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13脅迫
「金貨千枚用意したぞ」
あれから三日、同じ市場で客を探していたら、『再生』を彫ってほしいと言っていた男が、本当に金貨千枚を用意してやってきた。でも俺に『再生』を彫る気はなかった。
「足りない、金貨千枚は染料を用意するだけで必要な額だ。俺への報酬として金貨二千枚が欲しい」
「私はステイトという、金貨三千枚だな。とりあえず金貨千枚置いていく、また稼いでくる」
「おい、俺は『再生』を彫るとは言ってないぞ」
「必ず残りの金貨二千枚を用意してくる!!」
そういってステイトという男は姿を消した、俺は仕方なく一応金貨千枚で『再生』が彫れる染料を用意した。あまり彫りたくないタトゥーだが、金を払うというのなら立派な客だ。
「クライブ、『再生』を彫ってあげるんですか?」
「一応、準備だけはしておかないとな」
「でもあの人どうやって金貨千枚も用意したんでしょう?」
「金貨二十枚で平民なら一年くらせるからな、違法なことか危ないことに手をだしてなければいいんだが」
それからステイトという男はしばらく姿を現さなかった、俺も気にしていたがいつまで経っても現れない。そろそろ次の街に行こうかと思っていたところだっだ。金貨千枚分の染料を返しに俺はステイトの家を探すことにした。
「ステイトは商店をしているらしい、フォル行ってみよう」
「結局、『再生』は彫ってあげられませんね」
「金が無いのだから仕方がない、俺も慈善でこの仕事をやっているわけじゃないからな」
「お金って大切なんだと学びました」
そうしてステイト商店を訪れると、咄嗟のことだった。俺は扉を開けて入ったとたんに突き飛ばされた。そうして刃物を持ったステイトにフォルが人質にとられていた。
「このお嬢ちゃんを殺されたくなければ『再生』を彫れ!!」
「痛い!? 痛いです!! 腕を放して!!」
「お前さんはフォルを拘束している、その状態で『再生』は彫れない」
「それじゃあ、お前自身に彫れ。そうして俺の娘の足を『再生』させると約束しろ」
「チッ、仕方がない。約束する」
フォルを人質にとられて刃物を向けられていたので俺は言われたとおりにすることにした。俺の肌のまだ白い部分に『再生』を彫っていく、光の精霊がチカチカと輝き舞い踊った。複雑な紋様を彫りながら俺はフォルを取り戻せないか見ていた、だがステイトはがっちりとフォルを捕まえていた。結局俺のタトゥーに『再生』が加わった。
「『再生』を彫ったぞ、娘とやらはどこだ」
「二階だ、必ず娘の足を『再生』させろ」
そうして二階に行ってみるとまだあどけない少女がいた。少女の足は事故だろうか、両足とも膝から先が無かった。俺は『再生』で少女の両足を元に戻した。少女はそれに驚いて立ち上がった、そうしてフォルは解放され、少女の父親であるステイトは少女を抱いて大喜びして泣いた。
「俺への報酬、金貨二千枚はどうする?」
「そんな大金払えない、金貨千枚だって商店を売って手に入れたんだ」
「それで明日から一文無し、貧民街(スラム)行きか?」
「またどこかで働いてあんたへの報酬は必ず払う」
「あいにくとこっちはもうこの街を出ていくんだよ」
「いつかまた来た時に払う、かならず払ってみせるから」
俺はもう面倒くさくなってそれ以上は追及しなかった。フォルは足が治った少女とにっこり微笑み合ったりしていた。まったく金貨二千枚分のただ働きだ。だがおかげで俺に『再生』のタトゥーが手に入った。
「本当はフォルに彫ってやりたかったのに」
「また今度、お金がある時でいいですよ」
「金貨千枚も稼げることがあるかな」
「私と王宮に帰ってからでもいいですし」
「こら俺を夫前提として話すな」
「クライブさんもそろそろ覚悟してくれてもいいのに」
そんな会話をしながら翌日俺たちはその街を出ていった、『再生』のタトゥーが手に入ったのだ。だから悪い事ばかりでもなかった。
あれから三日、同じ市場で客を探していたら、『再生』を彫ってほしいと言っていた男が、本当に金貨千枚を用意してやってきた。でも俺に『再生』を彫る気はなかった。
「足りない、金貨千枚は染料を用意するだけで必要な額だ。俺への報酬として金貨二千枚が欲しい」
「私はステイトという、金貨三千枚だな。とりあえず金貨千枚置いていく、また稼いでくる」
「おい、俺は『再生』を彫るとは言ってないぞ」
「必ず残りの金貨二千枚を用意してくる!!」
そういってステイトという男は姿を消した、俺は仕方なく一応金貨千枚で『再生』が彫れる染料を用意した。あまり彫りたくないタトゥーだが、金を払うというのなら立派な客だ。
「クライブ、『再生』を彫ってあげるんですか?」
「一応、準備だけはしておかないとな」
「でもあの人どうやって金貨千枚も用意したんでしょう?」
「金貨二十枚で平民なら一年くらせるからな、違法なことか危ないことに手をだしてなければいいんだが」
それからステイトという男はしばらく姿を現さなかった、俺も気にしていたがいつまで経っても現れない。そろそろ次の街に行こうかと思っていたところだっだ。金貨千枚分の染料を返しに俺はステイトの家を探すことにした。
「ステイトは商店をしているらしい、フォル行ってみよう」
「結局、『再生』は彫ってあげられませんね」
「金が無いのだから仕方がない、俺も慈善でこの仕事をやっているわけじゃないからな」
「お金って大切なんだと学びました」
そうしてステイト商店を訪れると、咄嗟のことだった。俺は扉を開けて入ったとたんに突き飛ばされた。そうして刃物を持ったステイトにフォルが人質にとられていた。
「このお嬢ちゃんを殺されたくなければ『再生』を彫れ!!」
「痛い!? 痛いです!! 腕を放して!!」
「お前さんはフォルを拘束している、その状態で『再生』は彫れない」
「それじゃあ、お前自身に彫れ。そうして俺の娘の足を『再生』させると約束しろ」
「チッ、仕方がない。約束する」
フォルを人質にとられて刃物を向けられていたので俺は言われたとおりにすることにした。俺の肌のまだ白い部分に『再生』を彫っていく、光の精霊がチカチカと輝き舞い踊った。複雑な紋様を彫りながら俺はフォルを取り戻せないか見ていた、だがステイトはがっちりとフォルを捕まえていた。結局俺のタトゥーに『再生』が加わった。
「『再生』を彫ったぞ、娘とやらはどこだ」
「二階だ、必ず娘の足を『再生』させろ」
そうして二階に行ってみるとまだあどけない少女がいた。少女の足は事故だろうか、両足とも膝から先が無かった。俺は『再生』で少女の両足を元に戻した。少女はそれに驚いて立ち上がった、そうしてフォルは解放され、少女の父親であるステイトは少女を抱いて大喜びして泣いた。
「俺への報酬、金貨二千枚はどうする?」
「そんな大金払えない、金貨千枚だって商店を売って手に入れたんだ」
「それで明日から一文無し、貧民街(スラム)行きか?」
「またどこかで働いてあんたへの報酬は必ず払う」
「あいにくとこっちはもうこの街を出ていくんだよ」
「いつかまた来た時に払う、かならず払ってみせるから」
俺はもう面倒くさくなってそれ以上は追及しなかった。フォルは足が治った少女とにっこり微笑み合ったりしていた。まったく金貨二千枚分のただ働きだ。だがおかげで俺に『再生』のタトゥーが手に入った。
「本当はフォルに彫ってやりたかったのに」
「また今度、お金がある時でいいですよ」
「金貨千枚も稼げることがあるかな」
「私と王宮に帰ってからでもいいですし」
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