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91. 断罪イベント(2)

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「ルイ王子、ここは私に任せて下さい! このグラスホッパー家最強の剣術スキルLv.2を持つこの私が、生意気な愚弟を黙らせますので!」

 なんか、アホなジミーがしゃしゃり出て来た。
 普通の奴なら、親戚であるカトリーヌを守る所だと思うのだが、アホなのか?

 でもって、アホなジミーが剣を抜く。
 しかしながら、俺は、ルイ王子の剣を爪楊枝で受け止めてるので動けない。

「ヨナン。倒していい?」

 一緒に現場に来ていた、アイ・ホークが聞いてくる。

「ああ。いいけど殺すなよ。一応、こいつも俺の兄貴で、死ぬとエドソンとエリザベスが悲しむからな!」

「分かった」

 ヒュン! ヒュン!

 アイ・ホークが、矢を連射すると、ジミーのズボンが矢に刺さり、地面に釘付けになる。

「ふん! 下手くそが!」

 しかしながら、ジミーは、痛みを感じなかったのか全く気付いてない。
 普通に、アイ・ホークが矢を外したと思い込んでるようだ。

 そのまま前に進もうとしたが、ズボンが地面にくっ付いてしまってるので、そのまま転ける。しかも、ズボンがズリ落ちてしまい、お尻丸出しになってしまった。

「うわぁーーー! 見るな!」

 本当に、小物感満載である。血の繋がりが無くて良かった。こんなのが、兄貴とか恥ずかしいし。

「チッ! 使えん」

 仲間のルイ王子にまで、使えん奴の烙印を押されてるし。

「コノヤロー!」

 アスカの取り巻きの『恋愛イチャイチャキングダム』の攻略対象のイケメン君達も、剣を取る。

「あ! スーザン、鑑定スキル頼む!」

 ヨナンの合図と共に、舞踏場の天井から白くてデッカイ布が降りてきて、それがスクリーンになって、これまでのアスカの悪行?奇行?濡場?が映しだされる。

「えっ! 何、コレちょっと、止めてよ!」

 アスカは大慌て。今までのアスカの悪行の他にも、色々な攻略対象達とチュッチュッしたり、裸で何かエロい事したり、勿論、モザイクが掛けてあるので、お股の間の刺さってる部分とかは見えないけど。

「アスカ!これはどういう事だ! お前、俺の事だけ愛してると言ってただろ!」

「アスカさん……私を騙してたんですか……」

「なんで……僕だけのアスカだと思ってたのに……」

「……エロい……」

 王子も含めて、攻略対象達も激昂。何故か、みんな股間のテントがピンピンに張ってるけど。

「これは、違うのよ!」

 慌てて否定してるが、もう遅い。

「あの……私、もう帰っていいですか?この映像で、私の変な疑いも晴れたと思いますし
 ……」

 カトリーヌは、真っ赤な顔をしてそそくさと帰ってしまう。
 誰しも、人の濡れ場など恥ずかし過ぎて見れないのだ。
 だって、この世界にはAVも、ネットのエロ動画も、ましてやビニ本も無いのだから。

「俺達も帰るか!」

「「は~い!」」

 俺と騎士達も、とっとと帰る。
 後は、アスカと、ルイ王子と、攻略対象達の修羅場が始まるだけだし、この後は、当事者同士で問題を解決するであろう。

「ヨナン君。私達も、アスカを見習ってエロい事しちゃう?」

 帰り際に、マリンが話し掛けてくる。

「遠慮しとく……」

 俺は丁重に断りを入れる。
 多分、アスカのエロ動画を見て感化されてしまったのだろう。
 だって、俺から見てもエロ過ぎるし。

 まあ、この断罪イベントの後、アスカのエロ動画が、騎士の女子達の強い希望により、鑑定スキルから配られたのは、また、別の話。

 それから、アスカによるSMやら、恥辱プレイやら、コスプレプレイなどのエロ過ぎるプレイは、この世界には無かったものだったらしく、密かに、再生機器と一緒に市場に流されたアスカのエロ動画は、多いに、この世界のエロが発展するのに役立ったのは、言うまでもない話だった。
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