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3-28失われた思いに支えられている
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「………………俺、少しだけ彼のことが分かったです。だから俺で最後にしてくれ、そう約束したんです」
そう言ってアウフは犯人については何も言わなかった、ただ約束したんですとうわごとのように繰り返し言って、やがてそのまま彼は力尽きて亡くなってしまった。僕とソアンは警備隊の救護室で思わず抱き合って涙した、最期まで犯人を庇い想い続けた彼を失ったことが悲しくて泣いた。しばらくするとアウフの仲間たちがやってきた、彼の最期に間に合わなかったことをとても悔いていた。
アウフの遺体は仲間である少年たちに引き取られた、この街の神殿に頼んで埋葬するのだと彼らは言っていた。僕はその時アウフの衣服からボタンが一つ引き千切られているのに気づいた、イデアが記念品として持っていったに違いなかった、きっと彼は殺人を止める気はないのだ。その日のうちに葬儀が行われてアウフは神殿の墓地に埋葬された、もしかしたらと思ったが葬儀にはイデアは来なかった。
僕はまた広場に行って連続殺人犯への曲を歌うようになった、幾日も経たないうちにイデアがやってきて、いつものように僕に笑って話しかけた。イデアは何一つ変わったところがないように見えた、それが僕にとっては悲しくてしかたがなかった、イデアはもう誰かを殺すことに慣れてしまっているのだ。僕はイデアにアウフが亡くなったことを伝えた、イデアが驚くように真実を伝えることにしたのだ。
「イデア、アウフが亡くなった。連続殺人犯に殺されたんだ」
「……そうか、それは気の毒な話だ」
「彼は人間と間違われて、それで殺されたんだ」
「………………え?」
「アウフは見た目は人間だったけど、大いなる種族の獣人族だった」
「あいつが獣人族、大いなる種族だったのか!?」
当然だがイデアはアウフが殺されたことには驚かなかった、だが彼が大いなる種族である獣人族だ、そう言われると顔色を変えていた。イデアが憎んでいるのはあくまでも人間だったからだ、アウフは本当ならイデアの基準で考えれば、殺していけない種族で大変な間違いだった。イデアはその日は顔色を変えて、僕への返事もそこそこに宿に帰っていった。
イデアが連続殺人犯だと分かってからジーニャスは監視の者をつけていた、もちろん勘が鋭いイデアに気づかれないように、警備隊の中でも気の利いた者を選んでいた。彼らもイデアの細かい行動までは調べなかった、ただ居場所だけは把握するようにしていた。イデアはアウフの種族を知ってから、数日は宿屋にこもっていた。しかし、やがてまた広場で歌う僕のところに来るようになった。
「作る曲は気に入らないがリタの歌は良い、だからつい聞きたくなる」
「イデアのボーイソプラノも見事だよ、僕にはもう出せない声だ」
「俺もリタのように低い声で歌いたい、もっと広い音域をだせるようになりたい」
「声変わりが終わればできるさ、そのボーイソプラノは失われてしまうけど」
「俺はこんな声よりも低い声が欲しい、そう欲しくて堪らないんだ」
「そんなに焦ることはない、男の子はいつか男になるんだ」
イデアはもうアウフのことは口にしなかった、僕たちは声のことなど歌や曲についてよく話した。ソアンもイデアに対する態度を変えなかった、いつものように可愛らしい笑顔でお喋りしていた。一見すると和やかな日常のように見えた、でも実は薄氷の上に立っているような日常だった。イデアはもう大いなる種族を殺してしまった、禁忌が無くなった今はエルフ族である僕とソアンも危なかった。
だから夕方になる前には必ず領主の別宅に僕たちは帰った、アウフを殺したことが少しは衝撃だったのか、あれから殺人は起きていなかった。でもソアンの話では獲物が変わったのかもしれない、人間を今まで恨みから殺してきたが、大いなる種族を殺したことで殺す対象が変わってしまった。そういう可能性があるとソアンは言った、そしてその考えは外れていないと僕も何となく感じていた。
イデアの僕たちを見る視線が違うのだ、以前は仲間だという親愛の情が感じられた。だが今は獲物を見る獣のような瞬間があった、イデアは僕たちが身につけている装身具を時々見ていた。特にソアンの髪留めのことを綺麗だと褒めていた、僕については村にいた頃から身につけている両親の形見の短剣、それをじっとイデアが見つめていることがあった。
「ソアン、その髪留めは良く似合っている」
「ふふふっ、ありがとうございます」
「リタの短剣は両親の形見なのか」
「ああ、そうなんだ。大切な物だよ、壊れるまで使いたい」
僕たちはイデアと接しながら内心は冷や汗をかいていた、いつも領主の別宅に帰るととりあえずは安心した。そんな綱渡りのような日々を何日か過ごして、そしてジーニャスがとうとうこう言ってきた。
「連続殺人犯を捕まえる魔法が完成した、これでいつでもアイツと戦えるぞ」
「おそらく次の新月の夜でしょう、以前に襲ってきたのがそんな夜でした」
「私もそう思います、もう新月の夜は数日後です」
「ただこの魔法を使っている間は俺は戦えなくなる、だから連続殺人犯と戦うのはリタだけだ」
「分かりました、たとえ殺してでもイデアを止めます」
「私は領主様とシャール様のお傍に、リタ様とジーニャスさんのご無事を祈ります」
「ああ、それが良いだろう。さて、新月の夜までに新しい魔法を試しておくか」
「お任せしますよ、大魔法使い」
「そうですよ、大魔法使いのジーニャスさん」
僕たちは少しだけ笑った、緊張が僅かにとけた。ずっと緊張していたら精神がもたない、だからこういう何気ない遣り取りも必要だった。それから数日は僕は『飛翔』の練習と、広場での歌を欠かさなかった。イデアとも以前のように話していた、イデアは新月が近づくにつれてよく笑うようになった。僕たちを見て嬉しそうに笑う、以前なら微笑ましかったが、今は恐怖しか感じなかった。
「ティスタどうか君の勇気を分けてくれ、アウフどうか君のした約束が守れるように祈っている」
「お二人が大きな光の中から見守ってくれますように、リタ様に大いなる力の加護があらんことを」
「そしてソアン、君も見ていてくれ。できる限りの力で戦う、君を守るためにも必ず勝つ」
「はい、リタ様。私も何か遭ったら最期までお供します、でもきっとリタ様が勝利されます!!」
「ソアン、君はいつも僕に力を与えてくれるね」
「そうなら良いと思います、私が少しでもリタ様の力になれますように……」
新月の夜がやってくる前に僕はソアンのことを抱きしめた、この大切な温もりを失いたくなかった。ソアンも僕を抱きしめ返してくれた、彼女も少し震えていた今度の戦いも勝敗は分からなかった。でも僕はイデアに勝ってティスタやアウフの仇をとるつもりだった、彼らの失われた心が僕を支えてくれていた。ティスタの優しさと、アウフの約束が僕に勇気を与えてくれていた。そして、僕は今なら来てくれるような気がして呼んでおいた。
それから僕はいつ狙われてもいいように領主の別宅の庭にいた、僕はずっと目を瞑って周囲の気配を探っていた。周りには暗闇を照らす灯が幾つも灯されていた、だがそれは一瞬の強風で吹き消された。そして、その次の瞬間には空から小さな影が舞い降りた。僕はようやく目を開けてその姿を見た、間違いなくそれはイデアだった。美しい銀の髪が風でざわめき、ギラギラとした緑の瞳が僕を見ていた。
「………………忠告を無視したな、美しく愚かなリタ。今夜死ぬのは、お前だ」
そう言ってアウフは犯人については何も言わなかった、ただ約束したんですとうわごとのように繰り返し言って、やがてそのまま彼は力尽きて亡くなってしまった。僕とソアンは警備隊の救護室で思わず抱き合って涙した、最期まで犯人を庇い想い続けた彼を失ったことが悲しくて泣いた。しばらくするとアウフの仲間たちがやってきた、彼の最期に間に合わなかったことをとても悔いていた。
アウフの遺体は仲間である少年たちに引き取られた、この街の神殿に頼んで埋葬するのだと彼らは言っていた。僕はその時アウフの衣服からボタンが一つ引き千切られているのに気づいた、イデアが記念品として持っていったに違いなかった、きっと彼は殺人を止める気はないのだ。その日のうちに葬儀が行われてアウフは神殿の墓地に埋葬された、もしかしたらと思ったが葬儀にはイデアは来なかった。
僕はまた広場に行って連続殺人犯への曲を歌うようになった、幾日も経たないうちにイデアがやってきて、いつものように僕に笑って話しかけた。イデアは何一つ変わったところがないように見えた、それが僕にとっては悲しくてしかたがなかった、イデアはもう誰かを殺すことに慣れてしまっているのだ。僕はイデアにアウフが亡くなったことを伝えた、イデアが驚くように真実を伝えることにしたのだ。
「イデア、アウフが亡くなった。連続殺人犯に殺されたんだ」
「……そうか、それは気の毒な話だ」
「彼は人間と間違われて、それで殺されたんだ」
「………………え?」
「アウフは見た目は人間だったけど、大いなる種族の獣人族だった」
「あいつが獣人族、大いなる種族だったのか!?」
当然だがイデアはアウフが殺されたことには驚かなかった、だが彼が大いなる種族である獣人族だ、そう言われると顔色を変えていた。イデアが憎んでいるのはあくまでも人間だったからだ、アウフは本当ならイデアの基準で考えれば、殺していけない種族で大変な間違いだった。イデアはその日は顔色を変えて、僕への返事もそこそこに宿に帰っていった。
イデアが連続殺人犯だと分かってからジーニャスは監視の者をつけていた、もちろん勘が鋭いイデアに気づかれないように、警備隊の中でも気の利いた者を選んでいた。彼らもイデアの細かい行動までは調べなかった、ただ居場所だけは把握するようにしていた。イデアはアウフの種族を知ってから、数日は宿屋にこもっていた。しかし、やがてまた広場で歌う僕のところに来るようになった。
「作る曲は気に入らないがリタの歌は良い、だからつい聞きたくなる」
「イデアのボーイソプラノも見事だよ、僕にはもう出せない声だ」
「俺もリタのように低い声で歌いたい、もっと広い音域をだせるようになりたい」
「声変わりが終わればできるさ、そのボーイソプラノは失われてしまうけど」
「俺はこんな声よりも低い声が欲しい、そう欲しくて堪らないんだ」
「そんなに焦ることはない、男の子はいつか男になるんだ」
イデアはもうアウフのことは口にしなかった、僕たちは声のことなど歌や曲についてよく話した。ソアンもイデアに対する態度を変えなかった、いつものように可愛らしい笑顔でお喋りしていた。一見すると和やかな日常のように見えた、でも実は薄氷の上に立っているような日常だった。イデアはもう大いなる種族を殺してしまった、禁忌が無くなった今はエルフ族である僕とソアンも危なかった。
だから夕方になる前には必ず領主の別宅に僕たちは帰った、アウフを殺したことが少しは衝撃だったのか、あれから殺人は起きていなかった。でもソアンの話では獲物が変わったのかもしれない、人間を今まで恨みから殺してきたが、大いなる種族を殺したことで殺す対象が変わってしまった。そういう可能性があるとソアンは言った、そしてその考えは外れていないと僕も何となく感じていた。
イデアの僕たちを見る視線が違うのだ、以前は仲間だという親愛の情が感じられた。だが今は獲物を見る獣のような瞬間があった、イデアは僕たちが身につけている装身具を時々見ていた。特にソアンの髪留めのことを綺麗だと褒めていた、僕については村にいた頃から身につけている両親の形見の短剣、それをじっとイデアが見つめていることがあった。
「ソアン、その髪留めは良く似合っている」
「ふふふっ、ありがとうございます」
「リタの短剣は両親の形見なのか」
「ああ、そうなんだ。大切な物だよ、壊れるまで使いたい」
僕たちはイデアと接しながら内心は冷や汗をかいていた、いつも領主の別宅に帰るととりあえずは安心した。そんな綱渡りのような日々を何日か過ごして、そしてジーニャスがとうとうこう言ってきた。
「連続殺人犯を捕まえる魔法が完成した、これでいつでもアイツと戦えるぞ」
「おそらく次の新月の夜でしょう、以前に襲ってきたのがそんな夜でした」
「私もそう思います、もう新月の夜は数日後です」
「ただこの魔法を使っている間は俺は戦えなくなる、だから連続殺人犯と戦うのはリタだけだ」
「分かりました、たとえ殺してでもイデアを止めます」
「私は領主様とシャール様のお傍に、リタ様とジーニャスさんのご無事を祈ります」
「ああ、それが良いだろう。さて、新月の夜までに新しい魔法を試しておくか」
「お任せしますよ、大魔法使い」
「そうですよ、大魔法使いのジーニャスさん」
僕たちは少しだけ笑った、緊張が僅かにとけた。ずっと緊張していたら精神がもたない、だからこういう何気ない遣り取りも必要だった。それから数日は僕は『飛翔』の練習と、広場での歌を欠かさなかった。イデアとも以前のように話していた、イデアは新月が近づくにつれてよく笑うようになった。僕たちを見て嬉しそうに笑う、以前なら微笑ましかったが、今は恐怖しか感じなかった。
「ティスタどうか君の勇気を分けてくれ、アウフどうか君のした約束が守れるように祈っている」
「お二人が大きな光の中から見守ってくれますように、リタ様に大いなる力の加護があらんことを」
「そしてソアン、君も見ていてくれ。できる限りの力で戦う、君を守るためにも必ず勝つ」
「はい、リタ様。私も何か遭ったら最期までお供します、でもきっとリタ様が勝利されます!!」
「ソアン、君はいつも僕に力を与えてくれるね」
「そうなら良いと思います、私が少しでもリタ様の力になれますように……」
新月の夜がやってくる前に僕はソアンのことを抱きしめた、この大切な温もりを失いたくなかった。ソアンも僕を抱きしめ返してくれた、彼女も少し震えていた今度の戦いも勝敗は分からなかった。でも僕はイデアに勝ってティスタやアウフの仇をとるつもりだった、彼らの失われた心が僕を支えてくれていた。ティスタの優しさと、アウフの約束が僕に勇気を与えてくれていた。そして、僕は今なら来てくれるような気がして呼んでおいた。
それから僕はいつ狙われてもいいように領主の別宅の庭にいた、僕はずっと目を瞑って周囲の気配を探っていた。周りには暗闇を照らす灯が幾つも灯されていた、だがそれは一瞬の強風で吹き消された。そして、その次の瞬間には空から小さな影が舞い降りた。僕はようやく目を開けてその姿を見た、間違いなくそれはイデアだった。美しい銀の髪が風でざわめき、ギラギラとした緑の瞳が僕を見ていた。
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