルバーウルフ』さんに交渉して見ましょう!」

 アンちゃんが、日和見主義の適当な打開策を出した。

「そんな都合の良い事、認めてくれるのでしょうか?」

 牛神さんが心配そうに、ぼそりと独り言を言ったが、以外にも、あっさりと『シルバーウルフ』からOKを貰えた。
 『シルバーウルフ』も、出場メンバーを誰にするかで、揉めてたのかもしれない。

 結局、協議の結果、クリスティーヌと牛神さんがパーティーを組む事になって丸く収まった。

 『犬の尻尾』の先鋒は、ヤナト、次鋒は、クリスティーヌと牛神さん、中堅スイセイ、副将 牛田さん、大将 牛魔王に決まった。

『シルバーウルフ』の先鋒は旋風のイナズマ 種田、次峰 大賢者サナル、大剣豪ナナイ、中堅 魔剣士アマゼウス、副将 獣王クマオ、大将 剣帝ガリクソン。

「選手が両チームとも決まったようですので、第1回戦を始めたいと思います!
 戦闘場所は、モフウフの街の王城がある4分の1の区画で行ってもらいます!
 メリルさんに【上級結界】を張ってもらいますので、思う存分に戦って下さい!
 勝敗は、相手を殺すか、参ったするかです。
 再起不能で参った言えない場合は、味方が白旗をあげれば、そこで負けを認めます。
 審判は、僭越ながらアン·ゴトウ·ドラクエルが、厳正に、父の名に誓って行います!
 何か質問は御座いますか?」

「何もない! 勇者パーティー副団長ドラクエル殿の娘が、父の名に誓うと言っているのだ!
 それに、意義を唱える事など騎士として出来ようか!」

 剣帝、黒騎士ガリクソンが、異議無しと返答した。

「それでは、先鋒『カワウソの牙』団長獣戦士ヤナトさん、『シルバーウルフ』旋風のイナズマ種田さん前に出てきて下さい!」

「小姉御! 見ていて下さいね!
 ブリトニー姉御に修行をつけてもらった成果を見せてやりますぜ!」

 ヤナトは、拳と拳をぶつけて気合いを入れる。

「ヤナト?聞いた事もないな……
 フッフッフッフッフ、二つ名持ちの俺にかなうと思っているのか?」

 旋風のイナズマ種田さんが鼻で笑いながら、何か言っている。

「フンッ! そんなのやって見ないと分からないだろ!
 俺達は、毎日、お前らの常識では考えられないような恐ろしい、恐ろしい、恐ろ……恐……恐………カチカチ……カチカチ……」

 ヤナトは突然、ガクガク震えだし、オシッコを漏らしてしまった。

「ちょっと! ヤナト君、どうしちゃったの!」

 アンちゃんが慌ててヤナトに往復ビンタする。

「ハッ! 余りに恐ろしい、ブリトニーの姉御の修行を思い出し、我を忘れチビってしまいました」

 旋風イナズマ種田さんは、いきなり震え出し、オシッコを突然漏らしたヤナトに、思いっきりドン引きしている。

「ヤナト君、落ち着いた?」

「ハイ! もう大丈夫です!
 いつでも、試合を始めてもらってOKですぜ!」

「そう……それでは第1回戦を始めたいと思います。 5回勝負、第1回戦、始め!!」

 始めがかかった瞬間、疾風のイナズマ種田さんが、先手をかける。

 目にも留まらない速さで、ヤナトの間合いに入り、逆手に持った短刀をヤナトの首筋を狙って斬りつける。

「もらった!」

 種田さんは、ヤナトの首筋を切り裂いた……
 筈だが、手応えがまるで無い。

 ヤナトは1歩だけ下がって、薄皮一枚触るか触らないかのギリギリの所で避けた。

「クッ! 避けられたか!」

 疾風のイナズマ種田さんは、続けざまに攻撃を連続で続ける。

 スッ! スッ! スッ!

 全ての攻撃を薄皮一枚、ギリギリ触るか触らない所でヤナトは避けきる。

「あのぉ……『疾風のイナズマ』の二つ名を お持ちの種田さん。
 このスピードが、もしかして限界のスピードなのか?」

 ヤナトは、不思議な顔をして種田さんに質問した。
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