大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ

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第二章 ハウエバー系 第901辺境惑星 編

12. エルフでただのエルフで、おばあちゃん

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「おはよう。ヨツバ」

 俺は、エリスさんの声で目が覚める。
 というか、顔が近い。

「ていうか、俺、床で寝てた筈なのに、なんでベットに寝てるの?!」

「それは、頭の中にガンガン声が聞こえて来て、ヨツバをベットで寝かせろ寝かせろうるさかったので、ベットに一緒に寝かせてみた」

 なんか、またエリスさんが意味分からない事を言っている。というか、俺、エリスさんと一緒に寝てたのかよ!

「ちょっと困ります! 結婚前の若い女性が、例え、僕が5歳の子供だとしても、一緒に寝るなんてダメですよ!」

 エリスさんの今の立場は、うちの下宿人。お金を貰ってるので、敬語で話さなければならない。
 礼には礼につくせとか、そういう所は、母さんにしっかり育てられているのだ。

「私は、見た目より若くない。おばあちゃん」

「確かにエルフの寿命は長いと言いますけど、だけど見た目が20歳そこそこにしか見えないので……」

「大丈夫。2000歳のおばあちゃんだから」

「200歳の間違いでしょ!長寿種のエルフでも2000歳までは生きれませんからね!
 そして、例えおばあちゃんであったとしても、僕とエリスさんは赤の他人だから一緒に寝るのは不健全です!」

「それなら大丈夫。昨日の夜、上の人から聞いた。どうやらヨツバと私は他人じゃない。しいて言うなら、私はヨツバのおばあちゃん」

 もう、この人が本当に何を言ってるのか分からない。多分、この人の訳のわからなさは、俺だけしか知らないだろう。
 だって、人と話してるという噂など聞いた事がないから。

「本当に何言ってるんですか?僕にエルフの親戚はいませんよ?」

「これは確か。何故なら上の人が言っていた。上の人の情報は正確だから」

「だから、母さんの実家は、人族至上主義国家のサラス帝国の公爵様って、昨日言ってたから、絶対にエルフの血なんか混ざってないし、父親もエルフじゃないし、耳も尖ってない普通の人間だったと母さんから聞いてるし!」

 俺は、エリスさんの、言葉を全否定する。

「ヨツバの父親は孤児の筈。だから、ヨツバの父親は自分の両親の事は知らない」

「なんで、俺の個人情報、そこまで詳しいんだよ!」

 一応、金払っ貰ってる下宿人だから、敬語で話してたけど、ヨツバはもう面倒くさくなってきてしまった。

「上の人が言っていた。ヨツバの父親は、私の元旦那と人間の女から生まれたハーフ。そして、人間の女の血が強くて、耳は尖らなかったらしい」

「それは本当の話なのか?」

 なんか、少し真実味のある話に思えてきた。ちょっとヨツバ的に、気になってた部分があるのだ。

「上の人は嘘付かない。なので、ヨツバの父親は、美形で、人族では有り得ないレアなスキルを持ってた筈」

 確かに、俺の父親は母さんが一目惚れしちゃう程の美男子だと言っていた。
 そして、確かに、俺の父親のスキルは、瞬間移動という人族では有り得ないレアなスキルを持ってたのである。
 母さんは、その瞬間移動スキルによって、カララム王国に攫われて来たと言ってたし。

「いや……その話が本当だったとして、俺とエリスさんって、そんなに近い間柄だったのかよ……でも、全く血は繋がってない訳で、だけど、一応、俺のおばあちゃんなのは確かな訳で……」

「だから、私とヨツバは他人ではない、これからは私の事をおばあちゃんと呼ぶように!」

 何故か、エリスさんはドヤ顔。

「いきなり呼べるかよ! しかも昨日始めて会ったようなもんだし!
 それも、全く血の繋がりがないばあちゃんなんだろ?!」

 なんか知らんが、エリスさんが両膝を付いて落ち込んでいる。
 俺、そんなに酷いこと言ったか?血の繋がりがないのは事実なんだし。

 とか思ってると、

 パリーン!!

 俺の部屋の廊下の入口で、多分、下宿人のエリスさんの為に朝食を持って来たであろう母さんが、朝食の皿を落としてしまってるし。

 そして、何故か瞳を潤ませて、

「お義母様!」

 膝を着いて落ち込んでるエリスさんに、泣きながら抱き着いた。

 多分、母1人子1人で、生まれ故郷じゃない、全く知らない国で暮らして、不安な事もたくさんあったのだろう。

 そこへ、突然、血の繋がりが全くないけど、夫の義母を名乗る人が現れたのだ。
 俺に心配させまいと、今まで無理して頑張って来たのだ。
 そんな、張り詰めてた気持ちの糸が、突然、身内が現れた事で、プツンと切れてしまったのだと思われる。

 そして、これも多分だけど、母さんは、エリスさんが俺の父親と全く血が繋がってない事を何とも思ってない。
 そう。うちの母親は、大貴族の娘なのである。
 家の主人に、正妻以外に妾が何人いようが、全く気にしてないのだ。

 多分だが、トロンボーン公爵家の中にも、普通に自分と血の繋がりない、義妹、義弟とかの義母さんが住んでいて、普通に仲良く暮らしていたと思われる。

 なので、その感覚で、母さん的に、エリスさんは正真正銘の夫のお母さんで間違いないのだ。

「私はエリスで、グロリアの母さんで、ヨツバのおばあちゃんで、血の繋がりのないおばあちゃん」

 うん。エリスさんの言う事は正しい。
 そして、母さんが、エリスさんの事を義母と認めるなら、俺はエリスさんの事をおばあちゃんと認めるしかないのだ。

 それで、母さんの肩の荷が降りるなら、俺はエリスさんの事をおばあちゃんと、幾らでも呼ぼう。
 それが、今迄、俺を女手1つで育ててくれた母さんへの恩返しだと思うから。

 ーーー

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