52 / 167
第三章 4人、日本とインジスカン王国を行き来する
閑話―岡塚家のインジスカン王国観光―前編
しおりを挟む
日本組の岡塚汲広がまだインジスカン王国に居るのは何故か?
本来、領地巡りは夏休みを最後まで使ってギリギリの日程であった。
予定が早く進み、日程に余裕が出来たと言っても高々3日くらいである。
なのに、領地行脚が終わっても、汲広もアントネラも日本に帰っていない。
それは、汲広が高校を休学しているからである。
汲広はアカツキ領の人が住んでいる所をくまなく歩いて回った。そして思った。“こりゃ、夏休み期間中に全ての仕事を終えるのは無理だな”と。
そして、休学を決断したのである。
*
時は戻って日本組の汲広とアントネラが領地行脚をしていた初期の頃、ふいに汲広が、
「ウチの両親と朝里、盆休みは何をするんだろう?」
「どこかへ出かけるとかそんな話聞きませんでしたね」
「思うんだけど、こっちに呼んで、インジスカンを観光させないか?」
「それはいいですね。私の故郷も見せたいですし。両親にも合わせたいですし」
こうして、インジスカン王国を観光させる案が浮上した。
汲広はその日の宿泊地に着いた夜の7時頃、汲広は掃き出し窓の魔法で日本の実家を訪ねた。
すると、父の修司、母の朋子、妹の朝里が揃っていた。そこで、インジスカン王国の観光の話を出したところ、父の修司は、
「いいなぁ、あちらのご両親とも会って話をしてみたいと思っていたし、アントネラさんの故郷も見てみたい」
「いいわね。私も賛成よ」
「謎と神秘の国、インジスカン王国。2学期が始まったら友達に自慢できるわね」
家族も乗り気になってくれたようである。
「それで、海外に行くのだから、パスポートと観光ビザを用意して貰いたいんだけど」
「しかし、お前、パスポートビザも持たずにあっちにもこっちにも行き来しているじゃないか」
「それは、僕もアントネラも二重国籍、あっちにも国籍があるんだ」
「しかしお前、国籍があっても、ちゃんと出入国の手続きちゃんとしていないんじゃないか?」
「そこは、色々と特例があるからいいんだよ」
「ふぅーん、そんなものか」
色々と話しを深掘りすると、墓穴を掘りそうなので、誤魔化す汲広であった。
「要件は分かった。それじゃぁ、こちらも準備しておくよ。楽しみにしているよ」
「みんなに楽しんでもらえるよう頑張るよ」
そして、一通り話を終えたので、掃き出し窓の魔法でアカツキ邸に帰る汲広であった。
汲広が実家に戻っている頃、アントネラは王都のシンダーグスに出向いていた。
向かったのはカンデラ邸である。
今は、父のスティーブも王都の仕事をする期間なのであり、王都のカンデラ邸で過ごしていた。
母のナンシーも、長女のシフォンも、長男のマイクも、次女のリサも居り、家族全員と話が出来るようだ。アントネラは、
「今、悠生が話しに行っている途中なのですが、悠生の家族をインジスカン王国に観光しに来ようという話がありまして、折角なので悠生の家族と会って歓談でもどうかなと思いまして」
「そういえば、悠生君の家族とは会ったことが無かったな。良い機会だし、一度話してみることは良いことだ」
「それでは、その方向で話を進めますね」
「あぁ、そうしてくれ」
そうして、話しを通した汲広とアントネラは、掃き出し窓の魔法でアカツキ領の領主邸に戻り、ちょっと遅い朝食を摂り、また領地行脚へ向かうのであった。
*
準備は着々と進み、出発当日。外務省での出国手続きも済ませ、早めに風呂だけは済ませて汲広の迎えを待つ岡塚家一行。時刻は夜の8時。待っていると汲広がやって来た。
「お待たせー」
泊まりでの旅行のため、岡塚家一行はかなりの荷物を持っている。
それを汲広は掃き出し窓の魔法で家族の荷物を預かった。
まずは、インジスカン王国の首都、シンダーグスのアカツキ領主邸へと案内した。
「わぁー大きなお屋敷!」
「汲広、よくこんな大きなお屋敷を借りられたな」
「借りられたも何も、ここは僕のこっちでの家だよ」
「え、こんな大きなお屋敷が持ち家なのか!汲広、お前何をやった!」
「日本の便利機器をこっちに持ち込んだら高く評価されてね。それでこちらでは伯爵位をもらってる」
「伯爵!?お前、こっちでは貴族をやっているのか!」
「そだよー」
そんな話をしていると、インジスカン組のアカツキ伯爵とステファニアとすれ違った。
アカツキ伯爵は、
「あぁ、こっちに来るのは今日だったか。インジスカン王国での観光、楽しんでくれよ」
「あ!え!?汲広が二人!」
「汲広、話していなかったのか。魔法で分身の術が使えるんだ。僕はインジスカン王国在住の方の汲広とアントネラ。で、掃き出し窓の魔法で連れて来たのが日本在住組の汲広だ」
「お前ら目を離した隙にとんでもないことになってるな。俺、頭が追いつかん」
大きなお屋敷の持ち家に、伯爵の貴族位、そして、1組だと思っていた息子夫妻が魔法で2組になっている。岡塚家一行に立て続けに続くびっくりな出来事に、来て早々頭がこんがらがっていたのである。
すると、日本組の方のアントネラがやって来た。
「ようこそインジスカン王国へ。この国の観光を楽しんでいって下さいね。お食事の用意が出来ています。食堂の方へご案内します」
本来、領地巡りは夏休みを最後まで使ってギリギリの日程であった。
予定が早く進み、日程に余裕が出来たと言っても高々3日くらいである。
なのに、領地行脚が終わっても、汲広もアントネラも日本に帰っていない。
それは、汲広が高校を休学しているからである。
汲広はアカツキ領の人が住んでいる所をくまなく歩いて回った。そして思った。“こりゃ、夏休み期間中に全ての仕事を終えるのは無理だな”と。
そして、休学を決断したのである。
*
時は戻って日本組の汲広とアントネラが領地行脚をしていた初期の頃、ふいに汲広が、
「ウチの両親と朝里、盆休みは何をするんだろう?」
「どこかへ出かけるとかそんな話聞きませんでしたね」
「思うんだけど、こっちに呼んで、インジスカンを観光させないか?」
「それはいいですね。私の故郷も見せたいですし。両親にも合わせたいですし」
こうして、インジスカン王国を観光させる案が浮上した。
汲広はその日の宿泊地に着いた夜の7時頃、汲広は掃き出し窓の魔法で日本の実家を訪ねた。
すると、父の修司、母の朋子、妹の朝里が揃っていた。そこで、インジスカン王国の観光の話を出したところ、父の修司は、
「いいなぁ、あちらのご両親とも会って話をしてみたいと思っていたし、アントネラさんの故郷も見てみたい」
「いいわね。私も賛成よ」
「謎と神秘の国、インジスカン王国。2学期が始まったら友達に自慢できるわね」
家族も乗り気になってくれたようである。
「それで、海外に行くのだから、パスポートと観光ビザを用意して貰いたいんだけど」
「しかし、お前、パスポートビザも持たずにあっちにもこっちにも行き来しているじゃないか」
「それは、僕もアントネラも二重国籍、あっちにも国籍があるんだ」
「しかしお前、国籍があっても、ちゃんと出入国の手続きちゃんとしていないんじゃないか?」
「そこは、色々と特例があるからいいんだよ」
「ふぅーん、そんなものか」
色々と話しを深掘りすると、墓穴を掘りそうなので、誤魔化す汲広であった。
「要件は分かった。それじゃぁ、こちらも準備しておくよ。楽しみにしているよ」
「みんなに楽しんでもらえるよう頑張るよ」
そして、一通り話を終えたので、掃き出し窓の魔法でアカツキ邸に帰る汲広であった。
汲広が実家に戻っている頃、アントネラは王都のシンダーグスに出向いていた。
向かったのはカンデラ邸である。
今は、父のスティーブも王都の仕事をする期間なのであり、王都のカンデラ邸で過ごしていた。
母のナンシーも、長女のシフォンも、長男のマイクも、次女のリサも居り、家族全員と話が出来るようだ。アントネラは、
「今、悠生が話しに行っている途中なのですが、悠生の家族をインジスカン王国に観光しに来ようという話がありまして、折角なので悠生の家族と会って歓談でもどうかなと思いまして」
「そういえば、悠生君の家族とは会ったことが無かったな。良い機会だし、一度話してみることは良いことだ」
「それでは、その方向で話を進めますね」
「あぁ、そうしてくれ」
そうして、話しを通した汲広とアントネラは、掃き出し窓の魔法でアカツキ領の領主邸に戻り、ちょっと遅い朝食を摂り、また領地行脚へ向かうのであった。
*
準備は着々と進み、出発当日。外務省での出国手続きも済ませ、早めに風呂だけは済ませて汲広の迎えを待つ岡塚家一行。時刻は夜の8時。待っていると汲広がやって来た。
「お待たせー」
泊まりでの旅行のため、岡塚家一行はかなりの荷物を持っている。
それを汲広は掃き出し窓の魔法で家族の荷物を預かった。
まずは、インジスカン王国の首都、シンダーグスのアカツキ領主邸へと案内した。
「わぁー大きなお屋敷!」
「汲広、よくこんな大きなお屋敷を借りられたな」
「借りられたも何も、ここは僕のこっちでの家だよ」
「え、こんな大きなお屋敷が持ち家なのか!汲広、お前何をやった!」
「日本の便利機器をこっちに持ち込んだら高く評価されてね。それでこちらでは伯爵位をもらってる」
「伯爵!?お前、こっちでは貴族をやっているのか!」
「そだよー」
そんな話をしていると、インジスカン組のアカツキ伯爵とステファニアとすれ違った。
アカツキ伯爵は、
「あぁ、こっちに来るのは今日だったか。インジスカン王国での観光、楽しんでくれよ」
「あ!え!?汲広が二人!」
「汲広、話していなかったのか。魔法で分身の術が使えるんだ。僕はインジスカン王国在住の方の汲広とアントネラ。で、掃き出し窓の魔法で連れて来たのが日本在住組の汲広だ」
「お前ら目を離した隙にとんでもないことになってるな。俺、頭が追いつかん」
大きなお屋敷の持ち家に、伯爵の貴族位、そして、1組だと思っていた息子夫妻が魔法で2組になっている。岡塚家一行に立て続けに続くびっくりな出来事に、来て早々頭がこんがらがっていたのである。
すると、日本組の方のアントネラがやって来た。
「ようこそインジスカン王国へ。この国の観光を楽しんでいって下さいね。お食事の用意が出来ています。食堂の方へご案内します」
0
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる