25 / 264
第一章 ヨナン・グラスホッパー編
25. 売り切れ御免!
しおりを挟むなんか、実家で色々やってた為、再びカナワン城塞都市に着いたのは、夜の11時。
コナンとシスは、もう、ベッドで熟睡しており、ヨナンも今日は、そのまま城塞都市の城門の前に寝る事にした。
そして、朝、キャンピングキッチントレーラーの前が騒がしいのに気付いて目を覚ます。
「なんか、騒がしいな……」
『ご主人様。みんな、ご主人様の店が開くのを待ってるんですよ!』
「店? 店って、俺のキッチンカーの事か?」
『そうですよ! 早く、石焼き芋の準備をして下さい!』
ヨナンは、鑑定スキルに言われて、慌てて石焼き芋の準備を始める。
そして、今回、前回の反省を活かし、店の前に、飲食用のテーブルと椅子も用意していたりする。
「ヨナン兄ちゃん、おはよ~」
「おはよ~」
どうやら、コナンとシスも起きてきたようである。
「オイ! コナン、シス、悪いけど、そこにある机と椅子を店の前に並べといてくれないか?」
「え? お店?」
「お店って?」
コナンとシスは、首を捻る。
「言ってなかったか? 兄ちゃん、カナワン城塞都市で、石焼き芋屋をやってるんだ!」
「え? そうなの?」
「そうだ。だから少し急いでくれないか。お客さんが、もう、外で待ってるから!」
「分かった!」
「は~い!」
コナンとシスは、急いで、テーブルと椅子を出し、キッチンカーの準備を手伝う。
「それでは、開店しま~す!」
ヨナンは、公爵芋の石焼き芋屋の開店を宣言する。
「やっぱり、お前だったか! 昨日と荷馬車の形が大分変わってたけど、馬が同じだったからな! 早速、公爵芋を1つ売ってくれ!」
どうやら、最初のお客は、カナワン城塞都市の門兵であるようだ。
「はい! 600マーブル頂きます!」
「私は、4つ!」
「はい!2400マーブルになります!」
「この芋は、一体、なんていう品種の芋なんだ?」
「グラスホッパー騎士爵領原産の公爵芋といいます!」
「この芋は、グラスホッパー騎士爵領に行けば、仕入れれるのか?」
「出来ますよ! まあ、その場合、1つ300マーブルになりますね!」
「ところで、グラスホッパー領とは?」
「一応、カナワン伯爵領の隣の領地で、ここからだと、荷馬車で8時間程の距離ですね!
明日からだったら、多分、僕が、ここでお売りする事も出来ますよ!」
「じゃあ、明日、ここに買いに来る」
「何キロ程、ご入用ですか?」
「そしたら、10キロほど貰おうか」
「でしたら、明日までに御用意しときますね!」
「いらっしゃい! いらっしゃい! 甘くて美味しい公爵芋の焼き芋だよ~」
「いらっしゃい~! お兄ちゃんが作った公爵芋は、とっても美味しいんだよ~!」
コナンとシスも、ヨナンを真似て、自主的に公爵芋の宣伝を始めてくれる。
「おう! ここが噂の公爵芋の石焼き芋か!
それにしても、何で、城塞の外で商売してるんだ?」
「ここが、おじさんが言ってた、とっても美味しいと噂の石焼き芋屋ね!」
いつの間にか、城内でも、ヨナンの公爵芋の噂が拡がってるようである。
「いらっしゃいませ! いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ~!」
コナンとシスも、一生懸命声を出す。
「はい! 公爵芋3つで、1800マーブルです!」
「いらっしゃい! いらっしゃい!」
「公爵2つ!」
『ご主人様! これで最後です!』
鑑定スキルが、ヨナンに伝える。
「はい!どうも! 1200マーブルですね! これで今日の公爵芋は売れ切れです!」
「ええ! もう終わりかよ!」
待ってた人から、ブーイングが出る。
「どうも、すみません! 明日もここで売りに来ますので、また、よろしくお願い致します!」
「「よろしくお願い致します!」」
コナンとシスも、ヨナンの真似をして頭を下げる。
『ご主人様、今日も、大繁盛でしたね!』
店の片付けをしてると、鑑定スキルが話し掛けてくる。
「ああ」
『売り上げ、幾らか分かります?』
「全く、分からん」
『なんと、2021個売れて、121万2600マーブルです!』
「たった一日で、100万オーバーかよ!」
ヨナンは、想像以上の金額に驚愕する。
『ですね! ぼろ儲けです!これも最新式のキッチンのお陰ですよ。多分、地球の技術でも、これだけ大量の石焼き芋を焼けるキッチンなんか、他に無いですから!』
「だよな……」
『で、どうします?』
「100キロ入る魔法の鞄を買って帰る。もう、30キロ分、公爵芋をそのまま売る契約してるしな!」
『ですね!』
ヨナンは、仲良くなった門兵に、キャンピングキッチントレーラーを城門横に預けて、コナンとシスを連れてショッピングに出掛ける事にした。
「オイ! 気を付けるんだぞ!」
子供だけの行動に、門兵が心配して声を掛けてくれる。
「多分、大丈夫! 俺じゃなくて、コナンとシスは、滅茶苦茶強いから!」
そう。ヨナンは攻撃スキルを持ってないが、多分、コナンとシスは攻撃スキルを持っている。2人ともまだ13歳になってないからスキルが覚醒してないが、その片鱗は、もう、エドソンとの稽古で見せつけているのである。
グラスホッパー家は、超絶武門の家。話によると、エドソンとエリザベスは元々冒険者で、中々の猛者だったらしい。
そして、ご存知のように、エドソンは先の大戦の英雄で、その功績を認められて、騎士爵を賜った新貴族。
コナンもシスも、何故か、エドソンに木刀持たされてるし、ハッキリ言うと、ヨナンより小さいチビっ子の癖に、ヨナンの用心棒の役割を担ってたりするのだ。
まあ、それだけ強くなければ、流石にエドソンでも、子供3人だけで、本来荷馬車で片道8時間も掛かるカナワン城塞都市に行かせないしね。
263
あなたにおすすめの小説
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる