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毒華の大地図
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「は、八億……」
平均的な暮らしをする一家が、一年で掛かる金額が大体二万フィオレ
「そんだけありゃ……」
国がその金を民のために使っていれば……
いや、これでこいつら王族や貴族共を残らず殺せば、その金は自分達のものだ。
一度は凍り付いていた革命軍の殺意が、頭を擡かける。
「言っておきますけど」
その殺意をぴしゃりと叩くかの様に王女は切って捨てた。
「軍が動けなくなれば、隣国に征服されて終りですわよ」
「我が国は北にバロア王国とロバロア公国、西にブローゼン帝国、南にトラス王国と、エルトアル神聖王国。そして東の海を越えた先のパーガンと国境を接しています。ご存知ですわね?」
王女宮の白壁に張り出された周辺国を含む大地図。
閉じた扇で示しながら、王女は話を続ける。
重要な軍事物資でもある地図……それも周辺国を含めたものなど、革命軍の誰も見たこともなかった。
なぜ、王女宮にこんなものがあるのか。
そして、一体いつの間に壁に貼られたのか。
さっぱり判らない。
「この中でほぼ味方と言えるのは、ロバロア公国だけですわね。ロバロア公国は私の母の生国で、バロア王国との軋轢がありますから、我が国を裏切る事はほぼありません。海の向こうのパーガンとは通商条約を結んでいますが、信用は出来ないでしょう。ただ、陸続きでないので、戦を仕掛けてくる可能性は少ないと考えられます」
平均的な暮らしをする一家が、一年で掛かる金額が大体二万フィオレ
「そんだけありゃ……」
国がその金を民のために使っていれば……
いや、これでこいつら王族や貴族共を残らず殺せば、その金は自分達のものだ。
一度は凍り付いていた革命軍の殺意が、頭を擡かける。
「言っておきますけど」
その殺意をぴしゃりと叩くかの様に王女は切って捨てた。
「軍が動けなくなれば、隣国に征服されて終りですわよ」
「我が国は北にバロア王国とロバロア公国、西にブローゼン帝国、南にトラス王国と、エルトアル神聖王国。そして東の海を越えた先のパーガンと国境を接しています。ご存知ですわね?」
王女宮の白壁に張り出された周辺国を含む大地図。
閉じた扇で示しながら、王女は話を続ける。
重要な軍事物資でもある地図……それも周辺国を含めたものなど、革命軍の誰も見たこともなかった。
なぜ、王女宮にこんなものがあるのか。
そして、一体いつの間に壁に貼られたのか。
さっぱり判らない。
「この中でほぼ味方と言えるのは、ロバロア公国だけですわね。ロバロア公国は私の母の生国で、バロア王国との軋轢がありますから、我が国を裏切る事はほぼありません。海の向こうのパーガンとは通商条約を結んでいますが、信用は出来ないでしょう。ただ、陸続きでないので、戦を仕掛けてくる可能性は少ないと考えられます」
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