122 / 167
第五章 流通革命
初稼働―後編
しおりを挟む
その後もちらほらとバイク便から仕事を回してもらった。
今日、汲広が「どうだった?」と聞いたのは何度目だろう?
元々優秀なメンバーで挑んだのだから、最速で仕事は進み、何も問題は起こらなかった。
居残り組のメンバーは、ハンディーターミナルの練習、仕事で使うアプリの練習の他、いつもの模擬練習にミーティングをやった。
ミーティングの仕切りはアントネラだった。
稼働組の7組14名も交替で、バイク便の人達と混じって昼食を摂った。
午後も順調に配達の仕事をこなした。
居残り組のメンバ-も、気合いが入ったのか、行き先を間違った者が、全体で1ケタで、かなり精度が上がってきた。
瞬達便の配達終了時間、終業まで1時間前、これから全体ミーティングの時間である。
居残り組が、稼働組へ質問をしまくった。
「実際の仕事ってどんな感じ?」
「まぁ、日頃の練習ができればこなせる感じかな?」
「お客様はどんな感じだった?」
「特に怖い人もいないし、ちゃんと営業言葉と瞬達便の宣伝が混ぜられたら大丈夫だぞ」
「行き先間違えなかった?」
「間違えたことがないからどうやったら間違えるのか逆に聞いてみたい」
ひとしきり質問攻めにした後、終礼の時間となる。
疋田野課長に汲広、アントネラが壇上に立つ。汲広が、
「上位成績の優秀者を集めたお陰だろうか、実際の配達業務は文句なしの満点、居残り組も行き先を間違った者は全体で1ケタと精度が上がった。これは喜ばしいことである。これからも成績を伸ばしていって欲しい」
続いて疋田野課長からの訓示があり、アントネラが、
「今日は皆さん、よく頑張りました。今日はよく寝て、明日に備えて下さいね。それでは今日は終わりにします。また明日、会いましょう」
皆が仕事道具を片付ける。
特に配達組はいろいろな物を持たされていたので大変であった。
特にお金である。
1階に降りて、配達記録と実際に持っているお金を付き合わせてミスが無いかどうかチェックされる。
皆、ミスが無かったようで、順番に行っては「お疲れ様」と声をかけられ、ロッカーへ行って帰り支度をする。
お釣り用の袋は小銭の枚数を全て揃えられ、金庫にしまわれた。
「岡塚夫妻、お疲れ様」
「疋田野課長、仕事を分けて下さり有難う御座いました」
「なぁに、こちらの負担が減ったんだ。交通量の多い、時間が読めない仕事を中心に振ったから、こちらも助かっているんだ」
「そう言って頂けると助かります」
「明日もまた、配達するんだろう?」
「最近ミスをしていない者も含めて、12組、24名で事に当たらせます」
「じゃぁ、今日より仕事を負担してもらっても大丈夫そうだな」
「はい」
帰りに汲広とアントネラは、ビールを2本買って帰り、夕食時に祝杯と称して呑んだ。
初めて飲むビールの味はほろ苦かった。父の修司は、
「二十才を超えても酒をやらなかった二人にしては、ビール、初めてじゃないか?」
「あぁ、初めてだな。こんな苦い飲み物だったんだな」
「今日は仕事が順調に船出をした日なのです。ちょっと羽目を外しちゃいました」
「明日もあるんだし、二人とも、夜更かしせずにちゃんと寝るんだよ」
翌日、12組、24名は、配達前の準備をし、瞬達便メンバー全員で、今日も朝礼だ。
「配達に行く者はミスをしないよう、欲を言えば、『瞬達便』の宣伝をちょくちょく混ぜるように。居残り組も、今日こそはノーミスで頑張ろう!」
「「「はい」」」
今日も、汲広が、配達を済ませた者に、「どうだった?」と、聞き回り、アントネラが居残り組の面倒を見る。
今日もノーミス。
居残り組も、今のところはノーミスである。
昼食後も皆、頑張った。
配達組の中に、集金を間違えかけた者がいたが、その場で気付き、何とかセーフ。
居残り組も、ノーミスをキープしていた。
「何事も起こらずにこのまま終わってくれればいいが…」
汲広の心配も、気苦労で終わり、配達組も、居残り組も、共にノーミスで配達終了の時間となった。
「相乗効果というか何というか、配達組も、居残り組も、ノーミスで今日は終了した。これで全員配達業務に増させるな」
「皆さんよく頑張りました」
明日は土曜日である。
一応見習い扱いになっている『瞬達便』メンバーは、2連休である。
「明日、明後日は連休だが、羽目を外しすぎないように。体調を整える日と割切って過ごすように。それでは今日はこれまで。ご苦労さん」
皆、片付けを始め、片付けを終え、着替えた者から順々に帰っていった。
汲広とアントネラは、疋田野課長に今日の報告に行った。
そこで言われたのは、
「岡塚夫妻、まずいことになりましたよ」
不穏な言葉であった。
今日、汲広が「どうだった?」と聞いたのは何度目だろう?
元々優秀なメンバーで挑んだのだから、最速で仕事は進み、何も問題は起こらなかった。
居残り組のメンバーは、ハンディーターミナルの練習、仕事で使うアプリの練習の他、いつもの模擬練習にミーティングをやった。
ミーティングの仕切りはアントネラだった。
稼働組の7組14名も交替で、バイク便の人達と混じって昼食を摂った。
午後も順調に配達の仕事をこなした。
居残り組のメンバ-も、気合いが入ったのか、行き先を間違った者が、全体で1ケタで、かなり精度が上がってきた。
瞬達便の配達終了時間、終業まで1時間前、これから全体ミーティングの時間である。
居残り組が、稼働組へ質問をしまくった。
「実際の仕事ってどんな感じ?」
「まぁ、日頃の練習ができればこなせる感じかな?」
「お客様はどんな感じだった?」
「特に怖い人もいないし、ちゃんと営業言葉と瞬達便の宣伝が混ぜられたら大丈夫だぞ」
「行き先間違えなかった?」
「間違えたことがないからどうやったら間違えるのか逆に聞いてみたい」
ひとしきり質問攻めにした後、終礼の時間となる。
疋田野課長に汲広、アントネラが壇上に立つ。汲広が、
「上位成績の優秀者を集めたお陰だろうか、実際の配達業務は文句なしの満点、居残り組も行き先を間違った者は全体で1ケタと精度が上がった。これは喜ばしいことである。これからも成績を伸ばしていって欲しい」
続いて疋田野課長からの訓示があり、アントネラが、
「今日は皆さん、よく頑張りました。今日はよく寝て、明日に備えて下さいね。それでは今日は終わりにします。また明日、会いましょう」
皆が仕事道具を片付ける。
特に配達組はいろいろな物を持たされていたので大変であった。
特にお金である。
1階に降りて、配達記録と実際に持っているお金を付き合わせてミスが無いかどうかチェックされる。
皆、ミスが無かったようで、順番に行っては「お疲れ様」と声をかけられ、ロッカーへ行って帰り支度をする。
お釣り用の袋は小銭の枚数を全て揃えられ、金庫にしまわれた。
「岡塚夫妻、お疲れ様」
「疋田野課長、仕事を分けて下さり有難う御座いました」
「なぁに、こちらの負担が減ったんだ。交通量の多い、時間が読めない仕事を中心に振ったから、こちらも助かっているんだ」
「そう言って頂けると助かります」
「明日もまた、配達するんだろう?」
「最近ミスをしていない者も含めて、12組、24名で事に当たらせます」
「じゃぁ、今日より仕事を負担してもらっても大丈夫そうだな」
「はい」
帰りに汲広とアントネラは、ビールを2本買って帰り、夕食時に祝杯と称して呑んだ。
初めて飲むビールの味はほろ苦かった。父の修司は、
「二十才を超えても酒をやらなかった二人にしては、ビール、初めてじゃないか?」
「あぁ、初めてだな。こんな苦い飲み物だったんだな」
「今日は仕事が順調に船出をした日なのです。ちょっと羽目を外しちゃいました」
「明日もあるんだし、二人とも、夜更かしせずにちゃんと寝るんだよ」
翌日、12組、24名は、配達前の準備をし、瞬達便メンバー全員で、今日も朝礼だ。
「配達に行く者はミスをしないよう、欲を言えば、『瞬達便』の宣伝をちょくちょく混ぜるように。居残り組も、今日こそはノーミスで頑張ろう!」
「「「はい」」」
今日も、汲広が、配達を済ませた者に、「どうだった?」と、聞き回り、アントネラが居残り組の面倒を見る。
今日もノーミス。
居残り組も、今のところはノーミスである。
昼食後も皆、頑張った。
配達組の中に、集金を間違えかけた者がいたが、その場で気付き、何とかセーフ。
居残り組も、ノーミスをキープしていた。
「何事も起こらずにこのまま終わってくれればいいが…」
汲広の心配も、気苦労で終わり、配達組も、居残り組も、共にノーミスで配達終了の時間となった。
「相乗効果というか何というか、配達組も、居残り組も、ノーミスで今日は終了した。これで全員配達業務に増させるな」
「皆さんよく頑張りました」
明日は土曜日である。
一応見習い扱いになっている『瞬達便』メンバーは、2連休である。
「明日、明後日は連休だが、羽目を外しすぎないように。体調を整える日と割切って過ごすように。それでは今日はこれまで。ご苦労さん」
皆、片付けを始め、片付けを終え、着替えた者から順々に帰っていった。
汲広とアントネラは、疋田野課長に今日の報告に行った。
そこで言われたのは、
「岡塚夫妻、まずいことになりましたよ」
不穏な言葉であった。
0
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる