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14王宮に戻る?
「フォルの奴どこに行ったんだ?」
いつものように街の市場で俺が客を探していた時のことだった。いつもなら呼び込みをしてくれるフォルが客にタトゥーを彫っている間にいなくなっていた。第二王女様をさすがに一人で放っておくわけにはいかない。俺はフォルの特徴を言いながら市場でフォルを探し始めた。
「次は絶対にきます、このカードです!!」
「ありゃ、お嬢ちゃん。残念、お嬢ちゃんの負けだよ」
そうしてフォルを探し出してみればフォルはカード賭博をやっていた。しかもだ、俺のみたところフォル以外の客も店もぐるになった、タチの悪いカード賭博だった。だから慌てて俺はフォルをその場から回収した。
「クライブ、あっ!! 呼び込みをサボってごめんなさい」
「それはどうでもいい、いくら負けたんだお前は? あれは絶対に勝つことのできないカード賭博だぞ」
「ええっ!? そうだったんですか!? お嬢ちゃん、お小遣いが増えるよって言われて。……でも凄く減ってしまいました」
「ほとんどすっからかんじゃないか、今日の宿代を払ったら無くなるぞ」
「ど、どうしましょう」
「どうするかの前に、あの違法なカード賭博を捕まえて貰いな。市場を守る兵士に第二王女の身分証をみせればいけるだろ」
そうして違法なカード賭博の店は兵士たちによって捕縛となった。ただ仲間が数人に分かれて儲けを持ち逃げした為、フォルに返ってきたのは僅かな金銭だけだった。宿屋に帰ってフォルがそのことを嘆いていた。
「私もう賭け事なんてしません、……多分」
「多分ってことは賭け事が好きなんだな、しかしもうやるな。お前は賭け事に向いていない」
「はい、分かりました。しかし路銀をどうしましょう」
「そろそろ王宮に返ったらどうだ?」
俺はフォルは自分のことを追いかけてくるだろうから、その選択肢は選ばないと思っていた。だがフォルの返事は違っていた。
「それもいいですね!!」
俺ってもうフォルに飽きられたのだろうか、王宮に帰るということは第二王女に戻ってそれなりの相手と結婚するということだ。俺はなんだか心がもやもやした。胸がぎゅっと痛くなって何か見捨てられたような気分になった。しかし、フォルの言葉には続きがあった。
「王宮に帰ってお父様に顔を見せて、それが終わったらまた路銀を持ってクライブに合流します」
「お前、俺を諦めて王宮に帰るんじゃないのか?」
「そんなことはしません!! 私は絶対にクライブを夫にするんですから!!」
「ただのタトゥーアーティストが王配か、そんなの本当にできるか?」
「できます、クライブのタトゥーアーティストの腕なら大丈夫です!!」
「ははっ、参ったね。こりゃ」
俺はフォルが自分のことを諦めないと聞いて嬉しかった、正直なところ素直にただ嬉しかった。だからフォルが王宮に帰らなくてもいいように、ほどほどの金が入った袋を投げて渡した。
「クライブ、これって何のお金です?」
「いつも呼び込みをして貰ってるお礼金だ。少ないか、もう少しなら出せるぞ」
「いえいえ、これで王宮に帰らなくて済みます!! 良かった!!」
「フォルは本当に可愛いな」
「それなら早く抱いてください」
「そうだな、考えておく」
「本当ですか!?」
「…………」
俺はこの関係が終わるか変わるのが怖くて曖昧な笑みで頷いた。フォルはそれでも嬉しかったのだろう、俺に向かって抱きついて来た。その夜はベッドで抱いて眠るフォルが愛おしく感じた。でも一時の感情かもしれないから、フォルには手を出さなかった。もうすぐ変わる、何かが変わっていく気がしながら俺も眠りに落ちた。夢の中で俺はフォルを抱いていた、フォルも嬉しそうに笑っていた。とても気持ちの良い夢だった、もしかしたらいつか現実になる夢だった。
いつものように街の市場で俺が客を探していた時のことだった。いつもなら呼び込みをしてくれるフォルが客にタトゥーを彫っている間にいなくなっていた。第二王女様をさすがに一人で放っておくわけにはいかない。俺はフォルの特徴を言いながら市場でフォルを探し始めた。
「次は絶対にきます、このカードです!!」
「ありゃ、お嬢ちゃん。残念、お嬢ちゃんの負けだよ」
そうしてフォルを探し出してみればフォルはカード賭博をやっていた。しかもだ、俺のみたところフォル以外の客も店もぐるになった、タチの悪いカード賭博だった。だから慌てて俺はフォルをその場から回収した。
「クライブ、あっ!! 呼び込みをサボってごめんなさい」
「それはどうでもいい、いくら負けたんだお前は? あれは絶対に勝つことのできないカード賭博だぞ」
「ええっ!? そうだったんですか!? お嬢ちゃん、お小遣いが増えるよって言われて。……でも凄く減ってしまいました」
「ほとんどすっからかんじゃないか、今日の宿代を払ったら無くなるぞ」
「ど、どうしましょう」
「どうするかの前に、あの違法なカード賭博を捕まえて貰いな。市場を守る兵士に第二王女の身分証をみせればいけるだろ」
そうして違法なカード賭博の店は兵士たちによって捕縛となった。ただ仲間が数人に分かれて儲けを持ち逃げした為、フォルに返ってきたのは僅かな金銭だけだった。宿屋に帰ってフォルがそのことを嘆いていた。
「私もう賭け事なんてしません、……多分」
「多分ってことは賭け事が好きなんだな、しかしもうやるな。お前は賭け事に向いていない」
「はい、分かりました。しかし路銀をどうしましょう」
「そろそろ王宮に返ったらどうだ?」
俺はフォルは自分のことを追いかけてくるだろうから、その選択肢は選ばないと思っていた。だがフォルの返事は違っていた。
「それもいいですね!!」
俺ってもうフォルに飽きられたのだろうか、王宮に帰るということは第二王女に戻ってそれなりの相手と結婚するということだ。俺はなんだか心がもやもやした。胸がぎゅっと痛くなって何か見捨てられたような気分になった。しかし、フォルの言葉には続きがあった。
「王宮に帰ってお父様に顔を見せて、それが終わったらまた路銀を持ってクライブに合流します」
「お前、俺を諦めて王宮に帰るんじゃないのか?」
「そんなことはしません!! 私は絶対にクライブを夫にするんですから!!」
「ただのタトゥーアーティストが王配か、そんなの本当にできるか?」
「できます、クライブのタトゥーアーティストの腕なら大丈夫です!!」
「ははっ、参ったね。こりゃ」
俺はフォルが自分のことを諦めないと聞いて嬉しかった、正直なところ素直にただ嬉しかった。だからフォルが王宮に帰らなくてもいいように、ほどほどの金が入った袋を投げて渡した。
「クライブ、これって何のお金です?」
「いつも呼び込みをして貰ってるお礼金だ。少ないか、もう少しなら出せるぞ」
「いえいえ、これで王宮に帰らなくて済みます!! 良かった!!」
「フォルは本当に可愛いな」
「それなら早く抱いてください」
「そうだな、考えておく」
「本当ですか!?」
「…………」
俺はこの関係が終わるか変わるのが怖くて曖昧な笑みで頷いた。フォルはそれでも嬉しかったのだろう、俺に向かって抱きついて来た。その夜はベッドで抱いて眠るフォルが愛おしく感じた。でも一時の感情かもしれないから、フォルには手を出さなかった。もうすぐ変わる、何かが変わっていく気がしながら俺も眠りに落ちた。夢の中で俺はフォルを抱いていた、フォルも嬉しそうに笑っていた。とても気持ちの良い夢だった、もしかしたらいつか現実になる夢だった。
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