異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

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第五章 流通革命

掃き出し窓の能力集中講習センターの下見

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 交通業界に掃き出し窓の能力その他を訓練し、全員を講習修了させた翌日、汲広くみひろとアントネラは海が見えるところにやって来た。

 …とは言っても、埋め立て地。

 元々かった土地なので、広大な大地を求めて、工場やら倉庫などが多い土地である。

 そんな中にポツンとある2階建ての広々とした建物。

 そこが、第三セクターで新設された、『掃き出し窓の能力集中講習センター』である。

 この埋め立て地に用のある者は送迎バスで来るため、一般的な交通網は発達しておらず、能力もく行くのは大変だろうなと思う。

 まぁ、地図の能力と掃き出し窓の能力さえあれば、地図でココと言われれば、掃き出し窓の能力で軽くいけるのだが。


 初めて来る建物。どこに受付があるかすらも分からない。

 コンクリートぞうの建物を一周して入り口らしいところを探す。

 あった。

 汲広くみひろとアントネラは『掃き出し窓の能力集中講習センター』の、人が出入りするであろう金属製の重そうな扉をノックした。


「ドンドン」


 しばらくっても人が出てくる様子がない。


「ドンドンドンドン」


 出て来ない。勝手に入ってもいいだろうか?関係者だし。汲広くみひろとアントネラは入ってみることにした。


「あんたら誰ね!」


 入ったら怒られた。汲広くみひろは、


「ここって、『掃き出し窓の能力集中講習センター』予定地ですか?」

「あぁ、そうだが?」

「ここが開業したら講師を務めることになっている岡塚おかつか夫妻です。初めまして」

「あぁ、関係者ね。詳しいことはワシにも分からんから主任を呼んでくるよ。休憩室に案内するからそこで待っちょりなさい」


 そこは、椅子とテーブルもあって、昼時には弁当でも食べるのであろう、100人くらい悠々ゆうゆうと昼食が摂れそうな広々とした休憩室であった。

 端の方にはシンクとガスコンロ、隣に台が見える。


 いくらか待たされた。そして、一人の男がやって来た。


「いやぁ、ビックリしたでしょ?ここは来客があっても分かりづらいし、勝手に入ったら入ったでコワモテさんがいるし」

「本当にビックリですよ」

岡塚おかつか夫妻ですね。初めまして。このセンターの主任をやってます岡倉おかくら中吉《ちゅうきち》と申します」


 何だか昔のドラマで似たような名前の人が… あまりツッコまないでおこう。


「初めまして岡塚おかつか汲広くみひろです」

「初めまして妻のアントネラです」

「今日は、講師としてたずさわるセンターにご挨拶と、どんな所か視察にやって来ました」

「ようこそいらっしゃいました」


 岡倉おかくらは、「コホン」と咳払せきばらいをして、


「この部屋は、昼食を摂る食堂けん休憩室けんミーティングルームに使おうと思っています」

「広々としてますねぇ」

「えぇ。教えられる人数を多くして、回数を減らしたいですからね」

「でも、人数を多くしたら私たち二人だけじゃ教えられないですよね?」

「そうですね。でも、抜け駆けした罰として、木瀬きせ通運の瞬達便しゅんたつびんメンバーが講師補助で手助けしてくれる予定になっていますから、人員的には問題ないでしょう」


 木瀬きせ運輸はスムーズいっていれば瞬達便しゅんたつびんは本稼働しているころだ。

 しかし、抜け駆けし、多方面から非難を受けてこちらに人員を派遣しなければならない。

 少ない人数で本稼働させるか、お試し期間を延長するか、悩んでいるところらしい。


 二階へ上り、次に向かった部屋はパソコンルームであった。


「こちらで掃き出し窓の能力の訓練をします。例の、木瀬きせ運輸の練習ソフトもインストール済みですよ。あと数日したら、この前まで講習で使用していたGPSも届く予定です」

「これだけそろっていると、講習もしやすそうですね」


 次に向かったのは、同じ二階にある小広間。

 灰色の事務用机と椅子が並んでいる。

 いくつかの机にはノートパソコンが置いてある。

 壁際にはプリンターが1台と、シンクが置いてある。


「ここが管理者や講師たちが使う部屋。職員室みたいなものです。私が一番奥の机を使って、その前あたりを汲広くみひろさんやアントネラさんに使ってもらう予定です。他の机は木瀬きせ通運の臨時講師に使ってもらう予定です。ここの用事に使うなら、机にすでいてあるノートパソコンも貸し出しします。表計算ソフトやら、ワープロソフトなど、事務作業に使うソフトもちゃんと入ってますよ」


 どうやら自分専用のデスクもあるらしい。おまけにノートパソコンも貸与たいよされるらしい。


「この部屋と、休憩室には給茶機を置く予定です。屋内ではエアコンをかせる予定ですが、練習にみな、外に出なくちゃならないでしょ?熱中症対策です。冷たいお水やお茶と温かいお水やお茶も出る物を選びました。お茶も緑茶とほうじ茶を選べますよ。ですので、自分専用のカップを持って来て下さいね」


 ふんふんと汲広くみひろは聞いて、


「この環境なら良い講習ができそうです」


 汲広くみひろは笑って言うのであった。
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