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第二章 ハウエバー系 第901辺境惑星 編
9. 今日、遂に人類になる!
しおりを挟む「では、ご主人様のお母さんになる人を、宇宙船に攫ってきますよ!」
「お前! 俺のお母さんになる人を、攫うとか言うな!」
俺は、サヤの物言いに激怒する。
だって、俺のお母さんになる人だぜ。
俺は、人類時代、元々母子家庭の家で育ったので、お母さん孝行したいのだ。
俺は人類時代、母親より早く死んでしまって、全くお母さん孝行できなかったのである。
なので、人類時代の記憶が戻った俺は、どうしても親孝行というものがしたいのだ。
グレイ種族の場合、全てのグレイは試験管ベービーなので、ハッキリ言うと誰が親なのか解らない。
そういう事情もあり、今は無性に新しい両親に興味があるのである。
人類時代は、父親の顔も見た事なかったので、もし自分に父親が出来たら、どうなるのか?という興味とかもあって、ウキウキワクワクでもあるのだ。
「それでは言い方を変えて、お母様が睡眠してる間に、宇宙船に招待致しますね!」
俺の指摘を受けて、サヤは言葉使いを変えた。
「そう!それでいい。これから俺のお母さんに対して物言いは、気を付けろよ!」
「了解です」
サヤは、珍しく、真面目に返事をする。
というか、最新鋭AIの癖に、ちょっと緊張気味?
多分だが、俺の膨大な記憶を、母親のお腹の中のミジンコくらいの赤ちゃんの脳ミソに全てインプットするのは、例え最新鋭AIのサヤをもってしても、難しい事なのだろう。
そしてサヤは、早速、小型船に乗り込み、俺の母さんになる人を、麻酔銃で眠らせ、地上から宇宙船に攫って来たじゃなくて、招待したのだった。
そして今も、俺の父親になる人は、何も知らずに家で熟睡してるらしい。
「この人が、俺のお母さんかよ……」
俺の母親になる人は、黒髪の目鼻立ちが整った美人さん。流石は、サヤが厳選した人物である。
しかも、レアなスキル持ちらしい。
スキルというのは、『恋愛イチャイチャキングダム』に出てくる、13歳になると女神ナルナー様から貰える特殊技能の事である。
そう、サヤは、そんな所まで、第901惑星で成し遂げてしまっていたのだ。
なんでも、901惑星に漂う人の願いを叶える成分を含む微弱ガスと、グレイギャラクシー帝国の誇る科学技術を掛け合せ、スキルシステムを構築したのだとか?
感じとしては、学校に通う学生にタブレット配る感じだと言っていた。
なんでも、13歳になると、全901惑星の人類全てに、勝手にスキルがダウンロードされるらしい。
これも全ての901惑星の人類が、マイナンバーカードで管理されてるから出来る事だと、サヤはドヤ顔で自慢していた。
因みにマイナンバーカードと言ってるが、生まれた時から両親から引き継がれたナノマシンが子供にも引き継がれ融合し、新たなスキルが13歳になると形成されるシステムらしい。
スキルは所謂、親ガチャ?
スキルの要素、両親からの遺伝と、後は思いを具現化する微弱ガスの影響もあり、強い願いとかも関係があるのだとか。
何故だか解らないが、俺は、眠るこれから母親になる人を見てたら感動してしまう。
まだ、全く俺と関係ない人なのだけど、これから自分の母親になると思うと、何だかね……
「この人が、僕が厳選したマスターのお母さんになる人です。因みに、5代前から優秀な遺伝子を厳選して交配させた自信作です!」
「だから、俺の母親を物のように言うな!一応、本人達は自由恋愛で結婚してると思ってるんだろ?」
「ですね。無理矢理、お見合い結婚とかもさせた場合もありますけど、ほぼ自由恋愛で結婚したと思わせてます!」
「まあ、それなら良いのだけどな……」
本人が自由恋愛と思ってるなら、それはそれで良い。
日本でも大昔は、親が決めた相手と結婚してたと聞いた事あるし、良く考えたら、結婚相手を勝手に決められるのはよくある事だった。
「それでは、今からオペを始めます!
最初に言っておきますが、ご主人様が記憶を思い出すのは、ご主人様が8歳の誕生日を迎える日になります!
それは、流石の僕にも、ミジンコほどの脳みそに、莫大なご主人様の記憶を移動させるのは無理なので、ご主人様の記憶を圧縮して、8歳の誕生日に記憶解凍する方式にしました!
因みに、ご主人様の転生先の家は、カララム王国の南東、イーグル辺境伯の所領の近くで、東側は帰らずの森に面した、騎士爵家の家の長男として生まれる予定です!
ご主人様の趣味趣向を帝国データベースで検索して、所謂、悪役令嬢モノのモブ転生というジャンルを選択しておきました!」
サヤが、俺の地上での立ち位置をレクチャーしてくれる。
「騎士爵家で、帰らずの森の隣の領地という事は、サラス帝国との大戦で武功を上げて、爵位を得た新貴族の家柄だな!」
「ですです! 超有能なご主人様の父親が、武功を上げて、帰らず森周辺領地の中でも、比較的裕福な南の領地を手に入れたのです!」
「俺の父親、すげーじゃん! そして、騎士爵家という家柄も、調度良いモブ加減だし。それで俺はハイスペックで生まれるんだろ?これはモブ無双できちゃうんじゃね?」
俺は思わず興奮してしまう。憧れの異世界転生。それも悪役令嬢モノのモブ転生なんて、俺がやってみたかったシュチュエーションなのだ。
「本当に、僕は頑張ったんですからね!ご主人様が、このシュチュエーションを得る為に、物凄く苦労したんですから!
ちょっと、非人道的な事もしちゃいましたが、それはそれ、最終的には上手くいきました!」
なんか、サヤが、最後の最後でなんか怪しい言葉をぶっ込んできた。
「お前、非人道的って何したんだよ?!」
「人道的に良くなくても、グレイ道的には大丈夫なので、まったくもって問題ありませんから!」
「だから、何したんだよ!」
「ですから、大丈夫ですって!」
「大丈夫でも、言え……」
「ですから、お母さんを攫わせてって……あれ?もう麻酔が効いてきちゃいました?まあ、良いです!
それじゃあ、早速、オペを始めちゃいます!」
こうして、俺は、サヤから重要な事を聞きそびれたのは一抹の不安であったが、遂に、憧れの人類に転生する事になったのである。
ーーー
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