大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ

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第二章 ハウエバー系 第901辺境惑星 編

56. カララム王、アレクサンダー・カララムの考え

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「これは、事を性急に動かさなければならぬな」

 カララム王国剣術祭、子供の部。準決勝ヨツバ・ウッドペッカーVSカトリーヌ・グリズリー戦を、貴賓室で観戦してたカララム王アレクサンダー・カララムは、ポツリと呟く。

 13歳になれば、必ず、ヨツバ・ウッドペッカーの父である、瞬光ミツバ・ウッドペッカーのように、【転移】スキルを授かるだろうと思っていたのだが、まさかの10歳で、【転移】スキルを使えるようになるとは、流石のアレクサンダー・カララムでも理解の範疇を越えていたのだ。

 まあ、去年の大会に、カレン・イーグルが、13歳になる前に、スキルを発動させたという前例があるが、まさか2年続けて、13歳になる前に、スキル発動させてしまう若者が現れるとは、流石のアレクサンダー・カララムでも思わなかったのである。

 そして、試合が終わると同時に、グリズリー公爵夫妻が、試合後すぐに回復した娘カトリーヌ・グリズリーを連れて、王族専用の貴賓室に乗り込んで来たのである。

「王よ!見ましたか!ヨツバ・グリズリーが、【転移】スキルを発動させましたよ! 約束通り、第1王子ルイ王子とカトリーヌの婚約は破棄させて頂きます!」

 熊のような大柄の体のグリズリー公爵が、物凄い圧で、カララム王に詰め寄ってくる。

「ああ、そうじゃったな。ワシは、もし、ヨツバ・ウッドペッカーが、父親のミツバ・ウッドペッカー同様に【転移】スキルを授かれば、ルイの奴とカトリーヌ嬢との婚約を破棄しても良いと言った!
 何故なら、【転移】スキルを持つ者を、この国に留める事は、例え王族との婚姻よりも大事な事じゃからな!
 そして、そんな破格スキルの【転移】スキルを持つ者のハートを射止められる可能性がある、ヨツバ・ウッドペッカーと歳が近い、高位貴族の子女であるカトリーヌ嬢を、親から見ても凡才であるルイの許嫁にしておくのは惜しい!
 なので認めよう! そして、カトリーヌ・グリズリーよ! 必ずや、ヨツバ・ウッドペッカーのハートを射止め、自らのものにしてみせよ!」

 第15代カララム王アレクサンダー・カララムは、威厳を持って、カトリーヌ・グリズリーに言い放つ。

「ハハー!王よ。必ずや、ヨツバ・ウッドペッカーを、我が伴侶に射止める事を誓います!」

 カララム王の威厳に満ちた物言いに臆する事なく、カトリーヌ・グリズリーは、流石は、この国最高の高位貴族子女らしく、完璧なカテーシーをして、カララム王に答えてみせたのだった。

「だが、解っておるとは思うが、お主の敵は多いぞ! グリズリー公爵家と同じように、イーグル辺境伯家とも、同じ約束しておるのでな!」

 カララム王は、ニヤリと笑う。
 カララム王国としては、ヨツバ・ウッドペッカーが、この国に留まればなんでも良いのである。
 グリズリー公爵家のカトリーヌ嬢でも、イーグル辺境伯家のカレン嬢でも、【転移】スキルが、カララム王国の高位貴族の血筋に残りさえすれば。

「その辺の所は、既に、イーグル辺境伯家のお兄様と話はついてますわ!」

 イーグル辺境伯家出身のグリズリー公爵夫人ビクトリア・グリズリーが、何事でもないように返す。

「カッカッカッカッカッ!そうじゃったな!イーグル辺境伯家は、そういう血筋じゃった!」

 カララム王、アレクサンダー・カララムは、全てを察し高笑い。
 そう、イーグル辺境伯の血筋の者達は、強者の血を求め、強さと甲斐がある者ならば、例え、どんな卑しい血の者であっても、貪欲に血を取り込む血筋の者達なのである。

 そして、そんな強い者の血を取り込めるなら、どんな、手段も厭わないし、普通に親、兄弟姉妹、親戚同士で分け合う事も、なんとも思わない血筋なのである。
 過去には、姉、妹、三女が同じ男と結婚した事もあるほど、強い男をイーグル辺境伯の血に取り込むなら、なんだってしてしまうのだ。
 それが、【移転】スキルのような、とんでもない激レアスキルなら尚更。

 実は、イーグル辺境伯家は、カララム王家の血さえも、過去に取り込んでいたりするのだ。

 良くも悪くも、これから、イーグル辺境伯の血筋の女達の、ヨツバ・ウッドペッカー争奪戦が起こるのは必至。

 現在、イーグル辺境伯家の血筋で、ヨツバ・ウッドペッカーと同年代の貴族子女は、グラスホッパー家にも数人居ると、カララム王アレクサンダーは、既に、部下から報告を受けている。

「クックックックックッ、これは面白い事になるのう!」

 何故か、これから起こるであろうイーグル辺境伯家の血筋の女達による、血で血を洗うヨツバ・ウッドペッカー争奪戦に、思わず興奮してしまうのは、カララム王自身も、イーグル辺境伯の血筋の者であるに、他ならなかったのだ。

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