87 / 128
3-21花々が世界の光に帰る
しおりを挟む
「リタ様、ティスタさんが……、ティスタさんが……、あの連続殺人犯に殺されました」
「………………え? なんだってソアン?」
「警備隊がティスタさんの遺体を確認したそうです、しかもリタ様が犯人だと言って捕まえにきています!?」
「何故、僕がティスタを……」
「ポエットさんがリタ様が犯人だと言っています、あのエルフがティスタに振られたから犯人だって……」
「そんな馬鹿なことを? ティスタが殺された? 本当に亡くなったのかい?」
ソアンは真っ青の顔のまま僕の問いに頷いた、僕は昨夜見た夢はティスタと大きな力で繋がった夢だとやっと理解した。魔力が弱いものでも、ただの人間でも、結局世界の大きな力に帰っていくのは変わらないのだ。だから頻繁に夢の共有が起こることはないが、何か大きなきっかけがあればそれが起こることもあった。ティスタは昨夜に本当に死んだのだ、あの連続殺人犯に殺されたのだった。
「リタ様!?」
「ソアン、僕は大丈夫だからジーニャスを助けてくれ」
それから僕は街の警備隊に捕まった、僕はこのままだとジーニャス達が危ないと思って、ソアンにそのことをどうにか伝えた。その時の僕にできたのはそれくらいだった、その後は街の警備隊から尋問を受けたがちょうどクレーネ草の副作用が起こって、警備隊を説得できるような答えが返せなかった。僕は街の牢獄にとりあえずは殺人鬼の候補として、そうして囚われることになってしまった。
僕はその間にティスタのことを考えていた、彼女の優しい姿や力強い生きざま、そんな全てが連続殺人犯によって失われてしまった。ティスタの遺体を見ずにすんだのは良かった、もし見てしまったなら僕は泣き崩れてしまっただろう、生前のティスタのことを思い出して悲しみに溺れてしまったかもしれなかった。
「おい、殺人鬼。お前、何を考えて人を殺しているんだ」
「僕は殺人鬼でも、連続殺人犯でもありません」
「捕まった奴は誰でも最初はそう言う、でも最後には自白するんだ」
「犯してもいない罪を自白なんてできません」
「どうして娼婦や浮浪者、そして今度は裁縫屋まで殺してまわった」
「違います、最初の女性はジェニー、次に殺されたのはカフェスという男性、その次はローシャという女性で子供がいた。また次はプリゼラ、それから次はリーベそしてレーチェ。娼婦や浮浪者という名前じゃない、皆それぞれ大事な名前があった。そして僕の大事な友人のティスタ、それ以上はまだ知らないが、被害者たちにはきちんと名前があるんだ」
僕は警備隊の尋問を受けたが素直に知っていることを話した、隠すことは何もなかったからだった。警備隊はどうして殺したのかとしきりに僕に聞いた、でも僕は彼らを殺してないのでそれを否定した。ジーニャスという領主の跡取りの友人という肩書は強かった、警備隊は僕に強く出ることもできずに捜査は一向に進まなかった。当然だ、僕は誰も殺していなかったからだ。
「早く連続殺人犯を見つけてください、でも迂闊に追い詰めないで彼は危険な人物です」
「煩い!! 全てお前が殺したんだろう!!」
「僕は誰も殺していない、だから何も恥じることはない」
「殺人鬼のたわごとだ、これから証拠を見つけてやる」
そんな警備隊との無駄な遣り取りが一瞬間ほど繰り返された、その間に僕はいつもの心の病気も出て起き上がれない日もあった。無理矢理に起き上がらされて尋問されたが、僕の主張は一貫して変わらなかった。警備隊の方もおだてたり、同情したり、脅したりといろんな手を使った。それでも僕は誰も殺していないので、何も言うことがなかった。ただ犯人を見つけて教えて欲しい、それだけを繰り返し言い続けた。
街の牢の中はじめっと湿っていて不快だったが、僕はずっと幻月花のことを考えていてそれに耐えた。ティスタを殺した連続殺人犯を捕まえたくて仕方なかった、あの美しい幻月花を無残に散らせてしまった奴が憎くなった。それと同時に犯人の過去を思い出して悲しくもなった、誰かが犯人に少し情を向けていたらこんな恐ろしい殺人は起きなかった。でも現実には誰もそんな者はいなかった、犯人はそうして怪物へと変わってしまったのだ。
僕が牢に囚われてから一週間経った朝のことだった、僕は突然に釈放されることになった。理由を聞いたら警備隊の人々は僕に謝ってきた、何故なら新しい殺人が起こってまた人が殺されたからだった。よく警備隊の話を聞いてみたら、今度殺されたのはポエットだった。ティスタの親友が殺されてしまったのだった、僕は悲しくて胸が痛くなった。
「リタ様!! ご無事ですか!!」
「ソアン、ああ。君にまた会えて良かった、本当に良かったよ」
やがて牢から出た僕をソアンが僕を迎えにきてくれた、久しぶりに見たソアンを僕は思わず抱きしめた、ソアンも僕のことを抱きしめて優しく触れてくれた。そうしてもらって僕はようやくティスタやポエットが亡くなったのだと、彼女たちが死んでしまったのだと理解した。僕は無言でソアンの肩に顔をおしつけて泣いた、そんな僕をソアンはずっと優しく抱きしめていてくれた。
「リタ様、無理はなさらないでください」
「うん、ソアン。今はとても悲しい、とにかく悲しくて堪らない」
「それがリタ様の心です、正直な心の反応なのです」
「ああ、ティスタにポエット、彼女たちに会いに行かないと……」
「ご葬儀は親しい方たちで済ませたそうです、後で一緒に彼女たちの眠るお墓に行きましょうね」
「そうだね、そうだ。どうか僕と一緒に行っておくれ、ソアン」
僕とソアンはそうして領主の館に戻った、そこにいる皆は事情を全て知っているようで、落ち込んでいる僕をそっとしておいてくれた。僕はとにかく疲れていて、その夜は眠り薬が効いて深い眠りに落ちた。夢の中では牡丹の花とスミレの花が一緒に咲いていた、でもその花たちは僕の手の届かないところにあった、光に包まれた花たちは美しくて同時にどこか寂しさを感じさせた。
やがて光が夢の中を埋め尽くして、花々はその光の中に消えていった。でも花たちは消えてしまったのではない、また咲くために一時的に大きな光の元へと戻っていったのだ。僕はそれを嬉しいと思うと同時にとても悲しかった、牡丹の花に手を伸ばして触れようとしたが、僕にはそれができなかった。もう花々は光の中に飲み込まれていた、大きな光だけが僕の手が届かない遠くで輝いていた。
「さようなら、ティスタ。僕の初めての恋人、そして君は僕のとても素晴らしい友人だった」
僕は涙が溢れて止まらなかった、生き物が世界の大きな光に戻っていくことは知っていた。でも両親が亡くなった時のように、僕は悲しくて堪らなかったのだ。ティスタ、彼女は優しくて美しいそして強い女性だった。でも連続殺人犯に無残に殺されてしまった、どうして彼女がそんな目に遭う必要があっただろう、僕にとって彼女は幸せに生きるべき人間だった。
いや連続殺人犯に殺された人々は皆がそうだった、世間から少し離れた世界で生きていたが、誰一人として殺されていい人間などいなかった。皆が名前があってそれぞれの思いがあり、そして一日一日を一生懸命に生きていたはずだった。誰も無残に殺される理由はなかった、そんな理不尽なことは許されなかったのだ。
「必ず連続殺人犯を捕まえる、ティスタ。君の勇気を分けて欲しい、僕がそれをやり遂げられるように」
「………………え? なんだってソアン?」
「警備隊がティスタさんの遺体を確認したそうです、しかもリタ様が犯人だと言って捕まえにきています!?」
「何故、僕がティスタを……」
「ポエットさんがリタ様が犯人だと言っています、あのエルフがティスタに振られたから犯人だって……」
「そんな馬鹿なことを? ティスタが殺された? 本当に亡くなったのかい?」
ソアンは真っ青の顔のまま僕の問いに頷いた、僕は昨夜見た夢はティスタと大きな力で繋がった夢だとやっと理解した。魔力が弱いものでも、ただの人間でも、結局世界の大きな力に帰っていくのは変わらないのだ。だから頻繁に夢の共有が起こることはないが、何か大きなきっかけがあればそれが起こることもあった。ティスタは昨夜に本当に死んだのだ、あの連続殺人犯に殺されたのだった。
「リタ様!?」
「ソアン、僕は大丈夫だからジーニャスを助けてくれ」
それから僕は街の警備隊に捕まった、僕はこのままだとジーニャス達が危ないと思って、ソアンにそのことをどうにか伝えた。その時の僕にできたのはそれくらいだった、その後は街の警備隊から尋問を受けたがちょうどクレーネ草の副作用が起こって、警備隊を説得できるような答えが返せなかった。僕は街の牢獄にとりあえずは殺人鬼の候補として、そうして囚われることになってしまった。
僕はその間にティスタのことを考えていた、彼女の優しい姿や力強い生きざま、そんな全てが連続殺人犯によって失われてしまった。ティスタの遺体を見ずにすんだのは良かった、もし見てしまったなら僕は泣き崩れてしまっただろう、生前のティスタのことを思い出して悲しみに溺れてしまったかもしれなかった。
「おい、殺人鬼。お前、何を考えて人を殺しているんだ」
「僕は殺人鬼でも、連続殺人犯でもありません」
「捕まった奴は誰でも最初はそう言う、でも最後には自白するんだ」
「犯してもいない罪を自白なんてできません」
「どうして娼婦や浮浪者、そして今度は裁縫屋まで殺してまわった」
「違います、最初の女性はジェニー、次に殺されたのはカフェスという男性、その次はローシャという女性で子供がいた。また次はプリゼラ、それから次はリーベそしてレーチェ。娼婦や浮浪者という名前じゃない、皆それぞれ大事な名前があった。そして僕の大事な友人のティスタ、それ以上はまだ知らないが、被害者たちにはきちんと名前があるんだ」
僕は警備隊の尋問を受けたが素直に知っていることを話した、隠すことは何もなかったからだった。警備隊はどうして殺したのかとしきりに僕に聞いた、でも僕は彼らを殺してないのでそれを否定した。ジーニャスという領主の跡取りの友人という肩書は強かった、警備隊は僕に強く出ることもできずに捜査は一向に進まなかった。当然だ、僕は誰も殺していなかったからだ。
「早く連続殺人犯を見つけてください、でも迂闊に追い詰めないで彼は危険な人物です」
「煩い!! 全てお前が殺したんだろう!!」
「僕は誰も殺していない、だから何も恥じることはない」
「殺人鬼のたわごとだ、これから証拠を見つけてやる」
そんな警備隊との無駄な遣り取りが一瞬間ほど繰り返された、その間に僕はいつもの心の病気も出て起き上がれない日もあった。無理矢理に起き上がらされて尋問されたが、僕の主張は一貫して変わらなかった。警備隊の方もおだてたり、同情したり、脅したりといろんな手を使った。それでも僕は誰も殺していないので、何も言うことがなかった。ただ犯人を見つけて教えて欲しい、それだけを繰り返し言い続けた。
街の牢の中はじめっと湿っていて不快だったが、僕はずっと幻月花のことを考えていてそれに耐えた。ティスタを殺した連続殺人犯を捕まえたくて仕方なかった、あの美しい幻月花を無残に散らせてしまった奴が憎くなった。それと同時に犯人の過去を思い出して悲しくもなった、誰かが犯人に少し情を向けていたらこんな恐ろしい殺人は起きなかった。でも現実には誰もそんな者はいなかった、犯人はそうして怪物へと変わってしまったのだ。
僕が牢に囚われてから一週間経った朝のことだった、僕は突然に釈放されることになった。理由を聞いたら警備隊の人々は僕に謝ってきた、何故なら新しい殺人が起こってまた人が殺されたからだった。よく警備隊の話を聞いてみたら、今度殺されたのはポエットだった。ティスタの親友が殺されてしまったのだった、僕は悲しくて胸が痛くなった。
「リタ様!! ご無事ですか!!」
「ソアン、ああ。君にまた会えて良かった、本当に良かったよ」
やがて牢から出た僕をソアンが僕を迎えにきてくれた、久しぶりに見たソアンを僕は思わず抱きしめた、ソアンも僕のことを抱きしめて優しく触れてくれた。そうしてもらって僕はようやくティスタやポエットが亡くなったのだと、彼女たちが死んでしまったのだと理解した。僕は無言でソアンの肩に顔をおしつけて泣いた、そんな僕をソアンはずっと優しく抱きしめていてくれた。
「リタ様、無理はなさらないでください」
「うん、ソアン。今はとても悲しい、とにかく悲しくて堪らない」
「それがリタ様の心です、正直な心の反応なのです」
「ああ、ティスタにポエット、彼女たちに会いに行かないと……」
「ご葬儀は親しい方たちで済ませたそうです、後で一緒に彼女たちの眠るお墓に行きましょうね」
「そうだね、そうだ。どうか僕と一緒に行っておくれ、ソアン」
僕とソアンはそうして領主の館に戻った、そこにいる皆は事情を全て知っているようで、落ち込んでいる僕をそっとしておいてくれた。僕はとにかく疲れていて、その夜は眠り薬が効いて深い眠りに落ちた。夢の中では牡丹の花とスミレの花が一緒に咲いていた、でもその花たちは僕の手の届かないところにあった、光に包まれた花たちは美しくて同時にどこか寂しさを感じさせた。
やがて光が夢の中を埋め尽くして、花々はその光の中に消えていった。でも花たちは消えてしまったのではない、また咲くために一時的に大きな光の元へと戻っていったのだ。僕はそれを嬉しいと思うと同時にとても悲しかった、牡丹の花に手を伸ばして触れようとしたが、僕にはそれができなかった。もう花々は光の中に飲み込まれていた、大きな光だけが僕の手が届かない遠くで輝いていた。
「さようなら、ティスタ。僕の初めての恋人、そして君は僕のとても素晴らしい友人だった」
僕は涙が溢れて止まらなかった、生き物が世界の大きな光に戻っていくことは知っていた。でも両親が亡くなった時のように、僕は悲しくて堪らなかったのだ。ティスタ、彼女は優しくて美しいそして強い女性だった。でも連続殺人犯に無残に殺されてしまった、どうして彼女がそんな目に遭う必要があっただろう、僕にとって彼女は幸せに生きるべき人間だった。
いや連続殺人犯に殺された人々は皆がそうだった、世間から少し離れた世界で生きていたが、誰一人として殺されていい人間などいなかった。皆が名前があってそれぞれの思いがあり、そして一日一日を一生懸命に生きていたはずだった。誰も無残に殺される理由はなかった、そんな理不尽なことは許されなかったのだ。
「必ず連続殺人犯を捕まえる、ティスタ。君の勇気を分けて欲しい、僕がそれをやり遂げられるように」
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界でカイゼン
soue kitakaze
ファンタジー
作者:北風 荘右衛(きたかぜ そうえ)
この物語は、よくある「異世界転生」ものです。
ただ
・転生時にチート能力はもらえません
・魔物退治用アイテムももらえません
・そもそも魔物退治はしません
・農業もしません
・でも魔法が当たり前にある世界で、魔物も魔王もいます
そこで主人公はなにをするのか。
改善手法を使った問題解決です。
主人公は現世にて「問題解決のエキスパート」であり、QC手法、IE手法、品質工学、ワークデザイン法、発想法など、問題解決技術に習熟しており、また優れた発想力を持つ人間です。ただそれを正統に評価されていないという鬱屈が溜まっていました。
そんな彼が飛ばされた異世界で、己の才覚ひとつで異世界を渡って行く。そういうお話をギャグを中心に描きます。簡単に言えば。
「人の死なない邪道ファンタジーな、異世界でカイゼンをするギャグ物語」
ということになります。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる