仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

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花菜香・風雅の留学と大戦

あまりゆっくりしてはいられない

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 馬車に揺られること十数分、二郎たち一行は首都、ペンテレストロフの屋敷に到着した。


「何だか疲れましたわ」


 他のみなも同意見のようであった。

 みな、屋敷のリビングに集まり、お茶を飲みながら休憩と雑談をするのであった。


花菜香はなか風雅ふうが、入学してすぐにこんな話するのもなんだけど、二郎から聞いているかも知れないけどあなたたちを西方諸国連合魔道士団の予備隊員にしようと思っているの。時間は余り取られないようにとは考えているのだけれどもザッテリーニ連邦国の出方次第では大幅に時間を取られて学校の方は留年なんて事も考えられるの。ごめんね」

「生活の場を守るのは当たり前だから予備隊員になるのは私も望むところだから心配しないで」

「僕も黙って生活の場を奪われるのは容認できないから協力する。納得ずくだからあまり気にしないで」


 と話していると、OGのミネルバがこんな話をしだした。


「明日にでも話があると思いますが、アハントルト王立魔法学校の授業の単位ってテストを受けて合格すればもらえます。それで、そのテストというのは授業時間中、いつでも受けられるのです。なので、頭のいい人は授業開始日にテストを希望して合格しちゃうなんて伝説もあるくらいです」

「「「「「それだ!」」」」」

花菜香はなか風雅ふうが、情勢が不安定だから取れる単位はさっさと取っちゃいなさい!」

「母さん、言うほど簡単じゃないよ」

「あと、図書館には先輩の授業のノートがあるの。授業内容に変更がない科目なんかは成績優秀者のノートを見れば、早めに合格できる可能性があるの」


 図書館には先輩の授業のノートがある。ノートを収めれば、学校から謝礼金が出るから貧乏学生は謝礼金目的で学校にノートを収めるものもいるらしい。成績優秀者には学校側が頼み込むケースもあるのだそうな。


「そうね。単位を取れそうな学科から取っていってなるべく早めに進級できる状況を作るよ」

「学園ライフって楽しみにしていたんだけれども、勉強漬けで暗いものになりそうだわ」

花菜香はなか風雅ふうが、無理言ってごめんね」


 そうして花菜香はなか風雅ふうがはできるだけ早めに単位を取るため自室で勉強するのであった。


 翌日、花菜香はなか風雅ふうがは登校し、総合魔法学Ⅰ類の教室へと入った。程なくしてかねが鳴り、教室に教師が入ってきた。出欠を取った後、


「総合魔法学Ⅰ類への入学おめでとう。私は総合魔法学Ⅰ類1年担任のマイケル・ハッセルホフだ。まずは学校について説明させてもらう」


 説明を真剣に聞く生徒達。ミネルバの言った通り、授業履修テストは授業時間中いつでも受けることができ、テストに合格した時点をもってその授業は履修済みとなるのだそうだ。あと、図書館に先輩たちの残したノートがあることも教えてくれた。


「それじゃぁ、学園内の施設の案内をする。よく使うところは特によく憶えるように」

「「「「「はい」」」」


 学内の施設を案内されたあと、本格的な授業は明日からということで、今日は終わりとなった。しかし花菜香はなか風雅ふうがには許可を取っておきたいことがある。花菜香はなか風雅ふうがは担任教師を呼び止め、


「先生、ゲートの魔法を学校内で使う許可を下さい」

「ゲートの魔法?聞いたことがないな。どんな魔法だ?」

「それでは実際に見せますね」


 風雅ふうがはゲートの魔法を使って見せた。


「おぉ。これはすごいな。校長に見せたいからついて来てくれ」


 花菜香はなか風雅ふうがは、担任のマイケルに付いて行った。


「新入生かな?私が校長のドナートフ・ウォーリーズだ。ハッセルホフ先生、生徒を連れて、何の用かな?」

「生徒が学内で便利魔法を使いたいと申し出があったのですが、見たこともない魔法でして、校長にも見ていただきたいと思いまして連れて来ました」

「ほぉ。それは楽しみだな」


 風雅ふうがはゲートの魔法を使って見せた。


「主に登下校で使いたいと思います」

「これは家に伝わる魔法かな?」

「母がザガンガ王国の王城の図書館の本を見て憶えて広めたと聞いています。今ではやっとアハントルト王国魔道士団が実用を始めた頃だと聞いております」

「君たちの母親が…か。お母さんについて聞いてもいいかね?」

 花菜香はなかは、かおるがサガンガ王国で魔法の名門の公爵家に産まれ、本人も秀才と名高かったこと、かおるがサガンガ王国筆頭宮廷魔道士と、西方諸国連合軍の魔道士団総長を兼任していること、かおるがまだ暇だった頃、サガンガ王国の王城で書類仕事の片手間で王城の魔法関連書物を読みあさっていろいろと使えるようになったことを説明した。


「おぉ。それはすごいお母さんだね。他にも使える魔法はあるのかな?」


 花菜香はなか風雅ふうがは、一通り、便利魔法を使って見せた。


「あと、転移魔法も使えますが、まだ不安定ですし、ご覧に入れづらいですので今日は割愛させて頂きますわ」

「ふむ」


 ドナートフ校長はしばし考え、


「よし、ゲートの魔法だけとはいわず、便利魔法の校内での使用を認めよう。あと、教授会議にかけないといけない話なのだが、花菜香はなか君と風雅ふうが君はその便利魔法を教えるため、教師側として授業を持ってもらうことになるだろう。決まったらよろしく頼むよ」

「「はい」」


 話も終わり、担任のマイケルと共に校長室を出る花菜香はなか風雅ふうが。担任のマイケルとも分かれ、


「授業を早く履修しないといけないときに大役が回ってきそうですわね」

「学内で便利魔法が使えるのはいいけれど、全くの想定外」


 その後花菜香はなか風雅ふうがは図書室へ行き、時間いっぱいまで勉強するのであった。

 花菜香はなか風雅ふうがの2人は閉館まで勉強し、ゲートで自宅まで帰るとかおるが待っていた。


花菜香はなか風雅ふうが、お帰り」

「「ただ今戻りました」」

「帰って来たところで申し訳ないんだけど」


 この場には二郎もる。かおるは用紙を出し、


「辞令、ハナカ・アソウ、フウガ・アソウ両名を西方諸国連合軍の魔道士に任ずる」

「「謹んで拝命致します」」


 かおるから辞令書と共にいくつかの物品をもらう花菜香はなか風雅ふうが


「このバッチは外に出るとき付けていてね。西方諸国連合軍の魔道士を示すものだから。あと、辞令書では魔道士ってなっているけれど以前に言った通り、予備隊員だから、いつも詰めている必要はないわ。でも、いくらかの教育は必要だから、一度王城へ行って予備隊員のカリキュラムを受けてね」

「「分かりました」」

「忙しいときにごめんね。状況が落ち着いたらゆっくりしていいからね」

「納得の上で決めたことだから気にしないで」

「それじゃぁ私はサガンガへ戻るわね。二郎、よろしくね」

「任せておけ」


 そうしてかおるはサガンガへと帰っていくのであった。

 そして、花菜香はなか風雅ふうがは早期の授業履修のため、夜遅くまで勉強するのであった。
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